相場展望6月23日 6/21の株価反発は、小戻しの範囲か 金融引締め長期化⇒景気後退の長期化⇒株式下落構図へ

相場展望6月23日 6/21の株価反発は、小戻しの範囲か 金融引締め長期化⇒景気後退の長期化⇒株式下落構図へ

  • 財経新聞
  • 更新日:2022/06/23
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■I.米国株式市場

●1.NYダウの推移

1)6/20、NYダウ 祝日「ジューンティーンス」で休場

【前回は】相場展望6月20日 『底がみえない米国株』、下落は道半ば 米国株に比べ堅調な日本株も、日銀しだいで変調2)6/21、NYダウ+641ドル高、30,530ドル(日経新聞より抜粋)・米株式相場が前週末にかけ大幅下落し、短期的な自律反発を見込んだ買いが優勢。最近、下げがきつかったハイテクや消費関連を中心に幅広い銘柄に買いが入った。・NYダウは前週▲4.8%安と今年最大の下落率となり、2週間で▲3,000ドル下落。機関投資家が運用目標とするSP500は6月に入り6/17までに▲11%下落。テクニカル指標は、相場が「売られ過ぎ」を示唆しており、短期的な買いが入った。・金融引締めや米景気悪化への懸念は根強い一方、「急激な下げが続いた後で、短期的には相場が上昇に転じるとの見方が強まっていた」との声があった。・米原油先物相場の上昇でシェブロンが大幅上昇、アップル・セールスフォースが上昇、ハイテクの上昇も目立ち、米長期金利上昇を受けて金融も高い。

3)6/22、NYダウ▲47ドル安、30,483ドル(日経新聞より抜粋)・米株式市場の戻りが鈍い。米連邦制度理事会(FRB)の積極的な利上げで、米経済が景気後退に陥るとの警戒感が強いためだ。・年初来の下落率は▲2割を超え、上期(1~6月)としては、米国がソ連と激しく対立した「キューバ危機」があった1962年以来の大きさとなっている。・FRBのパウエル議長は6/22の議会証言で、米景気の先行きについて『経済の軟着陸(ソフトランディング)は非常に難しい』と厳しい見方を示した。・化学のダウ・キャタピラー・ハネウェルなど景気敏感銘柄が下げ、原油安でシェブロンも安く、半導体のエヌビディアや交流サイトのメタが下落した。一方、ディフェンシブのJ&Jやユナイテッドヘルス、ネットフリックスが上昇。

●2.米国株:

(1) 6/21の大幅上昇は、短期の戻りを狙った、売り方の買い戻し

(2) 金融引締め長期化⇒景気後退の長期化⇒ 株式市場はさらに下落へ1)6/21の上昇は、直近の大幅下落のため「売られ過ぎ」サインが出ていたところで、値ごろ感から自律反発しやすいタイミングを見過ごさなかった、今まで売り方であった短期筋の買い戻しによるものと想定できる。

2)米パウエルFRB議長が議会証言で述べたように「今回の金融引締めの目的は、インフレ目標は2%まで下げる」ことにある。5月インフレは8.6%であり、目標2%までは遙かに遠い道程がありそうである。パウエル議長は「インフレ抑制が出来るためには、景気後退も辞さず」という覚悟ある発言をした。

3)スイス中央銀行による予想外の利上げで欧米では金利急騰があり、6/21は急騰の利上げの反動により金利は、一時的低下した。その金利一時的低下のタイミングを狙って、短期筋の売り方による買い戻しで米主要株式指数が急伸したとみる。

4)2022年は7月・9月とFRBによる利上げが予定されている。さらに、2023年度も引き続き利上げが予想される。QT(膨張した国債等の縮小)とは、市場から資金を回収することである。現在の株式市場が織込んだのは、初期段階の金融引締めの可能性がでてきた。

5)FRBの(1)金利引上げ (2)QTの終着時期はいつまでなのか?(1)金利引上げ: インフレ抑制には、2023年末までは継続しそうである。さらに、2024年まで金利引上げが続く可能性がある。(2)QT: 月額950億ドルの縮小幅であると1年で▲1兆1,400億ドル減額。現在9兆ドル程度の債券購入額であるが、新型コロナ渦の対策で増額したのは約+5兆ドル。減額が月額950億ドル継続ならば、解消に約4年かかることになる。つまり、2026年までQTを続ける計算になる。

