[ロンドン 26日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が26日発表した4月の小売売上高(数量ベース)は前月比0.5%増と、予想以上に増加した。ロイターがまとめた市場予想は0.3%増だった。

5月26日 英国立統計局(ONS)が26日発表した4月の小売売上高(数量ベース)は前月比0.5%増と、予想以上に増加した。写真は4月10日、ロンドンで撮影(2023年 ロイター/Anna Gordon)
インフレの影響が限定的であることが浮き彫りとなった。
3月は雨が多く消費者が外出を控えたことが影響し、1.2%減少していた。
2─4月の小売売上高は前期比0.8%増と、2021年8月以来の大幅な増加を記録した。
デロイトの小売り担当トップ、Oliver Vernon-Harcourt氏は「インフレ圧力が続いているにもかかわらず、4月は小売売上高が驚くほど増加した」とし「多くの消費者にとって経済環境は依然非常に厳しいが、消費者信頼感は過去1年の記録的低水準から緩やかに回復しつつある」と述べた。
統計発表を受けて、ポンドは対ドルと対ユーロで上昇した。
プレミア・ミトン・マンスリー・インカム・ファンドのファンドマネジャー、Emma Mogford氏は、賃金上昇が生活費上昇を一部補ったとした上で「年内に失業が増えれば、再び信頼感が悪化する可能性がある」と述べた。
4月の小売売上高は前年同月比では3.0%減と、市場予想以上に落ち込んだ。食品販売が前年比2.7%減。食品販売の減少ペースは鈍化しているものの、生活費危機が家計に影響していることが改めて浮き彫りになった。