好調ケルンの立役者となっている大迫勇也。日本代表での起用法は...?

好調ケルンの立役者となっている大迫勇也。日本代表での起用法は...?

  • J SPORTS
  • 更新日:2016/10/20
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日本代表のハリルホジッチ監督は、何かにつけてJリーグと欧州リーグを比較して「日本のレベルは欧州に劣る」と言う。

それは、もちろん真実ではある。

欧州の、特にいわゆる5大リーグとJリーグを比較すれば、パススピードやプレー強度などで間違いなく欧州の方が上である。だが、代表監督という立場を考えれば、いくら本当の事でもJリーグのことをそれほど悪く言わなくてもいいと思うのだが……。

そんな中で、ハリルホジッチ監督は山口蛍が欧州挑戦を諦めてセレッソ大阪に戻ってきたことを批判するような発言もした。山口本人も、このハリルホジッチ発言を聞いて代表復帰を諦めかけたとも聞く。ところが、9月に始まったロシア・ワールドカップ・アジア最終予選で解任説も出始めたハリルホジッチ発言を救ったのは山口だったのだから皮肉なものだ。山口はタイ戦とオーストラリア戦では中盤の守備でのコンタクトの強さでチームの守備を支え、イラク戦はロングボールが行き交う中で守備が十分にできなかったと思ったら、終了間際の決勝ゴールという形で日本代表に勝点3をもたらした。

Jリーグ勢だって、日本代表にとっては大きな戦力になりうるのである。

しかし、同時に欧州リーグで活躍することによって日本の選手が大きく成長するのも確かである。山口とともに9月、10月のワールドカップ予選で日本代表を救ったのが、ヘルタ・ベルリンで攻撃の中心として活躍する原口元気だった。浦和レッズ時代は、たしかにドリブルのうまさや縦への推進力はあったものの、ドリブル突破を試みて相手DFと接触すると簡単に倒れてレフェリーの顔を見るような淡泊なプレーが多かったが、ドイツに渡った原口は「強さ」を身に着けた。接触を厭わず、ボールを奪われてもすぐに切り替えてファーストディフェンスに入る。そんな頼もしい選手に成長した原口は、好調ヘルタ・ベルリンの中でも最も戦う姿勢を見せている選手の一人だ。そして、そのプレーをそのまま日本代表にも持ち込んでチームを活性化させた。

さて、そうなると、ドイツのブンデスリーガで活躍しているもう一人のFWにも期待が集まってくる。10月のワールドカップアジア最終予選でも招集されるのではないかと話題になった大迫勇也である。王者バイエルン・ミュンヘンとも1対1で引き分け、開幕7試合を終えて、無敗の2位に付けている1FCケルン。そのケルンで、アントニー・モデストとツートップを組んで攻撃の中心になっているのが大迫だ。

そのプレースタイルから、日本代表に招集された場合の起用法について考えてみたい。

モデストとの関係は、きわめて良好だ。インターナショナル・マッチ・ウィーク明けの試合(第7節)はインゴルシュタット戦だったが、大迫はミドルレンジのパスでモデストの1点目をアシスト。さらに、左サイドでボールを受けるとうまくターンして相手の前に入って、相手の反則を誘ってPKを獲得。このPKをモデストが決めて、2点に絡んで勝利に貢献した。自らの得点は無かったが、前半には相手DFラインの前でボールを受けてターンしてそのままシュートを狙う惜しい場面もあった。

インゴルシュタットは下位に低迷しており、前半は専守防衛に徹しており、ケルンとしては楽な試合ではあったが、それだけに攻撃的な選手の特徴がはっきり分かる試合でもあり、大迫を観察するにはもってこいの試合だったかもしれない。

モデストはトップに張っている典型的なセンターFWだ。無理が効く身体能力を生かして、くさびのパスが多少ズレたとしても、しっかりと収めることができる。大迫のパスを受けた先制ゴールも、浮き球のパスを腿でトラップして、ターンしながら落ち際を左足で叩いた見事なものだった。

そのモデストに対して、大迫は中盤に下がってパスをさばいたり、モデストを追い越して動いたりする、いわゆる「衛星タイプ」のセンターFW(または、シャドーストライカー)。そして、特徴はその動き方にある。

たとえば、同じように前線で動いて勝負する岡崎慎司(レスター)と比較してみよう。岡崎の場合は、動きがより直線的だ。ジェイミー・ヴァーディーにボールが入ると、岡崎はヴァーディーを追い越して相手ゴールに向かって直線的に走る。そして、ボールを失うとすぐに守備のために懸命に、全速でボールを追う。

現在、故障で離脱中の武藤嘉紀の場合だったら、スペースに走り込んでそこで足元へのパスを受けるのがうまい。ヨーロッパリーグのガバラ戦で決めた先制ゴールなどは、おかにも武藤らしい動きによるものだった。

だが、大迫の場合は動きがより複雑だ。スペースに走り込むように走りながら、突然コースを変化させることで相手DFのマークから逃れたり、縦に行くと見せて、立ち止まったり、1歩、2歩と戻ることで相手のDFラインとMFの間の小さなスペースを作って、そこでパスを受けたりと動きは多彩だ。ゴール前で動き出して、スペースを作るのもうまい。

昨シーズンはサイドでプレーすることも多かった大迫だが、360度を使った幅の広い動きをするのが特徴だとすれば、やはりラインを背負ってプレーするよりも、フィールドの中央で自由に動くスペースを与えた方が生きるプレーヤーであることは間違いない。

さて、これから日本代表に招集したとしても、やはり大迫はトップでプレーすべきだろう。

そして、ツートップあるいはワントップ、ワンシャドーという形で起用されるとして、誰とコンビを組ませるのか。岡崎をワントップにして、大迫をシャドーで使うこともできるが、この形だとともに大きく動く選手だけにターゲットが消えてしまうおそれがある。トップを組むべき相棒は、やはりしっかりとボールが収まるタイプの選手でるべきだろう。とすれば、オーストラリア戦で久しぶりにワントップで起用された本田圭佑こそが、大迫と組むべきパートナーということになる。大迫のワントップ、本田のトップ下。どちらも、本人の最も希望するポジションということになる。

11月のシリーズでは、準備試合としてオマーンとの親善試合も組まれている。舞台は大迫の古巣である鹿島アントラーズの本拠地県立カシマサッカースタジアムだ。ここで試運転して、サウジアラビア戦で起用というシナリオが現実味を帯びてきたようだ。

そのためには、もちろんブンデスリーガでの活躍が前提となる。インゴルシュタット戦を終えて2位に付ける好調のケルン。第8節では、4位・ヘルタとの注目の一戦がある。そして、この試合は日本人にとっては原口と大迫の対決という興味深いものになる。

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