精神皮膚科学 に着目するビューティ ブランドが増加:メンタルヘルスが肌に与える影響が大きい

精神皮膚科学 に着目するビューティ ブランドが増加:メンタルヘルスが肌に与える影響が大きい

  • DIGIDAY
  • 更新日:2022/09/23
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この記事は、DIGIDAY[日本版]のバーティカルサイト、ビューティ、ファッション業界の未来を探るメディア「Glossy」の記事です。

精神皮膚科学が脚光を浴びるにつれ、ビューティブランドによるメンタルヘルスの取り組みへの投資が再び増えている。

精神皮膚科学は、抜毛症や湿疹など皮膚疾患の心理的要因に焦点を当てた医学用語で、もともとは精神と皮膚の状態を併せて診る医師たちが対象だった。その後このコンセプトは美容皮膚科に受け入れられ、現在ではビューティブランドにも浸透しつつある。メンタルヘルスをマーケティングやブランディング活動の中核に据えるビューティ領域の企業が増えており、なかには自分たちの業種と最も関連性が高い「より良い肌」というベネフィットを強くアピールする企業もある。

精神皮膚科学に傾倒するセルフメイド

「肌は、健康の状態がまず現れるデータポイントのひとつ」と語るのは、セルフメイド(Selfmade)の創設者兼CEOであるステファニー・リー氏だ。同ブランドが9月6日に発売したコレクティブ・エクスペリエンス・コンフォート・クリーム(Corrective Experience Comfort Cream)は、主要成分であるコルチニブG(Cortinhib G)がコルチゾールを抑え、皮膚の「ストレスレベルを下げる」と謳っている。カレープラント(キク科ムギワラギク属)の花から抽出されるこの成分は「コルチゾールのレベルを下げ、肌のバリア機能を強化することが臨床的に証明されている」と同氏は説明する。

リー氏によると、同ブランドはかつて「消費者に体験してもらいたい知覚経験」という観点から、メンタルヘルスに焦点を当てていた。

メンタルヘルスが肌を直接的に改善することについては「表向きには語られていなかった」とリー氏は述べる。「私たちは、それを進化させた。そして、精神皮膚科学の考え方や研究は、人々に『あぁ、ようやく分かった』と明確に理解してもらう上で役立った」。

精神皮膚科学に傾倒するセルフメイドは、ニキビとコルチゾールレベルの関係を研究する皮膚科医、ロバート・ビアンキーニ氏をアドバイザーとして迎えている。

美容医療の概念を取り入れる皮膚科医も

精神皮膚科学は従来、脅迫行動や、ストレスが湿疹・乾癬・ニキビに与える影響といったイシューを網羅し、皮膚科学と精神医学を包括的に専門とするごく一部の医師たちが扱う分野だった。ストレスをしわの要因として扱うなど、美容医療の概念を取り入れる皮膚科医も増えている。

一例を挙げると、セレブリティを多く診る皮膚科医、ローズ・イングルトン氏はクリッシー・テイゲン(モデル)やアドリアナ・リマ(モデル)などへの診療で、心理学的なテクニックも用いる。同氏は米Glossyビューティポッドキャストで今春、肌トラブルの原因は「目の前にある肌だけの問題ではない。家庭で何が起こっているか、何らかのトラウマを抱えているのか(を理解する必要がある)」と語った。同氏は治療の一環として、患者を行動療法士などセラピストに紹介している。

メンタルヘルスに重点を置くスキンケアブランドたち

そして現在、スキンケアブランドがこの領域に参入するようになった。レア・ビューティ(Rare Beauty)、メイベリン(Maybelline)、スキンプラウド(Skin Proud)などがメンタルヘルスに重点を置く一方で、(セルフメイドは)メンタルヘルス関連団体への寄付などCSRのイニシアチブとしても取り組んでいる。同社ではほかにも、メンタルヘルスに関する「ソーシャル・ジャスティス(社会正義)とアクティビズム(積極行動主義)」に焦点を当て、ソーシャル・ジャスティスを重視する心理学者と協力しているとリー氏は語る。

プレゼントライフ(Present Life)が2020年12月に立ち上げた抗ストレススキンケアのブランド「ルーム(Loum)」は、乾燥肌や敏感肌、肌の老化現象、ニキビなどに対応するため、製品を「複雑な精神皮膚科学のブレークスルー」によって作ったとウェブサイトに記されている。精神皮膚科医のフランシスコ・タウスク氏や、神経心理学者のサナム・ハフィーズ氏、マインドフルネスの専門家であるマイケル・ジェームス・ウォン氏と提携し、美容液、保湿剤、オイル、マスクなどの製品を開発した。

スキンケアブランドが採り入れる精神皮膚科学の概念は、パンデミックのあいだに急増したインスタグラムと親和性の高いセルフケアのコンテンツとは異なる、とリー氏。セルフメイドが目指すのは「インスタセラピーから離れる」ことだという。

「セルフケアの巨大な産業が存在し、ブランドのアプローチは人々の認識を変えてきた」と同氏。一方、メンタルヘルスは「私たちがすることの、あらゆる部分に織り込まれているもの」だと述べる。

[原文:With psychodermatology, beauty brands promote the outer benefits of inner calm

LIZ FLORA(翻訳:田崎亮子/編集:黒田千聖)

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