金正恩の次の”挑発”は ハッキング CIAに匹敵する6800人のサイバー部隊の腕前とは?

金正恩の次の”挑発”は ハッキング CIAに匹敵する6800人のサイバー部隊の腕前とは?

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  • 更新日:2017/09/16
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金正恩氏の次の手は?(C)朝日新聞社

再び、北朝鮮の弾道ミサイルが日本の上空を通過した。9月15日早朝、平壌の順安付近から弾道ミサイル1発を発射した。

飛行コースは8月29日に発射された弾道ミサイルとほぼ同じで、北海道上空を越えて襟裳岬の東約2200キロの太平洋上に落下した。最高高度は約770キロで飛行距離は約3700キロに及んだ。前回よりも1千キロほど延びており、平壌から約3400キロ離れたグアムは射程圏内だ。

発射したのは中距離弾道ミサイルの「火星12」とみられる。

早稲田大学大学院アジア太平洋研究科の李鍾元教授が解説する。

「前回は飛距離が足らなかったので、それを改善してグアムを攻撃できる能力があることを示したのでしょう。同時に国連制裁にも屈しないという態度を見せながら、前回とほぼ同じ飛行ルートで発射したのは、米国を正面から刺激することを避けたという印象です」

11日の国連制裁決議では石炭や鉄鉱石、繊維製品など北朝鮮の輸出産業の9割を禁輸の対象とする厳しい措置を取った。

今回の発射を受けて、石油の全面禁輸など制裁をさらに強化する可能性はあるのか。

「核実験には敏感でも、ミサイル発射に反応が鈍い中ロが乗るかどうか」(李教授)

今後も北朝鮮は“挑発”をくり返すと思われるが、コリア・レポート編集長の辺真一氏はこう予測する。

「大陸間弾道ミサイル(ICBM)の『火星14』を発射してグアム上空を飛び越えるか、太平洋に向けて発射して米西海岸近くの公海に落とすかもしれない」

辺氏によると、意外な対抗策として、米国に対する「サイバー攻撃」も考えられるという。国の中枢機関や社会インフラのダメージを狙うばかりではなく、資金調達も目的とされる。

実は、これまでも北朝鮮の関与が疑われる事件はあった。2014年に金正恩氏の暗殺をテーマにしたコメディー映画「ザ・インタビュー」を製作した米ソニー・ピクチャーズエンタテインメントに対し、北朝鮮がハッカー攻撃を仕掛けたと見られている。

昨年、バングラデシュ中央銀行の口座がハッキングされ、8100万ドル(約90億円)が盗まれた事件も起きている。

「09年7月にホワイトハウスや米財務省など8機関がサイバー・アタックに遭いましたが、後に北朝鮮の仕業だったことが明らかになりました。13年3月、駐韓米軍のジェームズ・シャーマン司令官(当時)が米下院軍事委員会で『北朝鮮のサイバー攻撃の能力はCIAに匹敵する』と証言したほどです」(辺氏)

朝鮮人民軍は09年に諜報部門に携わる偵察総局を創設。IT技術向上のための人材育成が着々と進められてきた。

辺氏によれば、平壌金星第1・第2高等中学校の「コンピューター秀才育成班」に全国から優秀な人材を集めて英才教育を施し、卒業後は金日成総合大学などエリート大学で学ばせるという。

「ほかにも軍の偵察総局傘下の美林大学や、牡丹峰大学でサイバー戦士としての訓練を受けさせます。偵察総局は1局から6局までありますが、6局がサイバーテロを行うハッカー担当部隊なのです」(辺氏)

現在、サイバー要員は約6800人を擁する。情報戦でも北朝鮮は先進国レベルに達しているのだ。(本誌 亀井洋志)

週刊朝日 2017年9月29日号

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