風と潮流を捉えて釣果をまとめる、晩秋のイナダ釣り

風と潮流を捉えて釣果をまとめる、晩秋のイナダ釣り

  • JBpress
  • 更新日:2021/11/26
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早朝の江の島沖 釣行の風景

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終盤戦のイナダ釣り

秋から晩秋にかけて賑わうイナダ釣り。今年も終盤戦に入ってきました。

例年この時期になると、イナダといえども50センチクラスに成長し、60センチ台に入ると大型魚で知られる「ワラサ」目前。

パワフルな晩秋のイナダの引きと数釣りはこの時期特有の醍醐味です。

さらに今年は成長の早い個体もいるようで、イナダの群れにワラサクラスも混じるなど、数は減っても型狙いが面白い展開になっています。

今回は若干マニアックではありますが、晩秋の相模湾で、型狙いのイナダ釣りの考察やちょっとしたコツなどをご案内できればと思います。

ブリ系のお魚は捕食行動がハッキリしているだけに、実釣時に少し立ち止まって考える時など、ご参考になれば幸いです。

散発的なアタリを拾うイナダ釣り

以前ご紹介の「関東の壮大な回遊ルートでワラサ・イナダの群れを釣る」(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66458)」にも、秋から晩秋かけてのイナダ釣りに触れております。

型が良くなる一方でお魚のアタリは散発的になり、「拾い釣り」のパターンに入っていくのが特徴です。

あらかじめ「ポツポツ」としか釣れない展開を想定した作戦を立てておくことが基本ですが、たまに秋口のような「入れ食い」の日もありますので、当たればラッキーです。

海況と捕食行動から読み取る釣り座予想

コマセ釣りにおけるイナダやワラサ、いわゆる「ブリ系」のお魚に共通した習性は、潮下から潮上にかけて群れで撒かれたコマセの中に先頭を競って突っ込んで、最も手前(潮下)にある仕掛けに掛かりやすいと言われており、自身でも体感しています。

さらに群れの大きさや先頭の1匹へのアピールなど、その日の釣況によって主に以下のチェックが効果的です。

1.ハリにつける餌は、オキアミかイカタン(イカを小指ほどのサイズに切り分けたもの)。またはその両方と、日によって反応パターンが変わることがあります。

2.基本はシャクリ釣りとなりますが、渋い時はコマセカゴを振るスピードやピッチでも差が出る時があります。

3.潮流の強さによっては、最も潮下にいる釣り座で流している仕掛けに反応しやすい(掛かりやすい)が、潮流が緩んでくると船全体の釣り座で掛かりやすくなる傾向にあります。

こうした中で、船全体でヒット率が低い時や、自身だけなかなか釣れない時など、知識はあっても変数が多いほど迷いも強くなりがちです。

そこで、上記「1」「2」はズバリ「釣れている人を観察してマネをする」ことが一番の処方箋です。

ただ、自身の釣り座の特性とチャンスが来るときは、自身で読んでおく必要があります。

今回、晩秋のイナダ釣りでの仮説は自身の経験を踏まえ、「3」の風、潮流の2点の要素をピックアップしてみます。

風向で決まる船の位置と潮流から 自身のチャンスタイムを推測する

この釣りでは先のブリ系(イナダ)の習性から、風向きと潮の流れが影響します。

1.まずは遊漁船の向きです。

船の挙動を安定させるため、よく船尾にスパンカーという小さな帆を張ります。すると船は自動的に風上に船首を向けます。

2.次に潮の流れを予測します。

主に潮の干満で流れが起こりますので、上げ潮か下げ潮で陸に向かってまたは沖に向かって潮流が発生します。

この組み合わせによって、船首、船尾、または左右船腹のどこかが潮下になると、先にご説明のイナダの習性から潮下に位置する人の仕掛けにお魚がかかりやすい状況が発生し、潮の流れが速いほど顕著になる傾向にあります。

ただここでは、遊漁船での有利な場所(釣り座)をご説明するものではありません。

多くは現地に着いてみないと分からない点からも、釣りを進めながら自身が入った位置を知ること、

そして釣り座によって差が出てしまう場合でも、チャンスが巡ってくるタイミングを仮説として持つことなど、

可能性を逃さず拾いに行く推理もこの釣りの醍醐味の一つとしてご理解いただければと思います。

まずは、自身の釣り座の状態を知る簡単な方法です。

仕掛けを下した際に道糸がどちらかに斜めに入っていく場合にはその先が潮下で、特殊な二枚潮(海中の上下で流れが異なる場合)のケースは除外しますが、確度があるほど向かう先に並んでいる釣り座の人が比較的有利になります。

