
入浴着を示し、乳がん手術経験者への理解が広がることを望む福井市の女性
乳がん手術の経験者が、公衆浴場などを利用する際に手術跡を覆うように着る「入浴着」。福井県内にも着用して入浴できる施設はあるが、着用経験のある福井市の女性が「周りからの視線を感じる」と福井新聞の調査報道「ふくい特報班」(通称・ふく特)に複雑な思いを寄せた。誰もがお風呂を楽しめるように、入浴着が広く受け入れられることを望んでいる。
福井市の女性(47)は2022年1月に乳がんが見つかり、左胸を全摘出。胸の再建はしなかった。抗がん剤治療を終え「自分へのご褒美に」と県外を旅し、楽しみにしていた温泉を訪れた。手術跡を見られないようにと初めて入浴着を準備。施設スタッフに使用の可否を尋ねたところ「前例がないから」と断られた。同じ地域の別の温泉施設でも断られ結局、シャワールームで汗を流した。