新米を使ったきりたんぽ作りが秋田市の老舗料亭で始まった。2023年の新米は、猛暑による高温障害の影響が多少みられたものの、例年並みに仕上がったという。
1918(大正7)年創業の秋田市の老舗料亭「濱乃家」。19日から新米を使ったきりたんぽ作りが始まった。
きりたんぽに使われるのは、14日に秋田市雄和で刈り取られたばかりの「ササニシキ」70キロで、19日は姉さんかぶりにかすりの着物姿の女将と仲居たちが、秋田杉の串に手際よく巻きつけていた。
そして、表面がきつね色になるまでいろりの火にかざすと、ほんのりと焦げ目のついたきりたんぽの完成だ。
2023年は記録的な暑さの影響で、イネに高温障害がみられたものの大きな影響はなく、例年並みのコメが収穫できた。
ここまでは順調だったが、一つ勝てなかったのは値上げの波だ。
料亭 濱乃家・竹島仁子女将:
「どこもかしこも値上げなので、きりたんぽの具材を調達するにしても、値上げが一番念頭にある。ことしはセットの方も値上げさせてもらったが、お客さまにはご理解いただきたい」
濱乃家では、料亭の味を全国の人に楽しんでもらおうとインターネットでも販売していて、2人前のセット6480円を、10月から6912円に1割ほど値上げする。
料亭 濱乃家・竹島仁子女将:
「秋田の郷土料理『きりたんぽ』を知ってもらいたいという思いで、秋になるといろんな具材が合わさって一番おいしい鍋があるんだよということを、全国の皆さんに知ってほしい」
新米のきりたんぽは、19日夜から店で提供されるほか、全国に出荷される。