珍スポットの面白さ=インディーズの面白さ? 小嶋独観×吉田悠軌の珍スポット対談本

珍スポットの面白さ=インディーズの面白さ? 小嶋独観×吉田悠軌の珍スポット対談本

  • ダ・ヴィンチニュース
  • 更新日:2016/10/19
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『考える「珍スポット』にも取り上げられた、内尾薬師(福岡県)の入口近くにあるインディーズ仏像群。近所の人が作ったものだそうで「色がポップで、表情も愛らしいんで、大好きなんです」と小嶋独観氏

音楽や映画などの業界には「インディーズ」という言葉がある。辞書的な意味は「大手の系列に入らず、自主制作している音楽会社や映画会社。また、その作品」というものだが、「内容が荒削りなものもあるが、既存の価値観や慣例にとらわれない面白いものもある」というのもインディーズ作品の特徴と言えるだろう。

ウェブサイト「珍寺大道場」道場主の小嶋独観氏と、オカルト研究家の吉田悠軌氏の対談本『考える「珍スポット」 知的ワンダーランドを巡る旅』(文芸社)は、タイトル通り珍スポットの本。同書の序盤には「インディーズの神様」「インディーズの石仏群」といった言葉とともに、脱力感に溢れたおもしろい仏像が多く登場する。それを解説する「技術が伴うか、伴わないかじゃなく、とにかく作る」「自分の情念や想いを優先」という小嶋氏の文章を読んでいて、「そうか、こういう仏像の魅力は、『インディーズ』の面白さだったんだ!」と深く合点がいった。

ちなみに、作り手の無意識が発露するインディーズの仏像が増えたのは、コンクリート素材が仏像づくりにも使えるようになった……という素材の変化が関係しているそうだ。そのあたりも、録音機材、撮影機材の進化で、音楽や映画のインディーシーンが変化するのと似ていて面白い。

ほかにも本書には、“珍スポットを考える”うえで「なるほどなぁ」と思える視点が数多く登場する。

たとえば、実際に殺人事件が起こった場所を例に挙げながら、心霊スポットを「脱世間、反世間、反社会的な人たちが集う空間」として捉える視点。そして、そこで起こった事件は怖い話としてフィードバックされ、その場所の心霊スポット性は増していく……。そんな心霊スポットを探訪することは、「死の世界を見て戻ってくること」であり、「通過儀礼、イニシエーションの役割を果たしている」というのが吉田氏の解説だ。

また「ピースポールは戦後左翼思想的な流れを汲んでいるのでは」という吉田氏の指摘も興味深かった。ピースポールとは「世界人類が平和でありますように」という文字が書かれた角柱のこと。街中で見かけるたびに、「こんなものを色んな場所に建てるなんて面白いなぁ」と思ってはいたが、ポールを建てることで平和を祈る……という行為には、確かにどこか懐かしく牧歌的な左翼の空気が感じられる。

珍スポットや脱力スポット、心霊スポットは、誰でも笑ったり驚いたり、怖がったりして楽しめるものだ。だが、本書はさらに一歩踏み込んで、「なぜそれを面白く感じられるのか」という部分まで、的確な言葉で分析している。もちろん数多くのスポットが写真とともに紹介されているので、ガイド本としてもオススメの一冊だ。

写真=小嶋独観 文=古澤誠一郎

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