ただ、確度が浅い場合はその影響は少ないとみます。次に以下のように周りの乗船者の釣況からみてみます。

1.最初から乗船者の皆さんがアチコチで釣れ始める場合は、群れが大きいと判断して、棚や基本的な釣り方を間違えないように全力で頑張ります。

2.自身が潮下にいる場合は、朝一番からアタリが取れていると思いますので、有利なうちに手返しよく前半戦で数を取りに行きます。

3.潮上に入ってしまった場合は、潮下にいる人たちがポツポツと釣れている状況。自身のところはアタリが遠い状況と思います。

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晩秋のイナダ釣り釣果

その場合、焦らず、釣れている人の釣り方や餌付けの状態を見ながら、そこに合わせて潮が緩み始める時間を待ちます。

掛かり始めたら、周りとのオマツリなどを避けながら、手返しよく中盤戦から挽回していきます。

これまではある程度アタリが取れる場合ですが、終盤戦で水温低下など、船全体が渋い時も考えられます。

そんな時は、相模湾の遊漁船では根周りを攻めることも多く、真鯛船と混船になっている場合があります。

竿がやたら長い真鯛船を探してみます。全体的にヒマなので、よく観察してイナダが上がっていたら、チャンス発見です。

通常は3メートルで2本針のウィリー仕掛けですが、船が空いていたり、ミヨシかトモにいる場合には、船長から許可をもらい、5~6メートル1本針の長ハリスでじっくり流して試してみます。

今回の釣行

毎年楽しみにしている相模湾のイナダ釣り。型が良くなる11月まで待っての釣行です。

今年も晩秋に向かうに従って釣果数は減っていますが、型は50センチ程度になっている模様。それでも上手な人は、10本以上の釣果数をまとめている釣況です。

釣行当日の海況は凪の晴天ですが、北北東の風4メートルが1日吹いている状況です。当日の潮周りは中潮で午前中は下げ潮となり、お昼前に潮止まりとなります。

釣り座は私が潮下と予想したトモ(船尾側の呼び名)を先行者が押さえておりましたので、私は右舷ミヨシ(船首側の呼び名)に入ってのスタートです。

イナダは朝一番からの活性を取りに行くのがセオリーですが、当日の序盤戦は船全体でアタリがなく、1日拾い釣りの展開を覚悟します。

しばらくするとトモにアタリが出始めて、群れが船下に入ってきます。ただ潮の流れが強く、アタリはトモに集中しています。

開始から1時間ほどして、少し潮が緩み始めると、ミヨシにもアタリが出始めます。

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寝かせて旨味を引き出したイナダのお刺身

このチャンスを逃すと本日の釣果がまとまらないため集中します。

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釣れたての歯ごたえを楽しむ・イナダ丼

タナとコマセの振り方はトモの釣れている人のペースを見て合わせて、さらにイカタンへの反応が悪いようなので、小さめの沖アミを丸めて付けて調整していきます。

ほどなく竿が大きく曲がり、待望のイナダが来ます。1本目が船に入り、ようやく落ち着きます。

その後、潮止まりまで一気に追い上げて、終わってみると50センチ弱のイナダが8本、ゲストにこの時期脂が乗って最高においしいヒラソウダカツオを数匹と、今年も何とか数がまとまりました。

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イナダの塩焼き

それにしても何度味わってもこの引きは堪りません。

この日、トモでは既に早い時間帯で10本を超えていたようで、今回は予想通りトモに軍配が上がりました。

今回の釣果の多くは季節の味を楽しみにしているご近所に。

我が家ではまず釣れたては身が固く甘みが薄いため、角切りにしてアボガド、ヤマイモを出汁醤油とごま油で和えてから、ご飯に盛り付けたイナダ丼で楽しみます。

2日目は切り身を焼いて大根おろしとともに。そしてチルドで1週間寝かせたお刺身は甘くて絶品でした。

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真空パックで1週間寝かせたイナダのサク

これまでの連載

第1回:ITが激変させた釣りの楽しみ方と釣果(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59294

第2回:SNSを駆使して釣りの楽しみ10倍増(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59542

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濱田 淳二

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