6)FRBの金融引締め時期が長期化すると、米景気後退(リセッション)も長くなる傾向にある。まして、欧州中央銀行(ECB)もFRBと同様の状態である。加えて、スイス中央銀行までとなると、世界景気の後退は長期化する可能性が濃厚である。ウクライナ戦争も泥沼で長期化しそうだ。

7)『景気後退の長期化⇒株式市場の(1)調整時期も長期化(2)下落幅も大きくなる』傾向になりそうだ。パウエルFRB議長の6/22の議会証言に、『物価安定は絶対必要であり、そのための金融引締めを加速の方針』もあった。現在の米国株式市場の下落率は高値から約▲20%前後の下落した『弱気相場入り』目前である。米国・欧州の金融引締めが初期の段階であることを考えると、『株式市場はさらなる下落を示唆している』ように思われる。注意深く見ていく方が良さそうだ。

●3.米パウエルFRB議長の議会証言(フィスコより抜粋)

1)発言内容・FRBはインフレを2%に戻すことを強く公約。・米経済は金融引締めに耐えうる。・現在実施している利上げは、適切。会合ごとに金融政策を決定。・市場は追加利上げを適切に織込んでいる。・中国のロックダウン、活動再開を巡る100%の影響は見られず。・急速な利上げで、景気後退に押し入る可能性はもちろんある、意図しないが。(リッセッションの可能性否定せず)・いずれ、MBS(住宅ローン抵当証券)を売却する必要もあるかもしれない。・『物価の安定が絶対に必要』で、金融引締めを加速の方針。

●4.クリーブランド連銀総裁、インフレ対応のなか景気後退リスク高まる(ブルームバーグより抜粋)

1)メスター総裁は、「金融政策は実際よりもやや早い時期に方向転換できたはずだ。当局の行動が遅れたことも一因となり、リセッションのリスクは高まっている」と指摘。

2)また、「インフレ率がFRB目標の2%に戻るには数年を要する」との見解を示した。

3)利上げの遅れが、経済にダメージを与えたとの認識を示した。

●5.リッチモンド連銀総裁、政策金利「可能な限り速い」正常化が重要(ブルームバーグ)

●6.ヘッジファンド6/21の上昇、金融危機以来の空売りペース加速後の買い戻しか(ブルームバーグ)

●7.米住宅建設レナー社、金利上昇で買い手が遠のくと住宅需要減速を警告(ロイター)

●8.米、強制労働排除で同盟国に結束呼びかけ、中国・新疆産品の禁輸を発効(ロイター)

■II.中国株式市場

●1.上海総合指数の推移

1)6/20、上海総合▲1安、3,315(亜州リサーチより抜粋)・先週末のWTI原油先物は▲6.8%安と急落し、エネルギー関連が売り先行した。石炭も5月販売が軟調だったこともネガティブ材料視されたが、下値は限定的。・経済活動の早期正常化や、景気テコ入れ策への期待感で浮上する場面もあった。・業種別では、エネルギー関連が下げを主導し、金融・非鉄・鉄鋼が冴えなかった。反面、不動産は高く、消費関連・ハイテク・医薬品・インフラ関連が買われた。

2)6/21、上海総合▲8安、3,306(亜州リサーチより抜粋)・利益確定売りが続く流れ。上海総合指数は先月後半から上昇ピッチを速め、約3カ月ぶりの高水準に切り上げていた。もっとも、大きく売り込む動きはない。・経済活動の早期正常化や、政府の景気テコ入れ策に対する期待感は根強い。・中国本土の新型コロナ感染は、一部の地域を除いて抑制されている。6/20に確認された新規感染は、首都・北京で5人、商都・上海で9人にとどまる。・業種別では、非鉄・レアアース・鉄鋼など素材関連が安く、自動車も冴えない。反面、金融はしっかり。3)6/22、上海総合▲39安、3,267(亜州リサーチより抜粋)・投資家の慎重スタンスが続く。中国の電力逼迫や、洪水・土砂災害が懸念材料として意識された。・米景気の先行き不安が高まるなか、中国経済に対する影響も不安視されている。・米ゴールドマンSやモルガンSは相次いで、急速な金融引締めが企業収益の減少を招き、景気後退に陥るリスクが高まると指摘した。・WTI原油先物が6/22に急落したことも、リセッションの懸念を連想させた。・米中関係の改善期待もやや後退。バイデン政権が検討している対中制裁関税の引下げ決定が先送りされると伝わり、米中首脳会談の開催時期も決まっていない。・業種別では、ITハイテク関連の下げが目立ち、不動産・エネルギーも冴えない。

