コロナで盛況の電子商取引、裏に潜む大きな弱みとは?

コロナで盛況の電子商取引、裏に潜む大きな弱みとは?

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2020/11/22
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新型コロナウイルスの流行により飲食業界が大打撃を受け、娯楽業界は停止し、旅行業界は対応に追われ、家族経営の小規模事業が相次いで店じまいを強いられる中、電子商取引に関わる人は、自分たちだけが生き残ったという罪悪感を少し持っているかもしれない。

オンライン事業の新型ウイルス流行下での業績は、まるで季節違いの年末商戦のようだった。これは米国だけでなく、世界各国でも同じだ。アラブ首長国連邦(UAE)では、90%以上の消費者がネットショッピングに移行した。

こうした状況からは、電子商取引の未来は順風満帆と思えるかもしれないが、これには隠れた問題がある。電子商取引は物流なしでは成り立たないのだ。

コロナによる流通経路への大きな影響
電子商取引は、物流とロジスティクスに依存することが大きな弱みとなってきた。新型ウイルスの流行が始まると、物流には即座に混乱が生じた。物流金融コンサルティング・仲介企業カラザス・マリーン・アドバイザーズ・アンド・カンパニーのバジル・カラザス最高経営責任者(CEO)は3月、物流業界のあらゆる面が打撃を受けていると語った。

「物流企業や、ターミナル・港など関連業界の業務は、従業員が移動や出勤を控えるよう勧告されたことで影響を受けてきた」(カラザス)

カラザスはさらに「サプライチェーンとロジスティクスも影響を受けてきた。例えば、中国ではトラック業界も崩壊した。政府が移動制限を課したことにより輸出用コンテナが積み降ろし場所に到着できなくなった上、荷揚げ船を待つ輸入用コンテナが積み下ろし場所にたまり続けた」と続けた。

こうした状況により、電子商取引の裏では問題が生じてきた。中国などの地域では市場が回復しているものの、独調査会社のスタティスタによると、深刻なシナリオでは北米の海運・空運市場が前年比でそれぞれ12.1%と9.5%縮小すると予想されている。電子商取引が小売の未来だとすれば、それに必要な流通経路を強化する必要がある。

物流業界の次のフェーズは、回復ではなく刷新
電子商取引サービス提供企業コーシッパー(Coshipper)の王暁宇CEOは、「電子商取引の貨物輸送を正常化するだけでは十分ではない。かつての『正常』は、断片化され非効率的だったからだ」と指摘。「私たちはこの時間を使って物流を見直し、構造的な危機に対する脆弱(ぜいじゃく)性を減らすような形で、簡潔・透明で責任を持ったサービスを提供する未来に向けた革新に取り組まなければならない」と述べた。

王は、従来の物流が抱えていた最大の問題は透明性と説明責任の欠如だと語る。「物流で何か問題が起きると、顧客には頼れるものがないことが多い。運送会社は責任逃れをすることが多く、問題の責任を持つのが誰かを知るのは不可能だ」

さらに王いわく、従来の運送プロセスには複数の経路の間でデータの複製が必要だ。王は、倉庫と運送会社、消費者、その他の関係者の間でのコミュニケーションは、既存のデジタルシステムを活用することで簡単に合理化できるとし、「やり方を変えれば、全員の時間と資金を節約できる。今こそ、その時だ」と語った。

消費者が求めるのは迅速な物流
米企業コンベイ(Convey)が2500人の米消費者を対象として行ったアンケート調査では、オンラインショッピングの配送で最も重要なもは料金だと答えた人が64.3%に上った一方で、スピードが最も重要だと答えた人も18.7%いた。

アマゾン・プライムが電子商取引業界でも屈指のスピードと効率性を誇る配送を行っていることで、消費者の期待値は変化している。回答者の72.7%は、配送に関して嫌な経験をした会社はもう二度と使わない可能性が高いと答えている。

コンベイのキアステン・ニューボールドクニップ最高成長責任者(CGO)は「このデータからは、自社はアマゾンと競合していないと考えたいブランドでも購入者の視点では競合となることがはっきりと示された」と述べた。

私たちはコンピューターの裏にある業務について何も考えることなくネットショッピングに興じてしまいがちだ。だが、電子商取引の成功は、機能的な物流業界や効率的で透明な運送システム、商品の配送を担う現場の労働者にかかっている。

私たちは今、転換点にいる。電子商取引の未来は明るい。今重要なのは、関係者全員にとってうまく機能する仕組みを使用・構築することだ。

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