J1昇格の徳島でステップアップを誓う大型ルーキー。“修徳”の名を背負う逸材ボランチが世界を目指す!

J1昇格の徳島でステップアップを誓う大型ルーキー。“修徳”の名を背負う逸材ボランチが世界を目指す!

  • サッカーダイジェストWeb
  • 更新日:2021/01/13
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187センチの長身ボランチ。世界を見据えてプロの世界に飛び込む。写真:竹中玲央奈

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高校卒業後はJ1に昇格した徳島に加入する修徳高のMF大森。中学から6年間、修徳で育まれた逸材だ。写真:竹中玲央奈

今季のJ2リーグを制した徳島に、来季から“世界”を見据える東京都出身の逸材が加入する。

ジェフ千葉内定のブワニカ啓太とともに、都の古豪・修徳高からJ2王者の一員となるのが大森博だ。187センチの長身ボランチが持つ武器は多岐に渡る。長身を生かしたヘディングとストライドの長さを武器にしたドリブル、足下の技術、そしてゴール前に入って得点を奪う力と、できることを挙げればキリがない。

1年生時の2018年にはU-16日本代表候補にも選出され、複数のJクラブが注視していた大森は中学校から修徳に入った“生え抜き”の選手である。同校卒業後にプロ入りを果したのは2007年に水戸ホーリーホックに加入した島貫純以来、14年ぶりの出来事だが、修徳中学校が生んだJリーガーは大森が初だ。

「第92回の高校サッカー選手権の東京都予選決勝を見て、修徳の選手が凄いFKを決めて全国に行ったんですよ。その試合も接戦での勝利で。それを見て『ここでサッカーをやりたい』と思ったんです」

そうしたきっかけで、当時小学生だった大森は修徳の門を叩くことを決心する。

結果的に全国大会とは縁がないまま終わってしまったが、この場所で大森は心技体の面で大きく成長した。中学時代まではウイングやサイドハーフをこなす攻撃的な選手で、「足下の技術には自信があった」と言う。だが、彼のアタッカーとしての道に“待った”をかけたのは、中学入学からの3年間で急激に伸びた身長である。
「中1の時は160センチくらいだったのが、中2では170センチに、中3の時には180センチになっていました」

驚くべきスピードで身長が伸び、大型プレーヤーになっていた大森に対し、岩本慎二郎監督はボランチのポジションを与えたのだ。「修徳はセンターバックがあんまり大きくないので、そこで自分が跳ね返せばもっとチームとして楽になる」(大森)というのが理由だった。根っからの攻撃志向を持っていたこともあり、この位置を受け入れるのには抵抗感があったと語る。

「最初にボランチを言い渡されたときは1列下になりますし、そこから上がってくのも大変なので」

しかし、そこで監督の求めることを真摯に受け止めてヘディングを練習し、結果としてそれがひとつの大きな武器になった。

今ではボランチの位置からゲームを組み立て、機を見てゴール前に顔を出してゴールを奪うことに喜びを感じており、「逆にトップ下をやれ、と言われたらテンションが下がるかもしれない」と笑う。

今季からJ1に昇格する徳島はリカルド・ロドリゲス前監督が築いた攻撃的なサッカーがクラブの色となっている。後方の選手もボール扱いの質の高さが求められるが、練習参加をした中で大森はその点に手応えを感じたようだ。

「ポゼッションや細かい部分の技術は通用するなと。サポートもちゃんと作ってくれるので、ワンタッチで出したり、ボールを出し入れしながら自分で運ぶのもそう。まだまだな部分もありますけど、意外とできたところもあって自信に繋がりましたね。ここで1年目から活躍したいという気持ちは強くあります」 高卒選手がルーキーイヤーで出場機会を掴むことは簡単ではない。ましてや徳島は今年、J1の舞台を戦う。20チーム中4チームが降格するという形式の中で、実力が基準に達しない若手を起用することは簡単ではない。しかし、「日頃から世界を目指してやっている」大森にとって1年目における活躍は目標ではなく通過点だ。

「海外は小さい頃からの夢。まず徳島で結果を残すことが大事ですけど、徳島からも『ステップアップをしてほしい』と言われたので。それを実現させたいです」

日本サッカー界に“大型ボランチ”を長らく求めているが、理想に見合った選手がそう多く出てきていない現状もある。そんななか、世界基準のサイズを持ち、技術と得点力も備える大森は希望の光となり得る存在だ。

東京の下町から世界へ羽ばたくための第一歩は、徳島の地から始まる。

取材・文●竹中玲央奈(フリーライター)

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