体重90キロの“メンヘラ引きこもりニート”女性が「生き延びるための婚活」をした結果

体重90キロの“メンヘラ引きこもりニート”女性が「生き延びるための婚活」をした結果

  • 文春オンライン
  • 更新日:2021/02/21
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『ウツ婚!! 死にたい私が生き延びるための婚活』(石田月美 著)晶文社

「初めにお伝えしておきたいのは、本書は決して、結婚を勧めている本ではない、ということです」

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精神科に通いつつ婚活、結婚した経験を綴った『ウツ婚!!』の著者、石田月美さんは開口一番にこう言った。幼少期から周囲と馴染めず、高校を中退、家出少女として過ごした。高卒資格を取り、大学に入学するも、摂食障害を患う。大学を中退し、〈メンヘラ引きこもりニート〉になった。1日の始まりは午前1時。両親が寝静まってから、過食するための食料をコンビニに買い出しに行くのだ――。

「精神的な病を患っている人に対して、身体と生活のケアって見過ごされがちなんです。病気なのは精神の方でしょ、と考えられているから。でも本当は、まず身体と生活のケアが先なんです。なぜかというと、私たちは罪悪感から身体のメンテナンスを避けがちだからです。『無職の私がエアコンを使っちゃいけない』というように。また、お風呂に入るとフラッシュバックが起きやすかったり、私のように過食の症状がある人は歯磨きができなかったりします。生活の一つ一つが大仕事なんです」

90キロの体重と精神科の診察券を持っていた月美さんは、27歳の時、主治医の「結婚すれば?」の一言から、「結婚」を考えてみることにする。

「自分の将来が全く見えない不安もありましたし、当時は自分の居場所は精神科にありました。そういうところで友だちもできるのですが、精神科に通っている人って、異性関係のトラブルが多いんです。それはなぜなんだろう、ということも含めて『婚活』という軸を通して考えてみることにより、一定の方向性が見えるのでは、とも思いました」

恋愛と結婚は別のものか?

本書は〈物語編〉と〈HOW TO編〉の2章仕立てとなっており、前半は月美さんの婚活の過程、後半は「結婚」という目標を達成するための身なりの整え方、デートの仕方、コミュニケーション術等々のハウツーが記されている。

「恋愛って、ある意味では傷付け合ったり、脅かしたりするのもアリ、な、多様なものですよね。でも結婚は、現状では安定した生活を送るためのものです。私は現在の結婚制度を肯定していませんが、だからこそ、結婚をゴールとすれば、その目的を達成するための過程はシンプルでした」

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石田月美さん

生活を整えて、モテるメイク・ファッションに身を包み、デートを重ねる。互いのニーズを探り合いながら、月美さんは結婚することになる相手に近づいていく。2人が結婚を決める場面は感動的ですらある。

「恋愛と結婚は別のものですが、交わらないわけではない。生理的に無理な人とは結局のところ結婚はできないので、無理やり誰かと結婚しなくちゃならないのかな、と不安に思っている人にはその点は安心してほしいと思います(笑)。それに、一番好きな人以外は、どの方もあまり変わらないですよ。一番好きな人は綺麗な思い出として心の中にとっておきましょう(笑)」

無事に結婚し、専業主婦になった月美さんだが、その後の暮らしは本書には書かれていない。〈さらなる地獄が待ち受けている〉という一文が気になるが……。

「私はセーフティネットとしての結婚をしたけれど、そもそも結婚がセーフティネットになる社会っておかしいですよね。結婚したからといって、生き辛さの解消にはならないです。過食も治っていません。結婚しても、しなくても、女性たちは常に困りごとを抱えながら生きている。それでもどう生き延びるか、を書いたのがこの本なんです」

いしだつきみ/1983年生まれ。東京育ち。高校を中退し、通信で高卒資格を取り、大学入学。中退後、精神科に通いながら婚活をして結婚。2014年に婚活セミナー『婚活道場!』を立ち上げ。精神科のデイケア施設にて講師を務める。

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2021年2月25日号)

「週刊文春」編集部

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