120万円の防音室まで売れるコロナ下の旺盛な楽器需要

120万円の防音室まで売れるコロナ下の旺盛な楽器需要

  • 産経ニュース
  • 更新日:2020/10/17

ウクレレや電子ピアノといった比較的コンパクトな楽器の販売が好調だ。新型コロナウイルスの感染拡大で自宅で過ごすことが多くなり楽器を始める人が増えたためで、なかでも手軽な楽器の需要が高まったという。販売店などによると、これに関連して演奏をネット配信するための機器や、防音室といったものまで売れるように。コロナを機に楽器を始めた人もいれば、久しぶりに演奏を楽しむために弦を買い求める人もいるなど、多くの産業が落ち込む中で活気をみせている。

夫婦や家族で音楽を

「4月の終わりからウクレレが売れているのをはっきり感じ取れるようになった。夫婦、親子で一緒に始められる方もいます」。こう話すのは、岡山市内の商店街にある楽器店「長谷川楽器」の担当者。

一般的なギターは弦が6本だが、ウクレレは弦が4本だけ。柔らかい素材を使っているため弾きやすく、楽器自体が小さいため持ち運びがしやすい。初心者に始めやすい楽器のひとつだ。同店では10万円を超える商品も展示されているが、1万~3万円の導入モデルが売れ筋だという。

エレキギターに比べて音量の小さいアコースティックギターも好調といい、コロナ禍で再び楽器を手にした人も増えているようで、「4、5年、弦を張り替えていなかった人たちが弦を買っていくこともあった」(同店担当者)。

同店ではほかにも、パソコンやスマートフォンに演奏映像を取り込み、配信するための周辺機器類も売り上げを伸ばしている。

アコースティックギターも好調

首都圏を中心に全国に楽器店40店舗を展開する山野楽器(東京)でも、6~8月のウクレレの売上高は前年の2・1倍に伸長。売れ筋は同様に2万円台の導入モデルだ。ウクレレより値幅は大きいが、同じ期間にアコースティックギターも2・08倍に伸ばしている。

楽器だけでなく防音室も売れ、同期間の売り上げは前年の1・98倍。防音室は電話ボックス程度の大きさのユニットを室内に置くものから、3畳ほどの工事が必要な本格的なものまで幅広く、総額で120万円を超える商品もある。

同社担当者は「防音室は楽器と違って売れる数自体がもともと少ない商品だが、『家時間』での楽器需要が増えたためではないか」とみている。

収益の柱に期待

楽器を主力としない企業でも業績の支えとなった。

時計のほかに電子楽器も扱うカシオ計算機(東京)の令和2年4~6月期連結決算。コロナ禍で各事業が軒並み苦戦し、売上高は前年同期比で4割減の400億円となったが、楽器事業は前年同期比27%の増収。同社は「コロナ禍で生まれた余暇を活用したい初心者の需要と、昔やっていた層の復活が顕在化してきた」と説明する。

昨年から持ち運びやすさや手軽さを強調した商品群を販売していたが、奥行き23・2センチと従来機種より6・1センチ縮め、電子ピアノとして業界最短の奥行きを実現した電子ピアノ「PX-S1000」、取っ手を設置した電子キーボード「CT-S200」は日米欧を中心に売り上げを伸ばし、業績を牽引(けんいん)した。

同社は楽器事業を、業績の変動が大きく、収益力に課題のある事業と位置づけていたが、今後は安定的な収益源としての成長を目指すという。

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老舗楽器店「長谷川楽器」では、ウクレレの販売が好調だ=14日、岡山市

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