「パスサッカーの最後のピース」だったビジャは唯一無二の存在。後継者探しはいまなお続く...【現地発】

「パスサッカーの最後のピース」だったビジャは唯一無二の存在。後継者探しはいまなお続く...【現地発】

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  • 更新日:2019/11/19
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2010年のW杯では得点王に輝いたビジャ(右)。F・トーレス(左)とのコンビネーションも秀逸だった。(C)Getty Images

スペイン代表の黄金時代形成に貢献したレジェンドがまたひとり、アディオスを告げた。ラ・ロハのユニホームを98度着用し、歴代最多の59得点を挙げた稀代のゴレアドール、ダビド・ビジャが今月13日、今シーズン限りで現役を引退することを発表したのだ。

シャビ、シャビ・アロンソ、アンドレス・イニエスタ、ダビド・シルバ、そしてセスク・ファブレガス……。EURO2008、2010年ワールドカップ、EURO2012とラ・ロハ(スペイン代表の愛称)の前人未踏のメジャー大会3連覇に寄与した主力MFはそのいずれもが不世出の選手であるがゆえに、ビセンテ・デル・ボスケ、ジュレン・ロペテギ、ルイス・エンリケ、ロベルト・モレーノと近年、チームを率いてきた監督は後継者不足という問題に直面した。

ポジションは異なるが、その難易度の高さはビジャの場合も同様だった。歴代指揮官はロベルト・ソルダード、アルバロ・ネグレド、ジエゴ・コスタ、アルバロ・モラタ、パコ・アルカセル、イアゴ・アスパス、ロドリゴら様々な“9番“を手を変え品を変え試してきた。しかしこの中で、周囲と連携して局面を打開しながら、チャンスを確実に仕留めるというチャンスメークからフィニッシュまでオールラウンドな貢献を見せたビジャの領域に近づいた選手はひとりもいない。

「スペイン代表が志向していたパスサッカーの最後のピースがダビド(ビジャ)だった。チーム戦術との相性は完璧だった」

EURO2008の優勝監督、ルイス・アラゴネス(2014年に他界)の右腕的存在だったヘスス・パレデスはその希少性について最大限の賛辞を述べる。
そのパレデスは、ビジャの「最も重要なゴール」として、同大会におけるスウェーデン戦での後半アディショナルタイムの決勝弾(スペインが2-1で勝利)を挙げる。

「グループステージの2試合目で、1-1のタイスコアだった。ルイスは『行け、行け、相手は死ぬほどへばっているぞ』とピッチサイドで声を枯らして叫び続けていた。その時だった。ダビドが切り返しからからグラウンダーのシュートをファーポストに射抜いたんだ。フェルナンド(トーレス)とも素晴らしい補完性を見せていた。

ダビドはスモール・スペースの攻略と周囲とのコンビネーション、フェルナンドは裏のスペースへの走り込みと役割分担がはっきりしていた。クラブレベルにおいても、在籍した全てのチームの戦術に適応し、活躍を見せた。彼の能力の高さを物語っている」 アラゴネスの後を受けて代表を率いたデル・ボスケにとってもビジャは必要不可欠な選手だった。2010年の南アフリカW杯では5ゴールを挙げて得点王に輝き、スペインの初の世界制覇に決定的な役割を果たした。デル・ボスケは当時のビジャの活躍をこう述懐する。

「間違いなく優勝の立役者のひとりだった。ダビドはライン間でのプレーを得意とするが、我々の下では左サイドを主戦場にその持ち味を発揮してくれた。ゴールのマエストロだよ」

当時のチームメイトも賛辞を惜しまない。バレンシアでも4年間一緒にプレーしたラウール・アルビオルが「強靭なメンタリティー、多彩なフィニッシュワークとどれを取っても一級品だった。ダビドがゴール前でボールに触れば、それがイコール、ゴールと言ってもよかった」と評すれば、サンティ・カソルラは、「ワンツーなどコンビネーションが巧みで、マークを外す動きが鋭く、フィニッシュのレパートリーも豊富だ。僕たち中盤の選手にとってこれほど頼りになるストライカーはいない」と力説する。

2017年9月、当時の指揮官、ジュレン・ロペテギは3年以上のブランクを経てビジャをスペイン代表に招集。2018年ロシアW杯の予選のイタリア戦(サンティアゴ・ベルナベウ)においてラスト5分でピッチに送り出し、結局これがビジャにとって代表での最後の試合となった。

そのブランクが続いた3年間余りの間も、そしてそれから2年余りが経過した今も、ラ・ロハのビジャの後釜探しは続いている。

文●ラスディラオ・ハビエル・モニーノ(エル・パイス紙)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。

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