●2.中国の先行き不透明感は「有害」と考える、欧州企業が警戒感強める(Forbes)

●3.中国のロシア産石炭輸入、5月は330万トンと前月比+51%増(ロイター)

●4.中国ロシア産原油輸入、5月は日量198万バレルで前月比+55%増(ブルームバーグ)

●5.中国・広東省など南部を中心に60年ぶりの豪雨被害で数百万人が被災(産経新聞)

■III.日本株式市場

●1.日経平均の推移

1)6/20、日経平均▲191円安、25,771円(日経新聞より抜粋)・米連邦準備制度理事会(FRB)など主要な中央銀行による金融引締めの動きが世界景気の減速につながるとの懸念から売り優先となり、5/12以来の安値水準となった。日経平均は一時▲400円を超えた。・FRBの積極的な金融引締めで米景気後退リスクが意識された。・「今週はFRB高官たちの発言する場が多く、金融引締めに積極的なタカ派姿勢を示す可能性があり、市場の警戒が続いている」との声があった。・世界景気の減速で需要が減るとの見方から原油先物場が下落、INPEXや出光興産などは収益改善期待が後退し、原油や石油関連が大きく下げた。東エレクや信越化などの指数寄与度が高い半導体関連の下落も目立った。・日経平均は前週に▲1,800円超下げたため、朝方は自律反発狙いの買いが優勢となる場面があり、円安を材料に自動車が上げ、日経平均は一時+200円近く上げたが勢いは続かなかった。6/20に米市場が休場の関係で、買い手控えムードもあった。

2)6/21、日経平均+475円高、26,246円(日経新聞より抜粋)・急ピッチで下落し、値ごろ感あるなか、前日の欧州株式市場の上昇が支えとなった。米株価指数が堅調に推移したことも、日本株買いの安心感につながった。午後には、売り方の買い戻しも入って、上げ幅を広げた。・ただ、世界景気を巡る不透明感は強く、積極的に買いを入れる材料に乏しく、買い一巡後は大引けにかけて急速に伸び悩んだ。・昭和電工・サイバーが大幅高、INPEX・川重・東エレクが上昇、花王が下落。

3)6/22、日経平均▲96円安、26,149円(日経新聞より抜粋)・米国の金融引締めや景気の先行きを巡る懸念が根強く、値嵩の半導体関連などを中心に売り優勢となり相場を下押しした。値を上げた銘柄には戻り待ちの売りが出た。・米連邦制度理事会(FRB)のパウエル議長が米議会で証言する予定で、市場では今後の金融政策に関する発言内容を見極めたいとのムードも漂った。・双日と三菱商事の下げが大きく、東エレク・SUMCO・INPEX・川崎汽が下落した。三菱自が大幅上昇、トヨタ・浜ゴム・アステラス・NTT・住友不・東ガスが買われた。

●2.日本株: 6/21の+475円大幅上昇は、自律反発の範囲、深追いには注意が必要

1)6/21は、テクニカル指標では「売られ過ぎ」を示唆し、前日までの大幅下落で値ごろ感がでていたため、短期筋の売り方の買い戻しが奏功し、提灯もついて大幅上昇となったと理解した方が良さそうだ。

2)先物手口の合計を見ると、外資系も国内勢も閑散取引であり、6/21の相場を主導したとは思えない。したがって、腰の据わらない短期の「思惑的な上昇」と見た方が良さそうだ。

3)この時期は、材料に乏しく、また参議院選挙向けの追加景気刺激策も期待できないため、「買い仕掛けは、難しい状況」と思われる。よって、静観する局面かもしれない。

●3.日銀、大規模な国債購入で市場を沈静化、1週間で10.9兆円購入(ブルームバーグ)

●4.日銀・黒田総裁は岸田首相と会談、「急激な円安は好ましくない」(日テレ)

1)岸田首相からは特に発言はなかった、ということです。

2)政府は6/21、「物価・賃金・生活総合対策本部」を立ち上げ、電気代の負担軽減や食料品の価格抑制などについて検討していくことにしている。

●5.アームのロンドン上場要請計画は承知せず=英首相報道官(ロイター)

●6.企業業績

1)JAL    7月単月で黒字に転じる見通し、2020年2月以来(フィスコ)

■IV.注目銘柄(投資はご自身の責任でお願いします)

・3038 神戸物産   業績堅調、値上げ効果期待・3289 東急不動産  業績堅調・4716 日本オラクル 業績堅調

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