銀行へ支払う事務手数料 交渉して無料にできるものを銀行員が解説

銀行へ支払う事務手数料 交渉して無料にできるものを銀行員が解説

  • マネーの達人
  • 更新日:2022/01/15

「銀行の手数料って、銀行員に交渉すればタダになるのかな?」

「銀行の手数料はどんなものがあるの?」

銀行の手数料には、交渉すれば無料にできるものと、無料にはできないものがあります。

今回は、交渉すれば無料にすることも可能な手数料について、あまり知られたくない話ですが…銀行員が解説します。

手数料を無料にするポイントにも触れていきます。

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交渉すれば無料にできるもの1:融資事務手数料

交渉すれば無料にできる手数料として、まずあげられるのが住宅ローンや不動産投資ローンといった「ローンの融資事務手数料」です。

金融機関によっては、融資事務手数料のほかに「事務取扱手数料」「融資手数料」などと呼ぶこともあります。

融資事務手数料とはローンに関する融資事務の対価、つまりローンに必要な事務手続きにかかる費用を手数料として顧客が負担しているのです。

銀行がローンを取り扱うとき、多くの事務プロセスが発生します。

銀行のローン事務プロセス

ローン申し込みの受付作業

顧客との面談、ヒアリング(オンライン面談を含む)

融資審査、稟議(ローンを取り上げたいと上司に諮ること)

融資契約書類の準備、契約書類の受付(顧客への説明、署名捺印など)

融資実行作業(融資金の顧客口座への入金、不動産業者・施工業者への支払など)

担保事務(ローンの担保を登記する作業など)

ざっと並べただけでも、多くの事務作業があります。

現在はWEB利用などで省力化されていますが、多くの手作業が依然として残っています。

このように、ローンの融資事務手数料とは事務手続きの費用、そして大半が人件費を顧客が支払っていることになります。

手数料の金額は、定額型では4万4,000~11万円(税込)程度です。

参照:

三井住友銀行
千葉銀行

「融資額の2.2%(税込)」程度を融資事務手数料(融資手数料)としている銀行も多くありますが、こちらは融資することそのもの(保証会社の保証と同義)に対する費用であり、ここでは除きます。

融資事務手数料を無料にする方法は「競合」

融資事務手数料を無料する方法は「競合」です。

「競合」とは、複数の金融機関が競い合うことで、ローンであれば同時にいくつかの金融機関に申し込んでいる状態を指します。

ローンを検討している人が、同時進行で複数の銀行を比較検討するのはよくあるケースです。

たとえばA銀行でローン審査に通り、あとは契約するだけの人がいるとします。

ところがこの人はB銀行でも審査が通っているので、AB2つの銀行が競合している状態です。

この状況をA銀行はどう考えるでしょうか?

「ここまできて他の銀行に行かれては、今までの仕事が無駄になる。

審査OKのあとで他に行かれるのは、美味しいところだけ横取りされたようなもの…

それなら融資事務手数料くらいオマケしても…」

といった論法で手数料が無料になる場合もあるのです。

競合にはいくつか押さえておきたいコツ・ポイントがあります。

ポイント1:ウチがOKならほかもOK

ある銀行で融資がOKなら、別の銀行でも融資ができる可能性が高いです。

住宅ローンでも、あるいは不動産投資ローンでも、融資の審査項目や年収などの基準は、おおむねどこの銀行でも似通っています。

もちろん審査がきびしい、やさしいといったニュアンスはあっても、極端な差はありません。

A銀行のローン審査を通ったなら、B銀行でも審査がOKになる可能性は充分あります。

ポイント2:同時申込みは要注意

「ある銀行で融資がOKなら、別の銀行でも融資ができる」と説明しましたが、申し込みのタイミングには注意が必要です。

まったく同じタイミングで複数の金融機関に申し込むのはおすすめしません。

2つの銀行で同じ申し込みすると、銀行に出かけて(またはWEBでも)手続きするのも2つ同時進行になり、時間も手間も2倍になってしまうからです。

また、ローンなど審査の仮定で個人信用情報をチェックしますが、ここではローンを申し込んだ記録が残っているので、同時に申し込みしたことはわかってしまいます。

3つも4つも複数銀行に申し込みしたことが判明すると「審査に通らない理由があるから、形振りかまわずたくさん申し込んでいるのでは?」などと勘ぐられてしまう可能性すらあります。

