残念な人の「ツイッターの使い方」よくある4大NG

残念な人の「ツイッターの使い方」よくある4大NG

  • 東洋経済オンライン
  • 更新日:2022/06/23
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情報が流れる巨大なインフラと化したSNSですが、残念な使い方をしていませんか?(写真:metamorworks/PIXTA)

テクノロジー、政治、経済、社会、ライフスタイルなど幅広い分野の情報を発信し、日本のインターネット論壇で注目を集める佐々木俊尚氏。
「ノマドワーキング」「キュレーション」などの言葉を広めたことでも知られ、2006年には国内の著名なブロガーを選出する「アルファブロガー・アワード」も受賞している。
その佐々木氏が、このたび、『現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全』を上梓した。
「ネット記事」「SNS」「書籍」などから、「読むべき」記事をいかに収集し、情報を整理し、発信していくか、自身が日々実践している「新しい時代の読み方」の全ノウハウを初めて公開した1冊で、発売後たちまち4万部を超えるベストセラーになっている。
そんな佐々木氏が「残念な人の『ツイッターの使い方』よくある4大NG」について解説する。

ツイッターで「魔界」に堕ちる人が気づかない過ち

ツイッターを始めた当初はまっとうで専門的な知見を発信していた人が、試しにちょっと過激なことを口走ってみると、いきなりリツイートや「いいね」が増えることがある。するとリツイートの数が気になり、増やすためにだんだんツイートの内容が過激になっていく。

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いい気になって過激な発言を繰り返していると、リツイートが増えるだけでなく、フォロワーも増えていく。気をよくして、ますます過激なことを言うようになる。

自分は「ネット有名人」になったと舞い上がり、社会から認知されていると勘違いしてしまうのだ。これが「魔界」の入り口である。

気がつけば、たしかにフォロワー数は多くネットで知られるようになったが、良識的な人たちからは眉をひそめられ、そういう人たちからはフォローを外されている。しかし、本人はそんなことにはまったく気づかないことも多い。

テレビでもネットでも、こういう「魔界」はいたるところで口を開けている。わたしは長い期間にわたってメディアやインターネットの世界で仕事をしてきているが、そうやって「魔界」に足を踏み入れたまま押し流されて、どこかに行ってしまった人をたくさん見てきた。

短期的にはそれでも有名になれるから本人はいいかもしれないが、長期的にみて得をすることはないのだ。

そこで今回は、「『残念な人のツイッターの使い方』よくある4つのNG」についてお伝えしたい。

1つめは、ツイッターの「分断の世界からは脱出したほうがいい」ということである。「嘘」や「デマ」はとにかくスルーすることだ。

【1】あなたは「分断」の世界に囲まれていないか

ツイッターを見ていると、21世紀の社会は情報でさえも「分断」されてしまっていると本当にそう感じる。とくに政治や社会、経済などの判断が難しい分野においては顕著であると感じる。

日本では、時の政権をひたすら「攻撃」している人と、ひたすら「擁護」している人たちの2つに「分断」され、毎日無限に続くドッジボールみたいに球をぶつけ合っている。

SNSを通してますます「分断」が進み、分断されている同士では「見えている光景」がまったく違うものになってしまう。

もはや事実かどうかなどどうでもよく、自分の政治信条に沿っていれば何でも信じてしまう。そういう人が本当にSNSでも増えている。

そういう人にいくら反論しても、たいてい「黙殺」されるか、逆に「罵倒」されたりするだけだ。こういう世界からは、早々に脱出しなければならない。

「オルタナティブ・ファクト」は日本のSNSにも多い

「オルタナティブ・ファクト」というのは「もうひとつの真実」という意味だ。2017年のアメリカのトランプ大統領就任式で有名になった。報道官の嘘をしれっと「もうひとつの事実」として伝えたことから広まったのだが、そこから「嘘も方便」のように事実を捻じ曲げてでも広めるニセニュースのことを「オルタナティブ・ファクト」と呼ぶようになった。

この「オルタナティブ・ファクト」は、日本のSNSでもそこらじゅうに広まっている。「なんでそんな嘘を信じるの?」というような話がたくさんシェアされ、無数に「いいね」され、拡散しているのを日常的に目にする。

「ポスト・トゥルース」は、直訳すると「真実以後」だ。『オックスフォード英語辞典』の編集部が2016年の「今年の言葉」に選んだことで有名になった。

編集部によると、定義は「世論を形成する際に、『客観的な事実』よりも、むしろ『感情や個人的信条へのアピール』のほうがより影響力があるような状況」だそうだ。

よくある2つめのNGは、「友人からの情報を鵜呑みにしてしまう」ことである。

【2】友人からの情報を鵜吞みにしていないか

ツイッターはいつのまにか、情報が流れる巨大インフラになってしまった。「人間関係のインフラ」の上に「情報のインフラ」が重なり、人間関係を通じて情報が流れるようになったのだ。

