ボルネオ島コタキナバルの旅で出会った謎の地酒「ムルタコ」

ボルネオ島コタキナバルの旅で出会った謎の地酒「ムルタコ」

  • @DIME
  • 更新日:2019/06/24
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■連載/カーツさとうの週刊★秘境酒場開拓団

オヤジナリティー ★★★
家計貢献度    ★★★
エロテイスト   ★

ボルネオ行って、ボルネオの地酒を呑んできた!

どうです、いきなり秘境感プンプンの単語じゃないですか、“ボルネオの地酒”! それをボルネオ島のマレーシア領、いわゆる東マレーシアはコタキタバルまで行って呑んできた話だ!

あのね、コタキタバルって、マレーシア航空を利用すれば、もちろん首都のクアラルンプール経由でも行けるけど、7月22日以降は成田から直行便が飛んでまして、なんとわずか6時間10分で着いちゃう。それどころか復路に至っては5時間40分で戻ってこれちゃうという、実は日本から一番近いマレーシアの都市、それが コタキナバルなんですよ!!

そのコタキナバルに於ける探訪記事はこの連載とは別枠で@DIMEに書いてますんで、そっちも 読んでいただきたいですが、こっちの連載では、いつも通り酒に限定したネタをお届けいたします!

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@DIMEの記事にも載せたお手製地図を流用しますんで、そもそも「ボルネオってどこ? コタキナバルってなんじゃい?」って人は、これでわかりやすくコタキナバルの場所をご理解いただきたい!

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でさ、冒頭からの文章読んで、酒好き読者ならなんか気付かない?

「マレーシアはイスラム国家だから、酒はあんまりないんじゃないの?」

ってことですよ。

もちろんオレもそう思っていた。

しかぁし! コタキナバルのあるボルネオ島のサバ州という地域は、ムスリムの比率が四割程で、地元の人はけっこう酒呑んでるっつうんですよ!

いやいやそれどころか、ドブロクのような“タパイ”っつう、米を原料にした酒を家で作って呑んだりしているらしい。

さらにそれを熟成させた“リヒン”っていう酒があるともいう。

さらにさらに! それに飽き足らず、“リヒン”を蒸留した“ムンタコ”っていう酒まであるっつうのよ!

なんなんだ、この地酒王国!!

そりゃあ呑まずにいられんでしょう。ハッキリいう、地酒を呑む為、オレはコタキナバルに来たといってもいい。

そしてリヒンを呑むチャンスは突然訪れた。

泊まっていたコタキナバル郊外の『シャングリ・ラ ラサリア』のクッキングクラスに参加したら、郷土料理を作る料理酒としてリヒンを使っていたのだ。

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正式ホテル名『シャングリ・ラ ラサリアリゾート&スパ コタキナバル』。このホテルのズバ抜けた素晴らしい話は、しつこいようですが@DIMEの別記事で!

初めて目にするリヒンはオレンジがかった薄琥珀色。

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ちょっと濁ってるところが地酒らしさ満点である。

味見させてもらうと、香りは中国の白酒のような強い刺激もあるが、口に含むと味わい一転!! 杏露酒に似たマイルドなリキュール。

酒と風土とオシャレの洗礼!

アルコール度数はそんなに強くなくて、おそらく8度くらいかもしれない。だけど、南国のリゾートはこういうアルコール度数弱めのお酒をキリッキリッに冷やしてグビグビ呑むのがいいんだよね。暑い地域はとにかく喉が乾くから、クビグビと喉の乾きを癒すように飲める酒がいいのだ!

逆に寒い地方はアルコールキツ目の奴を小さなショックグラスってクイッといくのがよくって、自然とウォッカみたいな強い酒が作られてるし、ボルネオでは、熱帯に合うリヒンが作られているワケだ。

そして!! その土地に行ったなら、そんな風土に合わせて自然に出来上がった地酒を呑むのが一番うまいのだ!

そう思ったら、もう冷やしたのを、ちゃんとグビグビ呑みたくてしょうがない!

だがボルネオで地酒といえば、家で呑む物という概念があるようで、コタキナバルの街でも、呑ませてくれる店はほとんどないというんですよね。

そんな中、色々調べたら一軒だけ呑める店をコタキナバルの街の中で発見!

『ビルビルカフェ』という店だ!

いやね、現地の地酒が呑める珍しい店と聞いたら、どんな現地の酒呑みオヤジが集まってるんだろう? と思うじゃない。コタキナバルのジャンバー酒場だと思うじゃない?

ところが行ってビックラこいた。超お洒落店なの!!

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予想だにしなかった、いわゆるインスタ映え店であった…。

この店がある地域は『オーストラリアンプレース』といって、バックパッカー街なんですよ。つまり若い外人観光客が多いんで、“地酒=家で呑む”という古い概念に囚われない自由な店なんでしょうね。

そんなヤングっぽい店に「若い人のことを『ヤング』なんて言うようなオヤジが失礼いたしますよ…」といった体で入り、メニューを見ればあるある!

