長崎J1の陰で、横浜FCは昇格チャンス消滅。50歳カズの胸中は?

長崎J1の陰で、横浜FCは昇格チャンス消滅。50歳カズの胸中は?

  • Sportiva
  • 更新日:2017/11/13

11月11日、J2リーグ第41節が各地で行なわれた。最終節を残し、高木琢也監督が率いるV・ファーレン長崎はカマタマーレ讃岐を3-1で下して2位を確保。 湘南ベルマーレに続いてJ1昇格を決めていた。

2006年、その高木監督のもと、横浜FCは城彰二、三浦知良のツートップでJ2優勝してJ1昇格を果たしている。しかし翌年、あえなく降格。以来、J2での戦いが続いている。

翌12日、8位の横浜FCは今季昇格の望みをつなげるため、本拠地であるニッパツ三ツ沢球技場にファジアーノ岡山を迎えていた。アビスパ福岡、名古屋グランパスは昇格プレーオフ出場が確定。残る2枠を巡って徳島ヴォルティス、東京ヴェルディ、松本山雅、ジェフ千葉が争い、横浜FCがそれを追いかける展開だった。

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横浜FCの今季ホーム最終戦、ファジアーノ岡山戦を見守る三浦知良

「勝てばプレーオフ圏内の望みをつなぐが、負ければ脱落」

重圧のかかるゲームに、横浜FCの選手たちは果敢に挑んでいる。

立ち上がりから岡山のビルドアップを前線からプレスではめ、パス精度を下げることに成功した。ことごとくマイボールにすると、得点王を争うイバが前線で起点となり、そこに絡まるように選手が押し出していった。とりわけ、右サイドを中心にプレーしたジョン・チュングンはスピードを生かし、岡山の左サイドに脅威を与えた。

そして34分だった。この日がシーズン初出場となった右サイドバック、石井圭太が送ったアーリークロスにイバが飛び込み、ヘディングでゴールへ突き刺した。

「前からしっかりはめ、マイボールでイニシアチブを」

横浜FCのゲームプランは、このときまで的中していた。しかし後半、試合はまったく異なる様相を見せる

「前半は横浜が攻勢に出てくるのはわかっていた。それを受け止めることで、後半に空いてくるスペースを見つけ、攻略する。その試合プランだった」(岡山・長澤徹監督)

後半、横浜FCは徐々にペースを失っていった。岡山が積極的に前へ押し出してきたことで、ボールを失う回数が増える。それを繰り返すうちにディフェンスラインが下がり始め、「失点したくない」という恐怖心理が増幅し、気持ちが守りに入ってしまう。勢いに押され、終盤は主導権を譲った。

「今日は前半と後半、2試合やったような感じがあります。前半はセカンドボールを拾えていましたし、フィジカルで相手を抑え、チャンスも作れていました。しかし後半は前に行けず、フィジカルが落ち、岡山に簡単にエリア内に放り込まれることになってしまって。それでも5回は決定機を作りましたが、決められず、大きな代償を払うことに……」(横浜FC・タヴァレス監督)

横浜FCは絶好のカウンターを幾度も放ったが、そのプロセスで稚拙なミスが出たり、ゴール前に迫っても決定力を欠いた。

「(後半も)チャンスがなかったわけではない。決め切るところ、守り切るところ。体力というか、頭の回転スピードも止まったというか」(横浜FC・佐藤謙介)

追加点を挙げられない横浜FCは、浮き足立つ。今シーズンは終盤に失点するケースが多く、”守り抜く”という成功体験に乏しいこともあるのだろう。体力的なものもあるが、精神的な脆さが浮き彫りになった。

象徴的シーンがあった。GK高丘陽平が余裕を持って蹴り出せるにもかかわらず、誰もいないスペースに蹴り込み、敵にボールをプレゼント。ボールを呼び込もうとしていたイバ、レアンドロ・ドミンゲスの2人が大きなジェスチャーで不満を露わにした。高丘が戦犯というのではない。その直後には、やはり中盤の選手がパスを狙える状況で、焦りからか”明後日”のほうに蹴り、レアンドロがイラついていた。

蹴り込んで相手に渡すだけでは、再び攻撃を受ける。ゴール前で”事故が起こる確率”が上がるのは必然だった。そして後半アディショナルタイム、横浜FCは洗礼を浴びる。左からのクロスはどうにかクリアするも、拾われてシュートに持ち込まれ、これをGK高丘が必死に弾き出す。しかし再び拾われ、折り返されたボールを押し込まれた。

「今日は負けたわけではない。私が就任して以来、3試合で勝ち点5。その前の5試合で勝ち点5だった」

第39節から急遽、指揮を執ることになったタヴァレス監督は、引き分けた後にそう語った。抜擢した選手は上々の活躍をし、チームが上向いていたのは間違いない。しかし勝ち切れず、プレーオフ進出を逃したのも事実である。

チームはシーズンを通し、外国人助っ人がフル稼働した。シーズン途中で獲得したレアンドロも違いを示している。監督も交代し、総力戦で挑んだJ1昇格だったが、あと一歩及ばなかった。

しかし、これで終わりではない。

試合後のセレモニーが終わり、選手たちがスタジアムをまわってファンに挨拶する中、先頭から遠く離れ、最後尾にカズこと三浦知良がいた。文字通り、ひとりひとりと手のひらを合わせ、話しかけられると立ち止まるため、一番遅れてしまう。しかし、50歳になるベテランは少しも嫌な顔をしない。ゆっくりと時間をかけ、ホームゲーム最後のファンに感謝を表していた。

「まだ1試合(11月19日、ジェフ千葉戦)、残っている」

悔しそうに言葉を振り絞る選手は少なくなかったが、その勝負への執着とディテールが来シーズンへの試金石になるだろう。

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