露見した浦和の“守備エラー”。C大阪に突かれた隙とは【ルヴァン杯試合分析】

露見した浦和の“守備エラー”。C大阪に突かれた隙とは【ルヴァン杯試合分析】

  • Football Tribe Japan
  • 更新日:2022/09/22
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マテイ・ヨニッチ(左)小泉佳穂(右)写真:Getty Images

2022JリーグYBCルヴァンカップの準決勝第1戦が9月21日に行われ、セレッソ大阪と浦和レッズが対戦。C大阪の本拠地、ヨドコウ桜スタジアムにて行われたこの試合は、1-1の引き分けに終わった。

浦和は後半8分にMF小泉佳穂がアウェイゴールを挙げたことにより、9月25日に予定されている第2戦をスコアレスドローで終えても決勝進出が決まる。有利な状況だが、6シーズンぶりのルヴァン杯決勝進出に向け、第1戦で浮き彫りとなった守備の課題を解決する必要があるだろう。ここでは、第2戦に向けて同クラブが修正すべき点について言及する。

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セレッソ大阪VS浦和レッズ(ルヴァン杯準決勝第1戦、スターティングメンバー)

浦和にとって悔やまれる失点場面

先に試合を動かしたのは、基本布陣[4-4-2]のC大阪だった。

前半0分37秒より、センターバックのマテイ・ヨニッチからGK清水圭介、DF鳥海晃司の順でパスが繋がる。浦和は松尾佑介と小泉が最前線で横並びとなる[4-4-2]の守備隊形でハイプレスを仕掛けたものの、パスコースを限定しきれず。鳥海からヨニッチへのリターンパスが繋がり、このクロアチア人DFが前線へロングボールを送った。

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C大阪の先制ゴールに繋がった、鳥海からヨニッチへのパスシーン

ヨニッチのロングパスは浦和のDFアレクサンダー・ショルツに跳ね返され、左サイドバックの明本考浩によってクリアされたが、直後のルーズボールをヨニッチが回収。同選手のクリアボールを受けたボランチの奥埜博亮が縦パスを送ると、ラストパスを受けたFW上門知樹がペナルティエリア外から右足でシュートを放ち、先制ゴールを挙げた。

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セレッソ大阪 DFマテイ・ヨニッチ 写真:Getty Images

遠因となった僅かな綻び

浦和としては、ハイプレスで鳥海からヨニッチへのパスコースを塞ぎ、相手のパスを右サイド(C大阪の左サイド)に誘導したかったところ。

GK清水から鳥海にパスが渡った瞬間に、小泉がC大阪のボランチ鈴木徳真を捕捉。松尾が鳥海にプレスをかける形となったが、このチェイシングの強度がやや足りず。これにより鳥海からヨニッチへのリターンパスが繋がり、C大阪のサイドチェンジを許してしまった。

この場面では、小泉と松尾のどちらが鈴木を捕捉し、鳥海にプレスをかけるのかが曖昧になり、松尾のチェイシング開始が若干遅れている。この僅かな綻びが、失点の遠因となった。

先制ゴールを奪われた直後より浦和はハイプレスの強度を高め、前半4分43秒には小泉がセンターサークル内でヨニッチからボールを奪い、決定機を創出。その後も小泉と松尾の2トップが、C大阪の自陣からのパスワークを片方のサイドへ誘導していた。

パスをサイドに追いやると、浦和のサイドハーフ(大久保智明、ダヴィド・モーベルグ)がC大阪のサイドバックにプレスをかけ、同時に浦和のサイドバック(明本と関根貴大)がC大阪のサイドハーフを捕捉。この構図を作り、C大阪のビルドアップを手詰まりにさせていた。

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浦和レッズ MF松尾佑介 写真:Getty Images

キックオフ直後のハイプレス失敗も

前半2分30秒からのC大阪のゴールキックの場面でも、GK清水から鈴木へのパスコースを松尾が塞ぎ、相手のビルドアップを浦和にとっての左サイドへ誘導。タッチライン際でボールを受けようとしたC大阪の右サイドバック、松田陸に大久保が寄せ、バックパスを受けたヨニッチにも小泉がチェイシング。自陣に下がってボールを受けようとしたC大阪の右サイドハーフ毎熊晟矢には明本が、ボランチの奥埜には浦和のMF岩尾憲が付いたことで、最終的にボールを奪えた。

このように練度の高い守備を披露していた時間帯もあっただけに、キックオフ直後のハイプレス失敗は反省材料と言えるだろう。

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浦和レッズ リカルド・ロドリゲス監督 写真:Getty Images

より集中すべきは試合序盤

今回の第1戦、そして9月17日に行われた湘南ベルマーレ戦(J1リーグ第30節)における浦和の共通課題は、試合序盤に守備の約束事が曖昧になり、ハイプレスの強度も不足しがちなこと。

湘南戦でも[4-4-2]の守備隊形からハイプレスを仕掛けようとしていたが、中央を閉めて相手の最終ラインからのパスをサイドに誘導するのか、それともサイドへのパスコースを塞ぎ、中央にパスを誘うのかの意思統一が図られておらず。[3-1-4-2]の布陣の湘南のアンカー、茨田陽生を誰が捕捉するのかも曖昧で、フリーの同選手から自由な配球を許す場面もあった。

また、ハイプレスをかけようとしている割には最前線、中盤、最終ラインが間延びするという不可解な現象も見受けられ、前半5分10秒以降の湘南の攻撃シーンでも、ボランチの柴戸海が釣り出されたことによって生まれた中盤と最終ラインの間のスペースを、瀬川祐輔に使われてピンチに陥っている。この試合はスコアレスドローに終わったが、湘南が前半の決定機を物にしていれば敗戦の可能性もあった。

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浦和レッズ MF小泉佳穂 写真:Getty Images

どちらを基本戦術にするのか

第1戦でアウェイゴールを挙げたとはいえ、直近2試合の問題点となっている漫然としたハイプレスを第2戦でもかけようものなら、C大阪にアウェイゴールを奪われ、窮地に陥りかねない。第1戦で見せた、相手のビルドアップを片方のサイドに誘導してからのハイプレスを継続するか。もしくはハイプレス自体をやめ、撤退守備からのロングカウンターに舵を切るか。

浦和のリカルド・ロドリゲス監督は、この2つのうちどちらを基本戦術にするのかを明確にし、ゲームプランを選手たちに浸透させる必要があるだろう。今季の公式戦でC大阪に未勝利の浦和にとって、9月25日の第2戦は真価が問われるものになりそうだ。

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