小島よしおが「字がきれいに書けない」と悩む小4男子に伝えたい、心のトレーニングとは?

小島よしおが「字がきれいに書けない」と悩む小4男子に伝えたい、心のトレーニングとは?

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  • 更新日:2022/11/25
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小島よしおさん(撮影/写真映像部・松永卓也)

「字がきれいに書けなくて母親や先生に注意される」という相談を送ってくれたのは、小学4年生の男の子。数多くの子ども向けライブを開催し、YouTubeチャンネル「おっぱっぴー小学校」も人気の小島よしおさんが子どもの悩みや疑問に答えるAERA dot.の本連載。字を書くことは自分を大切にすることだという小島さんが提案する「心のトレーニング」とは?

【写真】「字が汚かった」小島よしおさん、大人になった今の文字は?*   *  *

【相談28】
字がきれいに書けません。宿題や連絡帳の字が丁寧ではない、と母親に言われます。書き直しもさせられます。先生にも何度か言われて、「次は全部書き直しをさせるよ!」と言われたこともあります。言われた直後は、何文字かは丁寧に書こうと気をつけますが、だんだん疲れてきたり忘れてしまったりします。今から字を丁寧に書く必要はありますか? 大人になっても字が汚かったら、だめですか? 時間がないのに連絡帳を書かなければならない、宿題がたくさんあって字をたくさん書かなければいけないので疲れてしまいます。どうしたらいいですか? (suga-ibu-jun-sota・小学4年生・男子)

【よしおの答え】

よしおも小学生のころすごく字が汚かった。それなのに同じく字が汚い君が「きれいに書こう」という気持ちを持っているだけで素晴らしいな、って思ったよ。たとえ途中で疲れてしまったとしても、「何文字かは丁寧に書こう」って思えていて素晴らしいよ!

よしおがいちばん字を書いていたのは学生時代だけど、大人になっても字を書く機会っていうのはある。ホテルに宿泊するときのサインとか、役所に出す書類とか。大人でも字が汚い人はいるけど、人に見られる場面で字が汚いと、「恥ずかしいな……」って思うこともあるよ。

■字の乱れの原因は「時間がない」?

この相談をもらってから、よしおも周りの友だちと字について話し合ってみた。そこで出た共通の意見が、「字は性格を表すよね」ってこと。たとえば、字を丁寧に書く人は几帳面(きちょうめん、って読むよ!)だったり、大きめの字を書く人はおおらかな性格だったり、小さい字の人は気にしいな性格だったり……。実際に、「書は人なり」っていう言葉もあるくらいだから、字には書いた人の性格がにじみ出るものなのかもしれないね。人の書く字から性格や心理的特性を推測する「筆跡心理学」なんていうのもあるそうだよ。

そこで気になったのが、相談文にある「時間がないのに連絡帳を書かなければならない~」の、「時間がない」っていうところ。よしおが小学生のころと比べて最近の小学生は勉強しなきゃいけない範囲が増えて、委員会とかもあって、やることが多いという話も聞いたよ。たしかにとっても忙しいかもしれないんだけど、「時間がない」って思ってしまうと、本当に焦ってしまわないかな?

一日は24時間って決まっているよね。みんなそれぞれ違う時間を過ごしているけど、時間の長さは変わらない。そんなときその時間を「ない」って考えてしまうと余計に時間がなくなっちゃうように、よしおは感じてしまうんだ。君のその「時間がない」って思って焦る気持ちが、字の乱れにつながっているんじゃないかな、って思ったよ。

「時間がない」って思いながら丁寧に書こうとしても、やっぱり「はやく次に行かなきゃ!」っていう気持ちになっちゃうと思うんだ。やることがたくさんあるし、宿題が多くて疲れちゃうのもわかるんだけど、一旦立ち止まって、時間がないからこそゆっくり丁寧に字を書くことにチャレンジしてみない? なにか一つの時間だけでもいいから「ゆっくり丁寧に書く」ことだけを意識すれば心に余裕ができて、気持ちも落ち着くと思うんだ。字が乱れて書き直しになってしまったら、それこそ時間がもったいないよね。

よしおの知り合いで、すごくせっかちな人がいるんだけど、その人が「最近せっかちじゃなくなったんだ」って教えてくれたんだ。どうしてだろう、と思って理由を聞いたら、「朝の歯磨きをゆっくりするように意識したんだ」って教えてくれた。いままで「時間がない!」って急いで歯を磨いていたのを、3倍くらいの時間をかけるようにしたら、その日一日ゆとりを持って過ごせるようになったんだって。気持ちから行動が決まっているとしたら、行動を変えることで気持ちが変わることもあるんだな、って思ったよ。

■字を書くことは心のトレーニング

君は「写経」って知っているかな? 仏教の経典(仏さまの教えが書かれた書物で、お葬式のときに読まれるお経とかもこれに当てはまるよ!)を、書き写すことなんだ。仏教の教えを伝え広めるために始まったんだけど、修行の一環としても使われているんだ。

よしおは大学受験のとき、とにかくたくさん書いて覚える、という方法で勉強をしていたんだけど、たくさん字を書くと気持ちが落ち着くのを感じていた。きっと、写経にもその効果があるのかなあ、って思ったよ。精神が整うというか。ペンで書く「美文字」のレッスンなんかもよく見かけるけど、丁寧に字を書くことって、きっと心のトレーニングになるんじゃないかな。

「何文字かは丁寧に書こうとしている」って言っているから、それをどんどん伸ばせるように続けることだ大事だと思うんだ。マラソンと同じで、最初から長い距離を走り切れる人なんていないからね。そしてマラソンも、疲れてくるとフォームが崩れてしまう。フォームを意識しながら、つまり字を丁寧に書くことを意識しながら、距離を伸ばしていけるといいね。

字って、自分が思っている以上にその人の思いが伝わるもの。大人になってからも字を書く機会はある、って話をしたけど、とくに印象的だと思うのは、結婚するときに役所に届け出をするために書く婚姻届。婚姻届には「証人」っていう欄があるんだけど、よしおは何人かの後輩の婚姻届に証人として名前を書いたことがあるんだ。

そのとき、先に書いてある後輩の字を見ていつも驚くんだ。「こんなに丁寧な字は初めて見たぞ!」ってね(笑)。やっぱり人生の一大イベントだから、丁寧に思いを込めて書いたんだな、って思うんだけど、それくらい、字は見た人に気持ちが伝わるんだ。連絡帳も、宿題も、自分のための課題だけど、字を丁寧に書けるようになれば、人からの印象もいいものに変わることがあるんじゃないかな。

君のお母さんも先生も、「丁寧に書きなさい」って言ってくれているよね。お母さんや先生が言っている「丁寧」っていうのは「きれいに」とか「上手に」っていう意味じゃなくて、「心を込めて」っていう意味だと思うんだ。字っていうのは自分の“じ”で、字を大切にすることは自分を大切にすることなのかもしれないね。

……って、僕は思うんだけど、君はどう思うかな?

(構成/濱田ももこ)

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