「月が痩せている!」縮んで断層形成 月面地震の危険 NASA(動画)

「月が痩せている!」縮んで断層形成 月面地震の危険 NASA(動画)

  • ハザードラボ
  • 更新日:2019/05/18
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月が収縮している!(NASA/JPL/USGS)

夜空を照らす月は、満ち欠けによって、三日月になったり、満月になったりと日々その姿を変えているが、実際に過去数億年かけて、50メートルほど縮んでいることが米航空宇宙局(NASA)の研究で明らかになった。収縮によって断層が形成され、月面地震を起こす可能性があるという。

英科学誌『ネイチャー・ジオサイエンス』に今月13日に発表された論文によると、スミソニアン国立航空宇宙研究所のチームは、アポロ宇宙船による探査計画で月に設置された地震計の観測データを分析。

アポロ計画で設置された地震計が観測

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アポロ16号で月探査を行ったチャールズ・デューク宇宙飛行士(NASA)

アポロ11号が残した地震計はたった3週間で動かなくなったが、12号、14号、15号、16号が設置した地震計は、1969年から1977年までの約8年間で28回の地震を記録。これらは、いずれも震源が浅く、8つは震源が30キロ以内に集中していることを突き止めた。

地震が発生した時期を分析した結果、8回の地震のうち6回が、月が地球の重力の影響を受けにくく、地球から最も離れた軌道にいるときに起こっていた事実が判明した。

逆断層を形成

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LROがとらえた断層の痕跡。月の表面はシワだらけだ(NASA)

地球の海の水が月の重力を受けて、引いたり満ちたりするように(潮汐力)、月も地球の重力が小さいときには、地殻の内部で収縮が起こると表面が崩壊。その結果、地殻の一部が、隣接する地殻の上に押し上げられる逆断層(衝上断層)を形成し、地震を引き起こすという。

これらの断層の動きは、NASAの月周回衛星「ルナ・リコネサンス・オービター(LRO)」の観測でも裏付けられていて、これまでに3500以上の断層の痕跡が見つかっている。(動画はアポロ17号の着陸地点/NASA)

レーズンのシワのように

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1972年のアポロ17号探査計画で発見されたタウルス-リトロー渓谷をLROが撮影。画像内の数字が断層の動きによって形成された地すべりなどの痕跡(NASA)

画像のなかには、断層近くの崖や地すべりなどの地形がはっきりとらえられている。そのようすは、水分を失ったブドウが、縮んでしなびたレーズンになるように、月面にミミズ腫れのような断層のシワを刻むという。

研究チームによると、月は収縮と地震を繰り返した結果、過去数億年間で50メートルほど「痩せた」のだという。月の断層活動は今も活発な可能性が高く、太陽系のなかで地球以外の地殻活動を観測できるまたとないチャンスだとして、今後の探査計画に期待が寄せられている。

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