“LIHING”なんてローマ字で書いてある!!

おまけにツイてることに、入店したのが午後5時半くらいだったんだけど、午後5時から10時まではハッピーアワーで、ワインは2杯の料金で3杯飲めて、リヒンも“ライスワイン”ってことで、2杯の支払いで3杯飲めるっつうじゃないですか!

お酒の神様ありがとう! 日本には御酒殿神(みさかどののかみ)に少彦名命(スクナビコナ)、ローマ神話ではバッカス(ギリシャ神話のデュオニソス)とお酒の神様がいらっしゃいますが、ボルネオにもいるね、お酒の神様!

と思ったら、気になっちゃって調べてみました。するとお酒そのもの神様はわからなかったんすが、ボルネオ西部(まさしくコタキナバルのある東マレーシア!)のイバン族には『プラン・ガナ』というお米の精霊がいらっしゃる! そしてリヒンの原料は米。日本に帰って原稿書いてる今になって、改めて思ってますが、ありがとうプラン・ガナ様!!

いや、この連載も毒にも薬にもならないこと書いてるように見えて、時々こうやってウンチク入れてくるんだなぁ〜。

それと、イバン族の郷土料理もこのコタキナバルでは食べたんだけど、その話は、再度再度書きますが、@DIMEの別記事でどうぞ!

話を元に戻して勇躍リヒンをオーダーする。

でてきたのは氷で冷やされ1杯12リンギット(約310円)。

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ツマミも頼まないとお店に悪いかなぁ〜と思いフレンチフライ(8リンギット/約210円)も頼んでしまいました…。

そして予想通り、冷えてるヤツは、南国で呑むと抜群! 3杯をアッという間に呑み干してしまい、フレンチフライが余ってしまった。そのくらいグビグビ行け南国仕様!!

そして蒸留酒・ムンタコへ!

やはり現地で呑む現地の地酒はとてつもなくうまい!!

でもさ、リヒンを呑めたら、当然今度はそれを蒸留したムンタコを呑みたくなるのが酒呑みの本能
じゃないですか!!

しかし、調べてもムンタコを呑ませてくれる店は皆無! これはどうしたもんじゃろ? 家で呑む人がいるっつうことは、現地スーパーなら売ってるかもと足を運び、そして驚愕した!!

おそらくはあったとしても酒売り場の片隅に2〜3種類の地酒がある程度と思ってたのに、なんと何十種類という現地の蒸留酒らしき、見たこともないラベルの酒がズラーッと並んでやがった!

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ビールともゴッチャになって陳列してるんだけど、ビール半分、地酒半分という状況!

何故にこんな多くの種類の地酒を売ってるのに店では呑めない? そこまで地酒は家用なのか? と思いつつも、ムンタコらしき“MINTAKU”という綴りのボトルを買ってみた。あとで現地のガイドさんに確認したところ、間違いなくこれがムンタコ。

500mlで8・35リンギットだから約220円っていう価格も、イスラム国家のマレーシアにしては安いと思うし。

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ラベルの貼り方が凸凹してる適当さが、地酒感満載でまたまたイカす!!

そしてホテルの部屋で、その完全に透明な液体を呑んでみた。そしてまたまた驚いた!

焼酎に近い味を想像してたのに、これが甘口の日本酒とソックリな味わい!

アルコール度数は,ラベルの表記に寄れば、日本酒よりも弱い10度。これは蒸留がユルいのか? いやいや、このアルコール度数を、この地の風土が求めているんだろう。

そして、本当にこの10度という度数が、暑い中、汗かきながらグビグビ呑むと、リヒン以上にピッタリくる!

すみません、あんまりうまいんでワタクシこの後。ミネラルウォーターを呑み終わった空のペットボトルにムンタコ入れて、コタキナバルの街の観光中もチョボチョボ呑んでおりました。

そして、本当に気に入った! ほら、日本もどんどん熱帯化してるじゃない? ってことは日本で呑むのも最高じゃない! と、その事実に気付いたら……帰国寸前に30分ほど時間があったので、おもわずスーパーに走って、自分用に2本買い込んでしまいました…。

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ボルネオ感を出すため、ありがたくも『シャングリ・ラ ラサリア』様にお土産にいただいたオランウータンのぬいぐるみとともに、日本帰ってから写真撮ってみました。

この夏の家呑みは、ワタクシ、ボルネオはコタキナバルの皆様同様、ムンタコです! といってもわずか2本じゃ3時間もすりゃ呑み終わっちゃうなァ〜、それが哀しくてまだ呑んでません。

最期にもう一度。プラン・ガナさん、ありがとうございます!

文/カーツさとう

コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。

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