融資の審査では、こうしたちょっとしたネガティブイメージも、その審査結果に影響してしまうことがあるので、注意が必要です。

【理想的な申し込み方法の例】

A銀行でローン審査のOKが出た段階でB銀行に相談

これならA銀行で審査は通っており、断わらない限りA銀行で融資は受けられます。

A銀行で審査が通っていることを、しっかりとB銀行に伝えれば、AB2つの銀行間で競合になります。

自発的に複数申し込みをしていると明かしているので、B銀行で個人信用情報をチェックした際にA銀行申し込みの記録があっても、それほどネガティブには受け取られずに済みます。

競合が起きると2つめ(後発)の銀行は、スタートの遅れを取り戻そうと、1つめ(先発)の銀行よりサービスが良くなります。

たとえば金利を低く呈示したり、融資事務手数料など手数料をオマケしたりなどが起こりうるのです。

ポイント3:銀行員心理の痛いところをつく

競合していることを知ると銀行員は焦ります。

住宅ローンなどでは、最後まで融資を実行して、はじめて銀行員の実績になります。

競合した結果、他の銀行に横取りされるのもいわば日常茶飯事ですが、そうなったらまったく自分の実績になりません。

他に横取りされたという悔しい結果が残るので、自分への評価、プライド面でもそれだけは避けたく「手数料くらいはオマケしてでも自分の実績にしたい」という心理が働きます。

こうした銀行員心理を知っておけば、ローンの金利や手数料などの交渉で役に立つこともあるでしょう。

交渉すれば無料にできるもの2:繰上返済手数料

住宅ローンや不動産投資ローンで、ある程度まとまったお金を返済してローン残高や金利を減らそうというのが繰上返済ですが、このときには繰上返済手数料が必要になります。

繰上返済では、残高が減ったあとのローン返済を組み直すなどの事務作業が必要で、その対価として銀行が顧客から手数料を受け入れる仕組みです。

手数料の金額は5,000円から1万5,000円(税別)程度で、銀行によっても、また手続方法(銀行窓口か、WEB手続きかなど)によって異なります。

参照:三菱UFJ銀行/一部繰上返済手数料

この繰上返済手数料も、交渉すれば無料にできる場合があります。

繰上返済手数料を無料にする方法

これは「競合」の変化球ともいうもので、「手数料をオマケしてくれないなら、他の銀行に行っちゃうよ!」という論法です。

銀行があなたとお付き合いを続けたいなら手数料を免除することを検討する可能性があります。

上述したように、1件のローンを獲得するには非常に手間がかかります。

また、申し込みを受けても、ローン審査に通る人ばかりではないのです。

そういった観点から、せっかくお客様になったあなたのローンを失うことは、銀行にとって大きな痛手なのです。

あなたのローン残高が3,000万円・金利1%・残り20年だとしたら「3,000万円で金利1%が20年間儲かるはずのローンが無くなる」ことになり、それだったら繰上返済手数料くらいオマケしてもいいという論法になるかも知れないからです。

無理だと思う前に相談

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手数料を無料にする方法を説明しました。

交渉とは言っても、特別なトーク術などは不要です。

真っ正面から手数料を無料にして、と言ってみてください。

「手数料に不満でしたら、どうぞ他の銀行で借りて下さい」とはまず銀行から言われることはないでしょう。

また仮にそのようなニュアンスで匂わすような発言をしても、臆することはありません。

住宅ローンの審査が通ったなら、借りるのも借りないのも選択権はあなたにあります。

サービスに不満の抱えたままローンを払い続ける必要もありません。

私が窓口であなたから相談を受けたならこう考えます。

「手数料に不満があると、はっきり言ってもらったから無料にして、お客さんにも満足してもらい、こちらは助かった」

「不満を持ったままだったら他の銀行に行ってしまうところだった あぶないあぶない!」

手数料が無料になるかはケースバイケースで、すべてうまくいくとは限りません。

でも口に出すだけなら今日でもすぐにできますし、交渉がうまくいかなくても、あなたが失うモノはないでしょう。(執筆者:銀行員一筋30年 加藤 隆二)

加藤 隆二

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