増えすぎて困った!高級食材が厄介者に...大量発生のウニ 間引き大作戦 富山

増えすぎて困った!高級食材が厄介者に...大量発生のウニ 間引き大作戦 富山

  • チューリップテレビ
  • 更新日:2022/09/23

富山湾で今ウニが大量発生しています。海藻を食べ尽くし、生態系のバランスを崩してしまうと、漁業者にはすっかり「厄介者」扱いされています。しかし、本来は高級食材のウニ。このウニをめぐって様々な取り組みが行われています。

8月、富山県朝日町の大屋海岸で、次々と海に潜るダイバーたち。そのターゲットはウニです。

ダイバー:
「でっかいなぁ」

採れたてのウニを割ってみると。

ダイバー:
「スカスカだ」

このウニに商品価値はなく、そのまま焼却処分されるというのです。たとえ食べられなくても捕獲するには理由があります。

泊漁業協同組合 脇山正美組合長:
「これをやってもらわないと、うちの漁協はどんどんダメになって疲弊していく貝類・海藻類が取れなくなっていくのではないか」

実は、今、このウニのせいで富山湾が大変なことになっているのです。

富山県水産研究所 松村航 副主幹研究員:
「これだけたくさんのウニがいるとそこには海藻が生えてこない、例えば(海藻の)芽が出たとしてもあっという間に食べられてしまう」

こう話すのは富山県水産研究所の松村航さん。

富山県水産研究所 松村航研究員:
「2010年5月までは、まだ水深5mのところでもこれだけテングサが密集して生育していたのですが、これが今年の8月にほぼ同じような場所、ここを見てみますとほとんどテングサがない」

記者:
「インパクトありますね」

富山県水産研究所 松村航研究員:
「そうですね全く違う世界という感じがしますね」

富山県水産研究所 松村航研究員:
「『磯焼け』に近いような状態になってきつつあるのかな」

海藻がなくなり砂漠のようになる「磯焼け」。海底に茂る海藻は、魚の住みかや産卵のための
重要な役割を果たしています。しかし、今、富山湾の浅瀬では海藻が激減。

それと反比例するように増えてきたのがあの「ムラサキウニ」なんです。

富山県水産研究所 松村航研究員:
「ムラサキウニはそれほどエサがなくても生き残れる。エサがないので身も入らない、身も入らないと漁業者さんも取らない、誰も取らないのでどんどんさらに増えていく」

8月27日。県内外のダイバーらが続々と朝日町の海岸にやってきました。呼びかけたのはボランティア団体「グリーンスピアーフィッシャーズ」です。

グリーンスピアーフィッシャーズ太田光紀共同代表
「熱量のある人たちをいっぱい呼んで、人海戦術でウニを間引きしていこうかなと」

参加者:
「山口県からきました」

記者:
「どして山口県から?」

参加者:
「こんなイベントあるって聞いていてもたってもいられず。一般の人がやるウニ駆除するイベント自体はたぶんここ以外ないんじゃないかな」

参加者:
「東京から来ました。自分は魚突きをするんですが、漁協さんといい関係が築けて全国的にこういう運動が広がってくれるといいなと」

「ウニ間引き大作戦」のスタートです。ウニは岩の隙間にしっかり張り付いていて、道具を使わないと取ることができません。駆除は1個1個、手作業です。

泊漁業協同組合 脇山正美組合長:
「漁業者だけだと、これだけ広範囲見られない」

地元の漁協もこの取り組みに期待しています。

泊漁業協同組合 脇山正美組合長:
「若い人たちの力が結集してくれるのがすごくありがたい」

実はこの「ウニ間引き大作戦」は、ことし6月に続き、2回目の開催です。今回も大量のウニが駆除されましたが。

記者:
「初回とくらべてどうですか?」

グリーンスピアーフィッシャーズ
DAICHIMOTOKIさん:
「初回はもっと大きいサイズがたくさんいたんですけど。2回3回と数を重ねると、大きいのが少なくなっていて、ウニの数自体も少なくなったのかな」

前回駆除されたウニは、6箱分でしたが今回は3箱だけ。

ウニのサイズも全体的に小さくなりました。

グリーンスピアーフィッシャーズ
DAICHIMOTOKIさん:
「藻が再生するのに時間がかかりますけど、将来的に再生して魚とかもたくさんいるような海になるとうれしいです」

これで捕獲したウニにも商品価値があればいいのですが。身はスカスカ。味も期待できなさそうですが。

記者:
「さっそく食べてみたいと思います」「いただきます、うん?少し磯臭くて、普通のウニより水っぽい気がします」「おいしいかというとちょっとおいしくないです」

ウニは、寿司ネタや海鮮丼などに人気の高級食材。しかし、富山湾だけでなく今、全国各地でウニが大量発生し、漁業者の厄介者に。

こうした厄介者のウニを再び高級食材に生まれ変わらせたいと各地で様々な取り組みが行われています。

県水産研究所でも…。研究員の松村さんがウニに試験的に食べさせているのは県産のコンブなどの海藻です。

富山県水産研究所 松村航研究員:
「そんなにたくさんエサを与えたわけじゃないので、身はそれほどでもないんですけど、結構、きれいな色をして身が入ってきている。うまく身が入ってそれなりの美味しさですとか、そういう価値があれば1個1000円でも売れると思う」

エサとして試しているものはほかにも…。

富山県水産研究所 松村航研究員:
「これモモです」「ここがモモで、ここがリンゴを食べさせているウニになります」

食べさせていたのは県産のリンゴとモモ。松村さんによるとウニは食べるエサによって 味が変わるといいます。

富山県水産研究所 松村航研究員:
「果物の甘みみたいなものがプラスされれば、本当においしいウニになったらいいなと…。1個2000円くらいで売れれば本当にうれしいと思うんですけどね」

商品化への道はまだまだ遠そうです。いつか富山湾の厄介者が富山湾の宝物になる日が来るのでしょうか。

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