選ぶなら7か?それとも7 Plusか?『iPhone 7 Plus』を2週間使ってわかった結論

選ぶなら7か?それとも7 Plusか?『iPhone 7 Plus』を2週間使ってわかった結論

  • @DIME
  • 更新日:2016/10/19
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■連載/

5.5インチの『iPhone 7 Plus』

■パフォーマンスは『iPhone 7』を上回り、カメラの仕掛けもおもしろい

サイズを大きくしただけと思われがちな『iPhone 7 Plus』だが、実はメモリが3GB搭載されている(『iPhone 7』は2GB)のも、大きな違いだ。ディスプレイの解像度が高いぶん、処理能力を要求されるため、パフォーマンスを強化したということだろう。実際、AnTuTu Benchmarkでスコアを取ってみると、『iPhone 7』よりもRAMの性能が高いことが分かる。Safariで複数のサイトを同時に開いたときなどに、効果を発揮するはずだ。

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ベンチマークスコアは歴代iPhone最高で、『iPhone 7』よりもわずかに高い

もっとも、操作の快適さなどは、基本的に『iPhone 7』と変わりなく、タッチにしっかり反応して、スクロールなどもスムーズ。この辺りは、歴代iPhoneと変わらず、最新OSをきっちり動かせるスペックに仕上がっているようだ。パフォーマンスの高さではiPad Proを超えており、処理能力を求められるゲームなどにも向いている。

カメラは、背面に2つ搭載されている。1つが『iPhone 7』と同じ、28mmの広角レンズで、もう1つが『iPhone 7 Plus』だけのものである56mmの望遠レンズだ。『iPhone 7 Plus』はカメラのユーザーインターフェイスに「1x」というボタンが表示される。これを押すことで、望遠側のカメラに切り替わり、約2倍にズームしたように見える。

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2つのカメラを搭載。よく見ると、レンズのサイズも異なっている

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「1x」ボタンを押すと、2倍ズームになる仕組み

2倍に至るまでの中間段階は、28mm側のカメラを使い、デジタルズームで拡大していく仕様だ。このデジタルズームから望遠カメラへの切り替わりもスムーズで、よくよく観察しないと、2つのカメラを利用しているようには感じられない。デジタルズーム部分では画質の劣化がないわけではないが、2つのカメラによって、疑似的に光学ズームを実現しているというわけだ。

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2倍に至るまでの間は広角側のデジタルズームが使われる

ただし、これはあくまで“原則として”の話。2倍ズーム時には、常に望遠側を使うというような、単純な仕組みではない。たとえば、料理の写真を撮るようなときは接写になるが、この場合のEXIFを見ると、広角側のカメラが利用されていることが分かる。一方で、晴れた日の風景写真で2倍ズームにすると、きっちり望遠側に切り替わっている。

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接写で撮った写真では、どちらも広角側のカメラが使われた

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風景写真のズーム時は、望遠側に切り替わっている

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望遠側のカメラはF値が2.8と広角側に比べると暗く、光学手ぶれ補正も搭載されていない。そのため、2倍程度であれば、広角側で撮った写真をデジタルズームした方がトータルではキレイな写真になるということだろう。このような処理を、ユーザーが意識することなく自動で行うのは、シャッターを切るだけで最適な写真が撮れる、iPhoneらしいユーザーインターフェイスといえる。

また、『iPhone 7 Plus』のカメラは、今後のアップデートで、「ポートレートモード」と呼ばれる機能にも対応する予定だ。これは2つのカメラで距離を測り、機械学習を使って被写体を認識する機能。一眼レフカメラで撮った写真のように、背景をキレイにボカすことが可能だ。β版として、すでに提供は始まっており、正式版も年内に提供を開始する予定だ。あくまで製品版ではないため、ここでの評価は控えておくが、2つのカメラを生かした機能として注目しておきたい。

■防水などの注目ポイントはそのままで、映像も音も抜群

仕様面でいうと、『iPhone 7 Plus』は『iPhone 7』と同等以上。性能の高さで選ぶのであれば、『iPhone 7 Plus』は、現時点で、最高のiPhoneと断言できる。

『iPhone 7』のレビューの繰り返しになってしまうが、ディスプレイは従来比で25%明るくなっており、色域も広がった。映像がより鮮やかに見える上に、iPhone 7 Plusは、解像度も1080×1920ドットのフルHDと、iPhone 7より高くなっている。5.5インチだと、映像の迫力も増す。タブレットほどとはいかないが、移動時などに、動画を見るには、十分なサイズ感だ。

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写真でお伝えするのは難しいが、発色がよく、明るいディスプレイ

