歴史を飾ったクルマが集結!「オートモビルカウンシル2017」が盛り上がりを見せた理由

歴史を飾ったクルマが集結!「オートモビルカウンシル2017」が盛り上がりを見せた理由

  • @DIME
  • 更新日:2017/08/13

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

昨年に引き続き、幕張メッセで開かれていた「オートモビルカウンシル2017」に行ってきた。有料入場者数は昨年の5割増しという盛況ぶりだった。同イベントでは、「ヘリテージカーの魅力を紹介し自動車文化を語る」というテーマで、国内外の自動車メーカーやショップなどが100台以上を展示されていた。モーターショーとの違いは明確だ。

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モーターショーは各メーカーが販売中のクルマのすべてを展示する総花的なものだが、このイベントではメーカーの歴史や歴史を飾ったクルマをフィーチャーしている。日本の自動車メーカーで参加していたのは、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバルの5社。トヨタは「プリウス誕生20年」をテーマに、歴代プリウスとハイブリッドシステムで走るWECマシンを展示。ハイブリッドのメカニズムや歴史などが、文字たくさんのパネルに何枚も展示されて勉強させてもらった。

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日産は「時代の最先端デザイン」がテーマ。1935年のダットサン14型ロードスターや昭和の時代のスカイライン・スポーツクーペ、2017年にアメリカのモーターショーに出品したコンセプトカー「Vmotion2.0」などを展示。スバルは「事故ゼロを目指して60周年」と1958年製の『スバル360』を展示していた。

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マツダは「ロータリーエンジン50周年」をテーマに、力の入った展示を行っていた。マツダ初のロータリーエンジン搭載車『コスモスポーツ』やル・マンカー、『ファミリア ロータリークーペ』や『RX-7』などを展示。日本の自動車メーカーの中では、マツダのブースが格段にセンスがよかった。

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最も長い時間、ブースに滞在してしまったのはホンダだった。なぜならば、日本を代表する写真家・森山大道氏が新型『NSX』を撮影したパネルが展示されていたからだ。独特のアングルから撮影されたモノクロ画像は、これまで見たことのない『NSX』の表情を引き出していた。その場にいたホンダのスタッフに訊ねると、画像はたくさん撮影されたということだったが、その場にはたった3点しか展示されていなかったのが残念だった。

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もっとたくさん展示するプランも検討されていたと聞いて、さらに残念だった。自動車関係だけでなく、写真やアートの世界などにも訴求できる大きなインパクトを残したに違いないからだ。画像は次のようにネット上にもアップされているのでチェックしてみてほしい。

http://www.honda.co.jp/magazine/pdf/2016autumn.pdf

それだけにとどまらず、ホンダは希望者を『NSX』のシートに座ってもらうよう積極的に計らっていた。『NSX』のような高価なクルマは敷居が高く、近寄り難くなってしまうものだが、メーカーの方から勧めてくれるのは親切で、ありがたい。座った子供たちは一生憶えているだろう。

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海外のメーカーからの参加が昨年よりも減ってしまったのは寂しかったが、アウディは本国から『スポーツ クワトロS1』と日本に現存する『スポーツクワトロ』を並べて展示し、『RS5クーペ』を日本初公開した。『スポーツクワトロ』のオーナーさんは気さくな方で、近寄って見ている人に話し掛け、シートに座ることやエンジンを撮影することを勧めて、和やかな雰囲気を作り出していた。

ボルボは昨年から事業化している「クラシックガレージ」プロジェクトを展示していた。古いボルボをレストアするだけではなく、レストア済みのボルボを販売している。スウェーデンでも行われていない、日本独自の企画で好評を博している。展示されたクルマを見ただけだが、仕上がりは良好で、価格が良心的なのに驚かされた。

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他には、さまざまなヘリテージカーの販売やクルマ関連の専門アクセサリーショップやイラストレーター・溝呂木陽さんのブースなども昨年同様に構えていて、それらを眺めて回るのが楽しかった。主催者コーナーとして、クルマが重要な役割を果たす映画やジャケットにクルマがデザインされているLPレコードジャケットの展示などもあった。

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好むと好まざるに関わらず、クルマのコモディティ化は急速に進んでいる。進行具合の程度の違い、例えばレベル4や5の自動運転がいつ、どのようなカタチで実現するのか? 正確なところはわからない。だが、後戻りできないことは間違いない。

クルマと人間の関係が、これまでと違ったものに変化していくであろうことを、みんな本能的に察知している。だから、このように過去を振り返り、慈しむイベントが人を集めるのだ。

年齢は関係ない。若者だって、生まれる以前のクルマを喰い入るように眺めていた。甘美な気持ちにさせてくれるクルマは、もう過去にしか存在していないと断言してもかまわないかもしれない。この傾向はしばらく続くだろう。

■関連情報
http://automobile-council.com/

文/金子浩久

モータリングライター。1961年東京生まれ。新車試乗にモーターショー、クルマ紀行にと地球狭しと駆け巡っている。取材モットーは“説明よりも解釈を”。最新刊に『ユーラシア横断1万5000キロ』。

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