女装が好き過ぎる「かもめんたる」の背中を押した大物芸人の言葉

女装が好き過ぎる「かもめんたる」の背中を押した大物芸人の言葉

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  • 更新日:2018/01/12
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かもめんたる/キングオブコント2013チャンピオン。バラエティ番組・ドラマ・映画、舞台などで活躍中!劇団かもめんたる第4回公演「尾も白くなる冬」1/30(火)より赤坂レッドシアターにて開催!詳細は「かもめんたる」公式サイトまで(撮影/新津勇樹)

2013年のキングオブコントを制し、その演技力の高さと独特の世界観を世に知らしめたお笑いコンビ、かもめんたる。彼らは、芝居を取り入れたコントをメインに活動しており、最近では単独ライブと並行して、劇団かもめんたるを立ち上げ、コントとはまた違う魅力を発している。

「小島よしおに、ずっと劇団やったほうがいいですよ、って言われていたんですけど、なんか劇団て大変そうじゃないですか。でも、小島は絶対やったほうがいいって言ってくるから、頭の片隅にはあったんですけど、いまいち踏み込めなかったんですよ」

ボケ担当の岩崎う大さんはそう振り返る。劇団と言えば、台本を作り、毎日のように稽古をやり、衣装や小道具を決め、照明や音響との打ち合わせなど本番までやることは山積みで、お笑いのコントよりはるかに時間や労力を強いられる。それに対して、当初は抵抗があったという。しかし、ある人の言葉で決心する。

「カンニング竹山さんですね。2015年4月の竹山さんの誕生日で、竹山さんに『劇団やったほうがいいよ』って言われて、それで決心がつきました。小島にはあれほど言われていて悩んでいたのに(笑)」

事務所の大先輩、カンニング竹山さんの一言で一度挑戦してみようと腹をくくった岩崎さん。その後、劇団かもめんたるを立ち上げ、2015年7月より初公演を踏んで、今年2018年の1月公演で四回目となる。作・演出は岩崎さんが担当し、相方の槙尾ユウスケさんやオーディションで選んだ役者と共に、笑いを最大限に発しつつ、かもめんたるでは、出来ないような感動や喜びといった感情を表現する集団として活動している。

「単独ライブも行き詰っていたわけではないので、一度挑戦してみようという気持ちでやったら、これが面白かったんですよ。それでまだ表現したりない部分もあったので、また次もやろうという気持ちになりました」

かもめんたるでは自分たちの笑いを最大限発揮しているが、劇団かもめんたるでしか出来ない可能性を見出した彼らは、劇団立ち上げ後、年一回のペースで舞台を踏んでいき、今年からはさらなる進歩のため、年二回公演を打つことを決めた。

ボケ担当の岩崎う大さんと、突っ込み担当の槙尾ユウスケさんは、ともに早稲田大学の先輩後輩の関係だった。大学在学中に、小島よしおさんらと5人で「WAGE」というコント集団で活動。5人という人数を生かしたスタイリッシュで作りこんだコントが特徴で、岩崎さんが大学4年、槙尾さんが2年、小島さんが1年の時に結成した。在学中より定評があったWAGEは、その後アミューズに所属し、グループ活動にとどまらず、それぞれでの活動も始める。2006年に解散後は、2007年に現在の事務所サンミュージックに所属し、岩崎さんと槙尾さんは、かもめんたるを結成する。今では「かもめんたる=コント職人」というイメージだが、結成当初は漫才もやっていたという。

「漫才もやっていたんですが、うまく作れなかったんですよね。お喋りが上手くいかないんです(笑)。それで、やっぱりストーリーにすると上手くいくので、自分らはコントだなって思いましたね」

岩崎さんのセリフに横で相槌をする槙尾さんは元々が役者志望であった。

「お芝居は好きで、高校時代から養成所にも通っていたんです。キャラクターの心情を表せるのが好きで、それで今の自分たちのコントもどちらかと言うと演劇よりのコントです」

そう話す槙尾さんのコント内の突っ込みは、他の芸人さんの突っ込みと違い、芝居ベースというかキャラクターとして、ストーリーの中で自然に突っ込んでいるのがわかる。そして、役から離れない。最近では女装のイメージが強い槇尾さんであるが、そこにもきちんとしたポリシーがあるようだ。

