【緒方孝市】阪神が優勝するために...大山は「つなぐ4番」でいい

【緒方孝市】阪神が優勝するために...大山は「つなぐ4番」でいい

  • 日刊スポーツ
  • 更新日:2021/07/21
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トス打撃をする大山(撮影・白石智彦)

<緒方孝市 覇者の神髄(2)>

広島3連覇監督の緒方孝市氏(日刊スポーツ評論家)が、首位で折り返した阪神の後半戦の戦いに向けた提言の第2弾。大山、佐藤輝ら選手への激励から、虎党の声援を力に変える心理まで、幅広く語った。【聞き手=編集委員・高原寿夫】

☆大山はつなぎに徹しろ

後半戦、優勝を意識すれば選手はそれこそガチガチになってくる。特に阪神の場合、若いチームに加え、優勝経験のない選手ばかりだ。そこが巨人に対してはハンディと言える。

そんな中で力を発揮してほしいのは近本、梅野、そして大山の3人だ。なにより近本の機動力は大きいし、攻撃の重要な要素だ。そして梅野の成長は素晴らしい。昨季と違ってほとんど出ずっぱりなのは矢野監督が「勝ちたい」からだ。それだけチームの要になっている。縁起でもないことをいうが、万一、梅野に故障が出れば阪神は優勝できないと思う。

そして大山だ。不調で打順を下げられたりしていたが、その策はあっていい。調子が悪くても何が何でも4番、ということはない。しかし大山はもっと打てると思う。

8日ヤクルト戦(神宮)で勝ち越し3ランを右翼席に放った。あんな風に右打ちを心がければ確率が上がってくる。何より大山は「つなぐ4番」でいい。三振か本塁打というタイプではない。だからこそマルテ、サンズの間に入っているはず。進塁打、犠打、四球でもいい。大山がうしろにつないでいくことで打線全体に怖さが出てくると言いたい。

☆佐藤輝は経験

ルーキー佐藤輝はこれからが大変だ。これまでのようにブンブン三振できるかと言えば、それは違ってくる。周囲がどうこうではなく自分自身の気持ちが変わってくるからだ。

前半戦ラストのDeNA戦で三振したとき、悔しそうにしていたのが印象的だった。スイングそのものも変わってくると思う。とにかく1試合ではなく1打席でのプレッシャーがとてつもない重さになってくるはず。そこで結果を出せれば最高なのだが、何よりこの状況で試合に出る、打席に立つということが佐藤輝にとっては得がたい経験だ。

非凡な才能があるのはもう誰もが分かっていること。それを優勝のかかった後半戦でこれまでと同じように発揮できるかどうか。そうなれば、阪神にとってこれほど大きな戦力はない。

☆声援を力にしろ

阪神にとってファンは大きな力だ。相手チームの選手にとっての脅威である。現役時代、経験があるが阪神ファンの声援、特に甲子園でのそれはすさまじかった。外野の守備位置にいると右翼席の声援で頭がしびれ、体がうまく動かないような感覚を受けたものだ。

よく言われることだが、意外にプレーしている阪神選手には実感がないかもしれない。逆に自分たちがプレッシャーを感じることもあるのではないか。現在はコロナ禍で観客数が制限されているが、それでも甲子園の圧力は大きい。

これは精神論ではなく、考え方だ。あの声援を「心強い」と思うか。「プレッシャー」と感じるか。それで結果は違ってくる。16年ぶりの優勝へ大きなチャンス、ファンもますますヒートアップするだろう。

広島監督として3連覇できたのはマツダスタジアムでの、あの応援があったからだ。選手たちは自分たちが持っている以上のもの、120%の力を出せた。ましてや熱狂的なファンの多い阪神。その応援を力にすれば、必ず優勝に近づける。(おわり)

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