出会いは“ストリップ劇場” モロ師岡夫妻の下積み時代

出会いは“ストリップ劇場” モロ師岡夫妻の下積み時代

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  • 更新日:2017/11/13
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モロ師岡(もろ・もろおか)(右)/1959年、千葉県生まれ。専修大学在学中からアマチュア劇団に所属。六本木のショーパブ立ち上げやストリップ劇場でのコントで活動。90年ごろからテレビに出演しはじめ、96年、映画「キッズ・リターン」(北野武監督)に出演。東京スポーツ映画大賞助演男優賞を受賞。以後、多くのドラマ、CM、映画で活躍。2018年1月2、3日、東京・下北沢の「劇」小劇場で「新春恒例初笑い演芸会」を開催。楠美津香(くすのき・みつか)(左)/1962年、東京都生まれ。横浜放送映画専門学院卒。コントグループ「ピックルス」「ふらみんご」、放送作家、ラジオDJを経て、実験的一人コント「東京美人百景」を連続公演。2000 年からは一人芝居「ひとりシェイクスピアの会」を定期公演。17年12月2日、東京・浅草リトルシアターで「超訳トロイラスとクレシダ」を公演。18年1月7日、横浜市大倉山記念館で「落語とコントの独演会」に出演。(撮影/写真部・大野洋介)

存在感のある役者として、映画にドラマに引っ張りだこの夫、モロ師岡さん。妻、楠美津香さんは演劇や演芸の枠組みを超越した「超訳シェークスピア」の一人芝居をライフワークにする俳優。しかし、お互いの出会いはストリップ劇場で…。

*  *  *

夫: 夫婦の一品、って何かある? ほら、二人で作った作品とかさ。

妻:ああー。からくり箱とか、作ったね。

――その昔、高田文夫さん(放送作家・演芸評論家)プロデュースのギャラリーに、夫婦の作品を出展したという。現物はすでにないが写真は残っているはずだ、と話したが……。結局、写真も見つからなかった。

妻:昔、浅草に「のぞきからくり」っていう見せ物があったんですよ。それを再現しようってことで。

夫:大きな木の箱を作って、中に僕らのヌード写真をいれたんです。脇のハンドルを回すと、中で豆電球がチカチカ光って、運が良ければ裸が見られるっていうね。

妻:千葉まで写真撮りに行ったのよね。

夫:九十九里まで行って。早朝の誰もいない海で、すっぽんぽんの撮影大会。

妻:街の写真屋さんに現像してもらうわけにもいかないから、写真勉強してる学生に頼んでね。

――出会いはストリップ劇場。朝から晩まで劇場にいた。

妻:私は役者になりたくて、故・今村昌平監督が設立した学校の演劇科に通ってたんです。そこの授業に内海桂子・好江師匠が来られて、漫才をやってみなさいと。

夫:それが始まりだね。

妻:面白かったんでしょうかねえ。あんたはお笑いをやるべきだって、ずいぶんいろんな方から勧められて。そのうちテレビの「お笑いスター誕生!!」っていう番組に出ることになった。そのころ、関東には女の子だけの漫才ユニットって少なかったんですよ。

夫:それで8週連続で勝ち抜いちゃった。

妻:もともとはアングラ演劇がやりたかったんです。お笑いは1年ぐらいでやめようと思ってたのに、勝ち抜いたらお仕事が来るようになっちゃって。

夫:もう後には引けず。

妻:つらかったですよ。とにかくニコニコ、いつも陽気でいなきゃいけなくて。

夫:当時は漫才ブームのほんの少し前。コントっていうのはわかりやすくズッコケたりするのが主流でしたからね。それには僕も抵抗あったなあ。

妻:今みたいにお笑いライブなんてないですからね。練習の場もなくて。

夫:それでストリップ劇場に出る仲間はいっぱいいました。僕は新宿、彼女は渋谷の一派だった。

妻:女の子が漫才をやっても、そのうち脱ぐと思ってるから、誰も笑わないの(笑)。

夫:コントになると、お客さんはタバコ吸いにロビーへ出ちゃうし。

妻:モロさんはコンビじゃなくて一人芸だったんだけど、面白い人がいるなあと。

夫:そう?

妻:暗かったんですよ。なんて言うか、社会でやっていけなさそうな人(笑)。

夫:それ! よく昔、まわりから言われたんですよ。なんでだろうなあ。普通のつもりなのに……。

妻:それにしても朝から晩まで劇場にいたね。ストリップは年中無休だし。

夫:ショーは昼からなんだけど、10時に入って掃除。出番が終わっても帰れないんです。いつ用事を言いつかるかわからないからって。

妻:ちょっとした軟禁状態ですよ。

夫:夜10時で舞台が終わって、今度は片づけ。あんまり家に帰れないから、アパート引き払って楽屋で寝泊まりしてました。

妻:ギャラは安かったけど、外へ出ないからお金を使う機会もなかった。

夫:ワンステージ500円で1日4ステージぐらい。それに食事代が500円。月に7万5千円ぐらいなんですけど、ご飯もお酒も先輩がおごってくれるし。

妻:あのころのほうが、いい服着てた気がする(笑)。(聞き手・浅野裕見子)

※「『憎しみはいつか、愛に裏返る』妻の“名言”にモロ師岡困る!?」につづく

※週刊朝日  2017年11月17日号より抜粋

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