年末年始の血糖コントロール~「1日3食欠かさず食べる」の思い込みは捨てよう!

年末年始の血糖コントロール~「1日3食欠かさず食べる」の思い込みは捨てよう!

  • HEALTH PRESS
  • 更新日:2017/12/07
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年末年始の血糖コントロール術(depositphotos.com)

年の瀬が押し迫ってきて、仕事や家事に忙しい日々を過ごしている人も多いだろう。そしてこれから増えるのが、忘年会や新年会といった宴会。糖尿病予備軍の人もそうでない人も、血糖値と体重が気になるのではないだろうか。

血糖値をコントロールしながら、年末年始を楽しく過ごすコツを、糖尿病外来を中心とした内科クリニックの「駅前つのだクリニック」(東京都杉並区)の角田圭子院長に訊いた。

1週間のゆとりをもって調整すればよい

「1年の中で、糖尿病が最も悪化しやすいのが、1~2月なんです」と角田医師は語る。忘年会や新年会などの宴会でアルコールや食事の摂取量が増える上、寒さで外出する機会が減って運動量も減る。その悪影響が1~2月に現れるのだ。

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角田圭子・著『メタボから糖尿病にならない方法』(WAVE出版 )

だからといって、付き合いもあるし、宴会に出ないわけにもいかない。それに、せっかく参加するのならば、みんなと一緒に食べて飲んで、ワイワイ騒いで楽しく過ごしたいものだ。

「ですから、私は患者さんに『たまの宴会まで我慢しなくてもいいですよ』と伝えています。その代わり『1週間かけて摂取量を調整しましょう』と声をかけています」と角田医師。

たとえば今晩、忘年会があるとしよう。だったらその日の昼食を控えめにする。また、宴席の翌朝に食欲がなければ、無理に朝食はとらない……。このように1回の食事量を増減させたり、食事を抜いて、1週間のゆとりをもって調整するわけだ。

「1日3食、欠かさず食べなければいけない」という思い込み

「1食抜いて食事をすると血糖値が急上昇する――。一般的には、そう考えられているようです。ところが、私や患者さんが実際に『フラッシュグリコースモニタリング』という血糖の推定値が持続的に記録される機器を用いて確認したところ、これは当てはまりませんでした」

角田医師のケースでは、宴席で3時間ほどかけてコース料理を食べたところ、血糖値が穏やかに上昇したのに対し、仕事の合間に慌ててカップ麺やおにぎりを食べた後には急激に上がった。

「さまざまなデータを検証した結果、『3食、欠かさず食べなければいけない』という思い込みは捨てたほうがいいと私は考えます。おなかが空いていないのに『何か食べておかなければ』と手頃な炭水化物で食事をすると、血糖値に悪影響を与えます」

一方、「食べた実感がないのに、なんとなく口に入れてしまう」ということで、この時期に注意したいのは、みかんなどの果物だ。<テレビを見ながらこたつに入っていると、つい3つも4つもみかんを食べて……>ということはないだろうか。

「果物の多くが、食べた直後に<ガツンと血糖値を上昇>させます。どのくらいの量を食べたのかチェックすることが大切です。また、空腹の時間を作るのは、極端に長くなければ決して悪いことではありません。メタボの人は、胃を小さくすることで食事量を減らす効果も得られます」(角田医師)

実際、消化器の専門医である角田医師の夫は、91キロから68キロまで体重を落とすことに成功した。生活習慣を正して空腹の状態を作ると、次第にたくさんの量を食べられなくなるということだ。

1日10分でも運動を継続させよう

体を動かすのが億劫になる冬場。この時期に角田医師がオススメするのが「ラジオ体操」だ。

「10分程度のラジオ体操でも、手を抜かずにしっかり体を動かせば、汗ばむほどの全身運動になります。ただし、<毎日継続する>ことが大事。朝にできなくても時間帯にこだわらず、生活の一部にラジオ体操を取り入れたいですね」と角田医師。

1週間かけて食べる量を調整し、毎日ラジオ体操をする――。これだったら誰でもできそうではないか。

「『糖尿病が心配で、忘年会や新年会に出られない』ということはありません。人生を楽しむことは、健康であることと同じくらい大切。自分の生活スタイルに合わせて、できるところからトライし、焦らずに長い目で血糖値をコントロールしてほしい」
(取材・文=森真希)

角田圭子(つのだ・けいこ)
駅前つのだクリニック院長。医学博士。日本糖尿病学会認定専門医・指導医。日本内科学会認定内科医。和歌山県立医科大学卒業。関西医療大学内科学講師、木村病院内科、河北総合病院内科を経て駅前つのだクリニックを開設。糖尿病をはじめ、生活習慣病の管理全般を中心とした専門性の高い診療を行っている。

森真希(もり・まき)
医療・教育ジャーナリスト。大学卒業後、出版社に21年間勤務し、月刊誌編集者として医療・健康・教育の分野で多岐にわたって取材を行う。2015年に独立し、同テーマで執筆活動と情報発信を続けている。

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