「どういう人間関係をつくっているか」で流れてくる情報が決まってしまうことになり、政権批判の好きな人が友人に多ければ「政権批判の情報」ばかりが流れてくるし、政権擁護ばかりしている友人が多ければ「政権寄りの情報」ばかりが押し寄せてくる。

投稿を安易に信じるのは避けたほうがいい

さらには陰謀論が好きな友人がいると、その友人の偏った投稿をそのまま信じて、知らず知らずのうちに自分まで陰謀論に染まっていってしまうことも起きかねない。「知り合いだから」とその投稿を安易に信じるのは避けたほうがいい。

【3】見せかけの肩書や数字にだまされていないか

3つめは、「肩書やフォロワー数にだまされてしまう」ことである。その分野の専門家であるか確認するためにも、コメント投稿者のプロフィールは必ずチェックが必要だ。

「テレビに出ている専門家だから」「YouTubeチャンネルの登録者数が多いから」といって、その人の語っていることがすべて正しいは限らない。「複数の人の意見」を横断的に見て、1つの記事や意見だけを鵜呑みにしないほうが賢明だ。決して情報を発信する人の肩書やフォロワーの数だけで、情報の正しさを判断してはいけない。

たとえば、新型コロナ記事についてのコメントなら、「感染症専門医」とプロフィールにあれば信頼性は最も高い。「医師」であるかどうかも重要なポイントだが、「医師」だからといって感染症に詳しいとは限らないからだ。

この複雑な社会ではどの分野も専門性が極めて高く、同じような資格や肩書の持ち主でも、少しでも専門外だと皆目わからないということがよくある。逆にツイッターのプロフィールに「医師ですが、感染症の専門医ではありません」とわざわざ謙虚に書いている人のほうが、ずっと信頼できる場合も多いように感じる。

自分の専門分野に自信を持っている人ほど、ほかの専門分野へのリスペクトも大きい傾向がある。軽々しくほかの専門分野に口を出すことはなく、だからこそ「コメントするときは、かなり慎重に言葉を選ぶ」という姿勢を、そういう人はきちんと保っている。

最後4つめのNGは、そもそも「乱暴な言葉づかいをしていないか」である。

【4】乱暴な言葉づかいをしていないか

知らない人のコメントを見る場合には、「投稿者のプロフィール」に加えて、その人の日ごろのツイートも少し拝見しておくとよい。どのくらいの専門性がありそうかをうかがうとともに、「語り口調が冷静で客観的か」ということもチェックするのだ。

乱暴な言葉づかいで日常的にツイートする人や、強い断言口調が多い人は、往々にして、あまり信頼できない。人は知的になればなるほど、専門家になればなるほど、「断言はしなくなる」からだ。

逆に、中途半端な知識を持っている人ほど、すぐに断言したがるものだと肝に銘じなければならない。

「信頼できるツイッターリスト」で「情報王」になる

日本で信頼されている専門の層は、どの分野であっても非常に分厚く、数が多い。専門家たちの「つながり」に注目するのも手である。彼らはツイッター上でやりとりをしていたり、トークセッションをしているからだ。

一方で「魔界に堕ちた専門家」の数というのは、それほど多くない。どちらかといえばそういう人たちは、「専門家の群れ」の中では孤立していることが多い。実際、「魔界の専門家」のツイートを見てみると、ほかの専門家をリツイートしたりやりとりしていたりすることは少ない。

彼らは同業者よりも、なぜかタレントや政治家や社会運動家のような派手な立ち回りの人たちが好きで、そういう人たちと、やたらとやりとりしているのだ。

この方法で、さまざまな分野で「信頼できるツイッターリスト」をつくっていけば、自分が詳しくない専門分野でもかなり信頼できる情報源をつくることができるようになるのだ。

自分で「信頼できるツイッターリスト」をどうつくるかは、「ウクライナ侵攻」を題材に「ウクライナ侵攻「正しい情報」見抜くプロの読む力」で解説したので参考にしてほしい。

ぜひみなさんもツイッターを「最強の情報ツール」として使いこなし、「時代を読む力」を身につけてほしい。誰でも「正しいやり方」を知れば、「読む力」はぐんと鍛えられるはずである。

(佐々木 俊尚:作家・ジャーナリスト)

佐々木 俊尚

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