
来月9日に公開されるHBC制作のドキュメンタリー映画「ヤジと民主主義劇場拡大版」が、20日、札幌市で先行上映されました。
札幌市のシアターキノで行われた先行上映では前売り券が完売し、会場は満員となりました。
映画は、2019年の参議院選挙で、札幌で応援演説していた当時の安倍総理にヤジを飛ばすなどした市民が、警察に排除された問題を追ったドキュメンタリーです。
それぞれの当事者の思いやその後の人生、今年6月の高裁判決まで取材し、100分間にまとめました。
上映後には映画を製作したHBCの山﨑裕侍監督や当事者らが舞台に上がり、あいさつをしました。
映画を見た客
「すごくおもしろかった。自分もふだん声を上げるタイプではないので、少しずつ関心を持っていけたらいい」
「内容がすごく充実していて、裁判の内容や背景が知れたのはよかった」
映画を見た法学者の谷口真由美さんは「すごく考えさせられることがたくさんあった」と感想を話します。
法学者 谷口真由美さん
「民主主義は声を上げなければいけないということと、人権という、もともとは公権力に抗うという概念。なので、力のある人たちがおかしなことをしているんじゃないかというときには声を上げなければならないんですが、今、声を上げても通じるのかな、伝わるのかなというところが考えさせられる。日本国憲法には、人権に関して『過去幾多の試練に耐え』という一節があって、その試練を隣の人がしているときに、私はどんなふうに見ていたら、いいんだろうということを考えさせてくれる映画だと思います」
また、自身が今年、大阪府知事選に立候補した経験を踏まえ、こう話します。
「私は今年4月に大阪府知事選挙に立候補したので、その立場からすると、ヤジは怖いです。選挙に出ていなかったらそうは思わなかったと思うんですけど、出てしまった人間からすると、すごく威力があるんです。だからヘイトではないヤジとヘイトとは分けなければなりませんが、今回の映画になっている部分は全くヘイトではないので、これは一人の市民が立ち上がるためのものなんだなとすごく考えさせられるので、興味のない人こそ見ていただきたい映画だなと思いました」
映画「ヤジと民主主義劇場拡大版」は来月9日から札幌と東京で同時公開されます。
HBC北海道放送