パチンコ店は今後、交換率を上げずに生き残れるのか

パチンコ店は今後、交換率を上げずに生き残れるのか

  • ハーバー・ビジネス・オンライン
  • 更新日:2017/11/23
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苦しい出玉・交換率での経営を強いられるパチンコ店。今後生き残るためには?

ここにきて、多くのパチンコ店が出玉の交換率の変更を行っている。

交換率の変更とは、パチンコやパチスロの出玉に応じた賞品の提供玉数を変えること。例えば、今までなら2500玉(10000円相当)で交換出来た賞品(景品)を、2650玉で提供するようなことを言う。単純に言えば、賞品の値上げである。これは所謂「特殊景品」も同様で、同景品を介した換金率も相対的に下がることになる。

まだパチンコが大衆娯楽と呼ばれていた牧歌的な時代には、1000円で250玉を貸し出し、400玉で1000円相当の賞品と交換していた。

この場合、遊技客が玉を借りた時点で、店側は40%弱の粗利を得ることが出来る。しかしその分パチンコ店は、出玉率を上げることにより、客が借りた玉数以上の出玉を提供し、客はパチンコを楽しみ、お店側も儲かるというウィンウィンの関係がある程度成立していた。

しかし、CR機の台頭やパチスロ4号機のヒットなどにより、パチンコ店は射幸性(≒ギャンブル性)に傾倒していく。楽しむパチンコから、勝ち負けのパチンコへ。客のニーズと売上を追求する店側の狙いも相まって、交換率は徐々に「等価」へと近づいていく。そしていつしか全国の多くのパチンコ店が、「等価交換店」へと変容した。

等価交換店では、貸玉と出玉の差玉で利益を確保しなくてはならない。しかし射幸心を煽るためには大きな出玉を客に見せる必要もあり、よって、勝つ時は大きく勝つが、負ける時の金額も大きいお店、一人が大きく勝って五人が負けるお店が、パチンコ店のスタンダードになった。

パチンコ店には、勝負する遊技機と、遊ぶ遊技機とがある。一般的なパチンコ店の営業戦略は、ジャグラーや海物語などの「遊ぶ遊技機」で固定客を作り、牙狼や北斗の拳、ゴッドなどの「勝負する遊技機」で利益を確保していた。

しかしカジノ法制化に伴う、昨今のギャンブル等依存症対策の推進により、遊技機自体の射幸性が大きく抑制され、ギャンブル性の高い遊技機は今後市場から消えていく事が決まった。パチンコ、パチスロ共に出玉が制限され、遊技客の立場からはお金の消費スピードが緩くなる高ベース機が今後は導入されていく。

また一方で、昨年の「検定機とは性能が異なる遊技機」の回収撤去に際して、「遊技くぎ」の問題が大きく取沙汰され、牧歌的な時代のように、遊技くぎを右へ左へ大きく曲げることなども完全に出来なくなった。要はパチンコ店には、利益幅の薄い「遊ぶ遊技機」しか無くなるのである。

◆本当にパチンコ店が「遊べるパチンコ」を実現出来るのか

全国のパチンコ店における交換率の変更は、その開始時期に多少の誤差はあるも、このような背景で行われている。この状況を、パチンコ店で遊ぶユーザーはどのように評価すべきか。一見、店側の利益の確保のためだけに行われているかのように見える交換率の変更であるが、一概にそれだけとは言えない。

勿論、自店の利益確保のみを目的とする「極悪店」では、客は今以上に損することになるだろう。出玉は変わらず、交換率のみが変わるからだ。

一方で優良店では、今までは出玉率を100%未満にしなくては営業が成り立たなかったが、例えば28玉交換(100円で25玉貸し、28玉で100円相当の賞品を獲得)の場合、わずか3玉でも100%以上の出玉率での営業が可能となる。わずか3玉(最大12円相当)であっても、一日当たりの遊技機へのトータルの投入金額を仮に5万円とした場合、1500玉(最大6000円相当)の差玉幅を作る事が出来る。

仮に500台設置の店で、遊技機1台当たりの売上(客の投入金額)平均が3万円とした場合、11万玉(最大44万円相当)以上の差玉幅がある。仮にこの44万円相当の差玉をお店側と客で折半したとしても、22人が10000円相当の出玉を確保することが出来るのだ。

平成30年2月1日に改正される、遊技機の規則。新規則による遊技機の市場投入はそれよりも3か月くらい遅れる見込みではあるが、パチンコ店は生き残りをかけ、やむを得ぬ選択であれど、業界全体で「遊べるパチンコ」を再び志向し始めた。

果たして「遊べるパチンコ」が現ユーザーのニーズに合うのか、はたまた本当にパチンコ店が「遊べるパチンコ」を実現出来るのか。不確定要素や課題も山積だ。本当に「遊べるパチンコ」になるには、より一層の交換率の引き上げも必要だとの声も高い。

何はともあれパチンコ業界は、何かを変えなければ、自滅の一途しか残されていない。

<文・安達 夕@yuu_adachi

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