
新緑の季節はあっという間に駆け足で過ぎ去る。お見逃しなく!(撮影:矢島慎一)
街中では公園の緑が日増しに濃さを増していく5月は、山にもひと足遅れた春がやってくる季節。連休明け現在、奥多摩エリアでは新緑が標高1,500mほどまで上がってきている。
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この山域は登山口と山頂の標高差が大きいルートが多いため、春と初夏の季節を行き来しながらの山歩きが楽しめる。
■今の時期にこそ歩きたい「御前山」
今の時期におすすめしたい山が、奥多摩三山の1つにも数えられる御前山。連休明けの今時期までは、春を告げるカタクリの花の群生で知られる山だが、北斜面は「奥多摩都民の森」としてよく整備されており、これからの時期も様々な植物を楽しむことができる。

ポイントごとに地図が設置されているので迷いづらい
ルート取り次第では、4時間ほどで山頂を往復することも可能。標高差はそこそこあるが、危険箇所も少なく、のんびりと植物を愛でながら歩くのにちょうどいいルートとなっている。また、ルート上には主要なポイントに番号を振った地図が数多く設置されており、道に迷いづらいのもありがたい。
■林道沿いのルートをとるのがおすすめ
取材陣が御前山を歩いたのは連休直前。
この時は、まだ群生したカタクリがたくさん花開いていて、標高1,400m少々の山頂周辺がちょうど芽吹き始めたばかりの時期だった。現在は、山頂周辺がよりたくさんの新緑に包まれていることだろう。

立派な山頂碑
山頂を往復するならば、公共交通機関を利用する場合も車の場合も、北斜面を登る栃寄からが入りやすい。無料の駐車場も完備されている。
ちなみに、ゲートを越えて林道を歩いていくと右手に山へと続く登山口が現れる。つい、そこから山に入りたくなってしまうが、植物観察を楽しみたい方はそのまま林道を上がっていくことをおすすめする。
栃寄沢沿いに延びる林道、そしてそこから山頂へと続くルートは広葉樹の素晴らしい森が続き、こちらの方が登山者の姿も少ない。山頂までのルートタイムは、どちらから行っても同じくらい。

単独の方、熊出没に注意です!
これでは少し歩き足りないという方は、奥多摩湖を起点に大ブナ尾根を登り、サス沢山、惣岳山を経てから御前山を踏むルート取りもできる。体力が有り余っている方は、奥多摩駅まで鋸尾根を下ったり、御岳山や大岳山、三頭山まで繋げる強者もいるそうだ。
とはいえ、初夏は足元よりも樹上の花が増えてくる季節。一生懸命下を向いて長く歩くのではなく、余裕を持ってあたりを見回しながらのんびり歩けるような計画を練ってみたい。そんな気にさせる山である。
BRAVO MOUNTAIN編集部,矢島 慎一