
フェルナンド・アロンソは、アストンマーチンがホンダと組む2026年まで、自分が現役でいるかどうか分からないとしながらも、もしホンダのパワーユニット(PU)を搭載するマシンに乗ることになっても、自分としては問題はないと語った。
アストンマーチンとホンダのパートナーシップ締結は、5月24日に東京で行なわれた記者会見で明らかになった。今季躍進著しいアストンマーチンと、現在は実際にはF1を撤退した状況でありながらHRC(ホンダ・レーシング)を通じてレッドブルにPUを供給し、チャンピオン獲得に貢献しているホンダのタッグは、2026年以降F1の中心的存在になる可能性もある。
ただ、アストンマーチンとホンダが組むことで話題となるのは、アロンソの存在だ。アロンソはホンダのPUを搭載するマクラーレンに在籍していたことがある、その時にはマクラーレンのシャシーも、ホンダのPUもパフォーマンスが低く、アロンソをもってしても表彰台にすら届かなかった。そんな中でアロンソはホンダPUのパワーが少ないことを嘆き「GP2エンジンだ!」と批判的なコメントを無線で発信。しかもそれは、ホンダのお膝元と言える鈴鹿での日本GPでの出来事であり、議論の的となった。
モナコGPの木曜日、FIAの公式記者会見に出席したアロンソに対し、ホンダPUを積むマシンを走らせることについて質問が集中することになったのも当然と言えるだろう。
「2026年に自分がどうなっているのか分からない。今分かっていると言ったら、それは嘘になるよ。今は確かにフレッシュな気分だし、モチベーションもある。感覚は鋭いし、まだ速く走ることができる。それを楽しんでいられるなら、レースを続けたいと思うけどね」
そうアロンソは語った。
「でも、辞める時もいつかやってくる。いつか目が覚めたら、おそらく世界中を飛び回ったり、レースを続けることにやる気も幸せも感じなくなるだろうということは分かっている。速く走れていると感じられなくなるかもしれない」
「そういう場合には自分で手を挙げて、『そろそろ辞める時が来たかもしれない』と言うつもりだ。だから、どうなるか見てみよう。2026年はまだまだ先だからね」
「今はまず、モナコに集中する。大事な週末になると思うからね。そして今シーズンに集中し、その後はその次に……とやっていく。その間に僕らは新たな一歩を踏み出し、より大きな目標に向かって戦えることを願っている」
そしてホンダと再び戦うことになっても、自分にとっては全く問題ないと、アロンソは言う。
「そしてホンダと再びレースをすることになる。僕の側からすれば、全く問題はない。前回、2015〜2017年は確かにうまくいかなかった。チームメイトのストフェル(バンドーン)にとっては、完全に準備が整っていなかったプロジェクトに参加したことで、状況は悪い方向に向かってしまった」
「しかしご存知の通り、ホンダは競争力のあるパッケージを持っていることを証明したと思う。2021年にはチャンピオンになったし、2022年にもチャンピオンを獲得した。今年だって、おそらくチャンピオンになるだろう。強力なパッケージを持っているんだ」
「新しいレギュレーションでのことになるけれど、とてもワクワクするプロジェクトになるのは間違いないよ」
チームからもたらされるニュースはワクワクするモノばかりであり、2026年も引き続き同チームで走りたいと思うのは自然なことだと語るアロンソ。しかし、2026年に自分がどうしているかは、まだ分からないと改めて語る。
「チームに起きていることは、エキサイティングなモノばかりだ。ホンダとのパートナーシップ、新しいファクトリーの完成……今月中には、チームは新しい建屋に移転することになると思う。そして来年には、新しい風洞も完成するんだ」
「とてもたくさんのことが起きている。だから、長年にわたってこのチームの一員でありたいと思うのは、ごく普通のことだ。ドライバーであろうが、その他の役割だろうが、その一員になれるのは光栄だね」
「でも、今のところはモナコのことだけが頭にある。今年や来年はもちろん、25年になっても、何をするか分からないかもしれない」
「今はめちゃくちゃレースを楽しめているんだ!」
Motorsport Network.