動画や音楽の視聴、ゲーミングといった用途やコスト、筐体サイズを重視するなど、自分好みに組み立てられるPC自作。ただ、その自由度の高さに比例して、パーツ選定にはある程度の知識や時間が必要になる。

※写真はイメージです。実際に使用するパーツとは異なります
そんなパーツ選定に悩まずに済むよう、秋葉原の主要パーツショップ店員に聞いたオススメパーツ構成を紹介。コスト重視の激安から、最新ゲームをヌルヌル表示でプレイできるゲーミング構成まで、さまざまなPC構成を毎月お届けしよう。
秋葉原や通販で、“○○○を快適に楽しめるPC自作パーツをサクッと買いたい!!”、“どんな構成が良いのか見当がつかない”といった人は注目してもらいたい。
組立難度の高い小型ゲーミングPCを手軽に入手できる
ひさびさに出歩ける大型連休とあって、GW初日から多くのひとで賑わった秋葉原。PCパーツショップも軒並み大混雑し、PC一式の購入相談待ちが10人以上になっていたショップもあった。そんな混雑がひと段落したパソコンショップ アークで紹介されたのが、最新世代ベアボーンキット「NUC 12 エクストリーム・キット」をベースにしたコンパクトでゲームも遊べるPCのレシピだ。
NUC 12 エクストリーム・キットは、カード長12インチ(304.98mm)までのビデオカードを搭載可能で、コンパクトなゲーミングPCを手軽に組めるのが魅力のベアボーンキットになる。
コンパクトなゲーミングPCは欲しいが、パーツ選びや組み立ての難易度が高く、自作に踏み切れない人にとって注目のレシピとなっている。

インテル「NUC12 Extreme kit」。ドクロマークは、インテルのハイエンド向けおよびゲーマー向け商品にだけ与えられる刻印だ

銀座線末広町駅から歩くと近いパソコンショップ アーク。ゲーム好きのスタッフが多いのが特徴で、ゲーミングBTO PCも豊富に用意している

今回のレシピは、スタッフの寺崎さんのチョイスになる。最近はオープンワールドRPGの「原神」をプレイしているという
RTX 3060 Ti搭載で総額約37万円のハイエンドマシン
PBPが65W、MTPが202Wに抑えられているが、16コア/24スレッドで最大クロックが5.1GHzのCore i9-12900が搭載済みとなっているベアボーンの「NUC12 Extreme kit」。iGPU利用時はSSDとメモリーを用意すれば大丈夫だが、コンパクトゲーミングPCがコンセプトの今回のレシピでは、ビデオカードを加えた4つのパーツで構成している。なお、OSには多くのソフトウェアとの互換性を重視してWindows 10を選んでいるという。
※価格は5月13日調べ。店頭価格ならびに在庫を保証するものではありません。

ベアボーンキットのNUC12 Extreme kitをベースとして、それに合うパーツを厳選した

3基のファンで内部とビデオカードを冷却する

CPUをはじめ、メモリーとM.2スロットなどを装備しているインテルNUCの基礎部分になる「Compute Element」

NUC12DCMi9は、CPUにデスクトップ版のCore i9-12900が搭載されている
安定性を重視したメモリー&SSDを選択
メモリーには、Samsung製チップを採用するDDR4-3200駆動に対応する容量16GBのSO-DIMMをチョイス。NUC12 Extreme kitが備えるメモリースロットは2基のみになるが、計32GBあればゲームや写真の編集などに困ることはない。

オーディオ機器や、各種PCパーツの国内正規代理店を務めるアユートが扱うSO-DIMMの「AU-2XM471A2G43AB2-CWE」
M.2 SSDはNVMe PCIe4.0×4のなかでも、高い安定性と抑えめな発熱というSamsungの「980 PRO」を組み合わせている。容量は2TBなのでゲームやプレイ動画、写真などを思う存分保存しておける。アクセス速度の公称値は、リード7000MB/sec、ライト5100MB/secとなっている。

容量2TBのSamsung製SSD「980 PRO MZ-V8P2T0B/IT」を組み合わせている
短い基板のGeForce RTX 3060 Tiで快適ゲーミング
全長が304.98mmまでと選択肢が限られるビデオカードは、GeForce RTX 3060 Tiを搭載するASUS「DUAL GeForce RTX 3060 Ti V2 MINI OC Edition」を選択。インテルNUC Extreme kitに最適なモデルだけあって、カードサイズが長さ200mm×幅123mm×厚さ38mmとコンパクトだ。

独自デザインのAxial-techファンを2基備えるGPUクーラーを装備したASUS「DUAL GeForce RTX 3060 Ti V2 MINI OC Edition」

冷却効率を高め、基板の歪みも抑えるバックプレートを装備する

ファンブレードと一体化したバリアリングが特徴のAxial-techファン。ヒートシンクへの空気圧を増加させ、冷却効率を向上させる
【取材協力】
藤田 忠 編集●北村/ASCII