日本代表の“田中碧システム”、金田喜稔氏が期待「化学反応楽しみ」 相性の良さが鍵

日本代表の“田中碧システム”、金田喜稔氏が期待「化学反応楽しみ」 相性の良さが鍵

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  • 更新日:2021/10/14
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予選初先発で結果を残した日本代表MF田中碧(写真左から2番目)【写真:AP】

オーストラリア戦で採用した新システムは「今後へのヒントになり得る」

日本代表は、12日のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第4節オーストラリア代表戦で2-1と勝利した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は、日本が採用した新システムについて「今後へのヒントになり得る」と評価。その一方、「基本の4-2-3-1システムで攻守をいかに機能させるかが喫緊の課題」とくぎを刺している。

前節のサウジアラビア戦を0-1と落とし、W杯最終予選で2敗目を喫した森保ジャパン。負ければ本大会出場が遠ざかるオーストラリア戦で、これまで継続してきた4-2-3-1システムから4-3-3システムへ変更して臨んだ。MF遠藤航(シュツットガルト)をアンカーに置き、インサイドハーフでMF田中碧(デュッセルドルフ)とMF守田英正(サンタ・クララ)を抜擢。金田氏は、この中盤の組み合わせが絶妙だったと称賛する。

「田中、守田との組み合わせは、遠藤がストレスなく、自分の良さを発揮できる配置。田中と守田がプレシャーをかけて潰す。こぼれ球や抜けてきたパスに関しては、遠藤が巧みに読み切って、狙いを定めてボールを奪取できる。本来、チームが遠藤に求めている役割を十分に発揮できていた。組み合わせやシステムによって、選手が持つ長所が際立つということを証明するようなゲームだった」

中盤の底で攻守のバランスを取り、守備に安定感をもたらした遠藤のパフォーマンスに喝采を送る金田氏。「もちろん遠藤はゴールに絡む決定的な仕事もできる選手だ。しかし、その仕事はある程度前の選手に任せ、周りとのバランスを見極めながら守備の比重を強めると、ボール奪取や球際での強さなど、素晴らしい彼の持ち味が本当に生きる。オーストラリア戦のシステム、メンバー構成は、今後へのヒントになり得るものだった」と、新たな可能性を見いだしている。

今回の新システムにおいて、あうんの呼吸を見せたのが田中と守田だ。2人は川崎フロンターレで共闘し、優勝も経験している。金田氏も「今回の中盤が機能したポイントの一つは、田中と守田の2人が川崎フロンターレで共闘した経験を持っていることだ。互いのプレースタイルも熟知し、感性も通じ合っているので、2人からすればピッチ上で大きな迷いはなかったと思う」と指摘した。

オーストラリア戦で代表初ゴールをマークし、勝利に大きく貢献した田中は、今後のさらなる台頭を予感させる。金田氏は、田中の主力定着を見据えたチーム作りが鍵になると見ており、個々の特徴を生かすうえで“選手同士の相性”を強調した。

「短期間でのチーム作りを進めるうえで、選手同士の相性の良さは見逃せないポイントであり、それがよく分かる試合だった。例えば、この代表チームに三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)、旗手怜央(川崎)ら川崎で一緒にプレーした選手たちが絡み、どんな化学反応を見せるのか、それが非常に楽しみだ。田中が台頭してくると考えた場合、誰と組み合わせれば長所を発揮できるのか。そのあたりも今後のチーム作りにおける重要なファクターになる」

4-2-3-1が基本システム、4-3-3はあくまでオプションに過ぎない

金田氏はオーストラリア戦の新システムを評価する一方、現時点では「オプションに過ぎない」と冷静に分析。森保ジャパンの基本システムである4-2-3-1の改善が不可欠と説く。

「4-3-3を採用して結果が出たのは素晴らしいことだ。だが、森保監督が率いる日本代表では4-2-3-1が基本システムであり、現時点で4-3-3はあくまでオプションに過ぎない。基本システムが機能してこそ、オプションも生きてくる。4-3-3システムは今後への期待を膨らませるものだったが、まずは基本の4-2-3-1システムで攻守をいかに機能させるかが喫緊の課題ということを忘れてはいけない」

4-2-3-1ステムの改善を訴える金田氏だが、森保監督が大一番で繰り出した大胆采配には脱帽した様子で、指揮官の英断が勝利をたぐり寄せる要因と語る。

「遠藤、田中、守田の距離感が良く、守備がスムーズに行えていた。中盤が機能したことで伊東純也や長友佑都も生きていた。森保監督がギリギリの選択のなかで導き出したシステム、そして送り出した選手たちは見事に期待に応えた。この負けられない一戦で見せた大胆かつ勇気ある采配は、素直に評価していいものだと思う」

日本代表は11月11日にベトナム戦、同16日にオマーン戦を控えている。また年明けの1月27日に中国戦、2月1日にサウジアラビア戦、3月24日にオーストラリア戦、同29日にベトナム戦と続く。

オーストラリアに勝利するも得失点差の関係で4位に順位を落とした日本。負けられない戦いが続くなか、金田氏は「久保建英や堂安律らが本調子でチームに戻った時、いかにチームに組み込むか。そこは森保監督に期待したい」と、チーム作りにおける注目ポイントも挙げていた。(金田喜稔 / Nobutoshi Kaneda)

金田喜稔

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