【球界ここだけの話(1087)】高校で優等生だったらしい元阪神・井川 未来予想をもう一度聞いてみたい

【球界ここだけの話(1087)】高校で優等生だったらしい元阪神・井川 未来予想をもう一度聞いてみたい

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  • 更新日:2017/11/12

あれは、確か鹿児島のホテル。阪神タイガースの遠征先だった。

「お茶でも飲もか?」 「ゴチです」

プロ3年目。井川慶は珍しく饒舌だった。「10年後、ありそうな気がしてきましたよ」と笑う。自信が芽生えてきた表情だった。

1997年11月。阪神のドラフト2位指名を受けた若武者は、水戸市内の高校で報道陣に囲まれながらこう言った。

「10年後…ですか? 1人でも、2人でも、僕のことを覚えてくれる人がいる選手になれれば。20年後? 忘れ去られてるでしょう」

なんと謙虚な…と感じた。優等生だったらしい。校長先生が「野球をしていなければ、東大に合格する学力の持ち主なんです。ちょっと残念です」と絶賛。後に本人が「東大なんて行けるわけないでしょう。校長の勘違いです」と全面否定していたが、当時の新聞には大々的に載ってしまった。

99年。プロ2年目に初勝利。米子の夜も謙虚だった。

「五回まで投げ切って精いっぱいでした」

救援陣に助けられての白星に浮かれることなく、笑うこともなく。

翌年にブレーク。鹿児島の明言につながる。優勝に貢献し、海外に羽ばたいた。私自身が内勤になり、取材現場から遠ざかったため、会うこともなく月日が流れ、10年後の年となる2007年、「まだまだ諦めない」という会見に出席。「1人でも、2人でも」どころか、誰でも知っている選手になっていた。

そこから苦闘の日々を過ごし、独立リーグ「兵庫ブルーサンダーズ」所属のことし2017年は、ちょうど20年後。阪神ファンが忘れることのない存在は、1つの区切りをつけようとしているとか。

栄光の時代だけ取材していない立場の私とすれば、何となく不思議な存在だ。ただ、10年後、20年後の未来予想は、もう一度聞いてみたい。(上田雅昭)

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10月5日、BFL選抜(独立リーグ)の一員として鳴尾浜球場で歓声を浴びた井川

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