「20代の頃は、女装ならカツラだけでよかったんですが、30歳過ぎたら、それだけじゃダメで、リアルに女性を表現するには、メイクも必要になってきたんです。そうすると気持ちから、本当の女性になれるんです。それに女装の時のほうが、なんかツッコミもうまくいくんですよね(笑)。だから、たまにラジオでは女装の時もありますよ」

それまでは、静かに座っていた槙尾さんが女装の話になると、水を得た魚のように生き生きと話し始め、その眼には輝きが。こんなにテンションが変わるとは、女装をこよなく愛する方なんだなと実感した。

「リアルな女性を表現しているうちに、メイクの資格も取って、メイクや女装のイベントもやるようになっちゃいました」

そう笑いながら話す槙尾さんは、完全に女の子の表情になっていた。

ちなみに、普段の二人の関係は大学からの先輩後輩の関係らしいが、女装の時のみ上下関係が崩れても許されるようだ。

2018年1月30日より第四回目公演が始まるが、岩崎さんは演出においてある課題を抱いていた。

「コンビの時は二人ともおいしい役なんですけど、大勢が出る芝居だと皆の立ち位置を考えるのが大変で。正直、皆にスポットを当てられるわけじゃないし、それが作品にとっては良くないかもしれない。かといって無理に目立たせるのもそれはそれで良くない。作品のためには死に役もいないといけない。でも、それで本当にいいのか、全員を同じくらい活かしてやらなくていいのかっていうその辺の葛藤が常にあるんです」

学生時代から培ってきた息の合った二人でのコントを作る時と違い、劇団という新たなフィールドにおいて、演出の難しさや葛藤に岩崎さんは直面している。

それと前回の公演から自分としては厳しくやってきたんですが、正直しんどかったんです。なんか嫌われるのが怖いというか。でも、舞台を見に来てくれた役者の大倉孝二さんや犬山イヌコさんと飲みに行った時に演出家としての相談をしたら、『もっと厳しくやっている人もいるから、嫌われるくらいの覚悟が必要だよ』って言われて」

さらにカンニング竹山さんとの忘年会で、竹山さんに背中を押してもらう。

「演出の事はよくわかんないけど、お前もっと自信を持っていいよ。違うことは違うって言え」

その一言でまた救われたという岩崎さん。

「リーダーとして良い作品を作るには厳しさも大事で、もっと言うと質の良い厳しさっていうんですかね。バランスを大切にしていきたいです」

そう話す岩崎さんの顔はお笑い芸人としてグロテスクを表現する岩崎う大としての顔ではなく、作品を作り上げる芸術家の面に変わっていた。

コンビのネタでは、岩崎さんは人間の誰もが持つグロテスクや性癖といった感情を表現することが多い。

「こういう感情は皆が持っていると思うんですよ。だからそれをコントで表現しておくと、いざ日常でこういう人がいても免疫がついて笑えるんじゃないかなと思うんです。それで、やっているんですよ。奉仕です、奉仕(笑)」

今回の劇団かもめんたるでは、笑い以外の感情も大切にし、ある挑戦もするという。

「ストーリーでは面白くて笑えるものをベースに、コントでは出来ない使い方をした笑いを表現したい。そこに喜びや感動を織り交ぜていきたい。しかも、ストレートではなく、誰もがやらないアプローチの仕方で感動させたいですね。失敗したら、何もなくなる。それ位、感動のアプローチの仕方にこだわります」

コントという舞台での世界とは違い、素のお二人は恐ろしいほどにオーラを発していなかった。普通の人だった。それが舞台に立つとグロテスクや女装がパワーとなり、かもめんたるワールドが炸裂し、観る人を虜にさせる。彼らの舞台には笑いだけでなく、悲鳴に近いようなざわめきさえ起こることがある。それでも最後には笑いに変える底力が備わっている。徹底的にお芝居にこだわったコントを発信し続けるかもめんたるが、次に羽ばたく舞台は劇団というフィールド。演劇界に新しい風を起こすこと間違いないだろう。(新津勇樹)

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