
"身ぶりをしながら話す戸田奈津子さん=2023年3月18日午後3時13分、群馬県高崎市の高崎芸術劇場、川村さくら撮影"
群馬県高崎市の3映画館を会場とする第36回高崎映画祭が18日、開幕した。31日まで。高崎芸術劇場では初日、小さなたばこ屋で交差する人々の群像劇「Smoke」(1995年、ウェイン・ワン監督)の上映と、同作の翻訳を担当した戸田奈津子さん(86)のトークショーがあった。
さわやかな空色のジャケットに身を包んだ戸田さんは、同作の配給を担当した坂上直行さんと登場。「派手じゃないけど、何でもない普通の人を描いた心にしみる映画」と話した。
映画の字幕翻訳の世界については「(はじめは)女の子が入れる世界じゃなかった」「待っている間になぜか通訳のお声がかかったけど、読み書きしかできなくて初めての英会話は記者会見だった」などとエピソードを披露した。「一番いいのは透明な字幕。日本語の介在を感じさせない字幕」と理想も語った。
戸田さんの軽快な語り口に、会場は何度も笑いや拍手に包まれた。(川村さくら)