尖閣問題に「安倍前首相の実弟」どう臨む? 「台湾派」岸信夫・新防衛相の手腕

尖閣問題に「安倍前首相の実弟」どう臨む? 「台湾派」岸信夫・新防衛相の手腕

  • J-CASTニュース
  • 更新日:2020/09/16

続投や再入閣のメンバーが多いと指摘される菅内閣では、5人が初入閣を果たした。特に異色なのが、安倍晋三前首相の実弟にあたる岸信夫元外務副大臣で、初入閣で防衛相という重要ポストへの起用となった。

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前任の河野太郎氏は、日本の接続水域を潜航した潜水艦について「中国のものであると推定している」と異例の発表をするなど、中国には厳しい態度で臨んでいた。岸氏は野党時代には中国の海洋進出問題を国会で取り上げることもある一方で、台湾との交流に熱心なことでも知られる。防衛相として尖閣問題にどう臨むかも焦点だ。

「中国の圧力に屈し我が国の領土、領海について日本が譲歩」

岸氏は2004年の参院選で山口選挙区から出馬し、初当選。12年の衆院選で山口2区に鞍替えし、当選している。福田改造内閣~麻生内閣では防衛大臣政務官、第2次安倍内閣では、衆院外務委員長、外務副大臣、衆院安全保障委員長などを歴任した。

岸氏は、沖縄県・尖閣諸島沖で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突し、那覇地検が船長を「わが国国民への影響や、今後の日中関係を考慮して」釈放した問題で、当時の民主党政権の対応の不十分さをたびたび非難している。例えば10年10月8日の参院本会議では、

「中国が反応してくることが容易に想像できたにもかかわらず、すべてを地検に押し付けた形にして、自ら前向きに対処しようという気構えが全く見られない。むしろ早く厄介払いしたかったようにしか思えない」「この度の尖閣諸島での漁船衝突は、その間隙(編注;岸氏は演説の中で、基地問題の迷走が日米同盟を危うくさせたと主張)をついて中国が仕掛けてきた海洋進出の結果じゃないですか」「後々、中国の圧力に屈し我が国の領土、領海について日本が譲歩したことが日本外交最大の敗北の日として歴史に残るかもしれない」

などと述べている。

再選報じる産経新聞を蔡英文総統にプレゼント

一方、岸氏は台湾との交流には熱心なことで知られる。15年に野党・民進党主席だった蔡英文氏(現・総統)が来日した際には、岸氏の招きで地元の山口県を日帰りで訪問。蔡氏は否定したものの、台湾メディアでは、日本滞在中に安倍晋三首相との異例の会談が実現したとの見方が根強い。蔡氏の総統再選が決まった直後の20年1月16日には、トップ項目で再選を報じる産経新聞を読む蔡氏の写真つきで

「12日、日本より持って行った産経新聞を蔡英文総統にプレセント『全紙1面でしたよ!』手にとって暫しご覧になっておられました」

とツイート。20年8月には、森喜朗元首相や超党派の議員連盟「日華議員懇談会」(日華懇)による李登輝元総統の弔問団の一員として日帰りで台湾を訪問している。

国会で中台関係に言及したこともある。日米安全保障協議委員会が05年2月に発表した共同声明で「地域における共通の戦略目標」のひとつとして「台湾海峡を巡る問題の対話を通じた平和的解決を促す」ことを挙げ、中国が反発した問題だ。岸氏は05年3月16日の参院予算委員会で、

「我が国と米国が台湾問題に関して平和的解決を促して、また中国の軍事分野における透明性を高めることを通して中国がアジアの、アジア太平洋地域で責任ある役割を果たしていくよう求めることは、これは我が国としても当然のことだと思う」

などと述べている。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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