スピーカーは、iPhoneシリーズでは初のステレオで、音が前面に迫ってくるように聞こえる。音量も上がっているため、映像視聴時の臨場感は、過去のiPhoneとは比べ物にならない。外部接続のスピーカーにはかなわないが、持ち運んで音楽を聞くといった用途であれば、単体でも十分使えるレベルになっている。

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スピーカーは上部と底面の2か所に搭載されている

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また、防水(耐水)・防塵性能も加わっているため、利用シーンが広がるのもうれしいポイントといえるだろう。防水・耐水の基準はIP67。長時間の水没や、海の塩水など、NGの項目もあるが、水の中に落とした程度では、壊れないのもうれしい進化だ。急に雨が降ってずぶぬれになってしまったり、キッチンで使っていて水がかかってしまったりしても心配する必要がなく、iPhoneの活躍するシーンを広げることになるだろう。

■迫力と操作性はトレードオフ? Plusならではの弱点も

ただし、操作感に関しては、『iPhone 7』とまったく同等というわけではない。ディスプレイのサイズが上がっているぶん、どうしても手に取ったときのフィット感は落ちてしまう。特に、吊革につかまりながら操作するような片手持ちでは、iPhone 7の方が安定感ははるかに高い。筆者は手も比較的大きいが、それでもこう感じるのだ。ということは、より手の小さな人の場合、片手で操作することはあきらめなければならない。

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片手操作だと、指が上部に届きづらい

もちろん、『iPhone 7 Plus』が片手持ちをまったく考慮していないわけではなく、画面を全体的に下げるモードは引き続き搭載されている。この機能は「簡易アクセス」と呼ばれ、過去のiPhoneと同様、ホームボタンをダブルタップするだけで起動する。ただ、それでも横幅はカバーできず、6sまでのiPhoneと比べると、簡易アクセスを呼び出すのも少々難しくなっている。『iPhone 7 Plus』は、ホームボタンがセンサーになったためだ。

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簡易アクセスを使えば、上部のアイコンにも指が届く

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ホームボタンがセンサーになったことで、物理キーを押したときのフィードバックがなくなった。Taptic Engineによって疑似的に押し心地を再現してはいるが、やはり実際に押しこめるボタンとは別物だ。そのため、軽くタッチして簡易アクセスを呼び出そうとしてホームボタンを押し込んでしまったり、逆にホームボタンを押し込もうとして簡易アクセスを呼び出してしまったりする“誤操作”が何度もあった。

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賛否両論のホームボタンだが、簡易アクセスはやはり呼び出しづらかった

ホームボタンのセンサー化は、防水対応や故障率の低減などでユーザーにもメリットのあることだが、一方で、操作感はやはり前と同じとはいかない。簡易アクセスを多用するであろう『iPhone 7 Plus』の場合は、特に気をつけたいポイントといえる。

また、iOSのユーザーインターフェイスは、画面サイズを問わず、アイコンが左上から自動的に並ぶ仕様になっている。そのため、よく使うアプリを、指が届きやすい下にまとめておくのも、少々難しくなる。そのためには、無理やり不要なアプリやフォルダを、上部に置かなければならないからだ。Androidの場合、アイコンに空きがあってもよく、タッチする必要のないウィジェットもあるため、比較的自由に配置ができる。そろそろPlusシリーズやiPadでも、こうしたユーザーインターフェイスを検討してほしいところだ。

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アイコンを下から置くことができない仕様は、ぜひ見直してほしい

ライバルを見渡すと、大画面のスマートフォンは狭額縁化が進んでいる一方で、PlusのiPhoneは6から7まで、一貫して形状が変わっていない。こうしたスマートフォンと比べると、『iPhone 7 Plus』がやや古く見え、額縁の面積が広いため、ディスプレイに指も届きずらくなる。4.7インチのiPhoneを、ほぼそのまま大きくしたというコンセプトのPlusだが、デザインやユーザーインターフェイスは、やはりサイズに合わせた最適な形がある。『iPhone 7 Plus』も、この点は、まだまだ工夫の余地が残されているように感じた。

とはいえ、スペックはiPhone史上最高で、カメラ機能のギミックもおもしろい端末だ。片手持ちした際の操作性とはトレードオフだが、そのぶん、映像の迫力もある。両手操作を前提にするのであれば、iPhone 7 Plusを選ぶのもありだろう。『iPhone 7』と『iPhone 7 Plus』のどちらにするかは、iPhoneの購入を考えているユーザーにとって、非常に悩ましい選択肢と言えるのかもしれない。

【石野's ジャッジメント】
UI★★★★
レスポンス★★★★★
バッテリーもち★★★★★
連携&ネットワーク★★★★★
アプリの数★★★★★
文字の打ちやすさ★★★★
質感★★★★
撮影性能★★★★★
*採点は各項目5点満点で判定

取材・文/石野純也

慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

■連載/石野純也のガチレビュー

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