Appleカー、車載電池調達で中国2社と交渉中

Appleカー、車載電池調達で中国2社と交渉中

  • JBpress
  • 更新日:2021/06/11
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(写真:CNBCより)

ロイター通信は6月8日、米アップルが中国の電池メーカー大手、寧徳時代新能源科技(CATL)や比亜迪(BYD)と電気自動車(EV)用車載電池の調達に向けて初期段階の協議を進めていると報じた。

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米国内に工場、バイデン大統領の意向と一致

関係者によると、アップルは米国内に製造施設を建設することを取引の条件にしている。米大統領経済諮問委員会(CEA)のジャレッド・バーンスタイン委員は同日、ロイターに対して「アップルが最先端電池の生産工場を米国内に建設することを協議していると、私は理解している」と述べた。

同氏は「これは、大統領が示しているサプライチェーン(供給網)の国内確保に関する意向と一致する。とりわけ米国が世界シェアを獲得できる可能性のある分野に注力する」とも説明した。

バイデン大統領は1兆7000億ドル(約186兆円)の大型インフラ投資計画を掲げており、そのうち1740億ドル(約19兆400億円)をEV分野に充てる考え。電池メーカーに対する税控除や助成金などの優遇制度を導入し市場拡大につなげるという。

ただ、CATLは米中の政治的な緊張やコスト増への懸念を理由に米工場の建設に難色を示している。CATLは車載電池の世界最大手。米テスラなどの自動車大手と提携している。一方のBYDは世界4位。報道によると、BYDはこれまで車載電池を主に自社EV向けに製造してきた。だが最近は他の中国自動車メーカーへの供給も増やしているという。

アップルCEO、外部委託を示唆

アップルはこれまで一度も自社のEV開発計画を公表したことはない。ただ、同社のティム・クックCEO(最高経営責任者)が時折EVについて語り、その都度メディアが大きく取り上げている。

21年4月には、ポッドキャストのインタビュー番組に出演して自動運転EVの開発計画を示唆したと伝えられた。同氏は「我々は製品を取り巻く重要技術を自社で持ちたいと考えている」とし、「ハードウエアやソフトウエア、サービスを統合したいと考えており、それらの交点を探っている。そこに不思議な力が宿ると信じているからだ」と述べた。

アップルはEV分野でもスマートフォン「iPhone」のように中核技術を自社開発・保有し、製造を協力企業に依頼するモデルを考えているとされる。

LG電子や現代自系の起亜が提携先候補に

韓国の英字紙コリア・タイムズは21年4月、米アップルと韓国LG電子関連会社によるEVの生産委託交渉が合意間近だと報じた。LG電子とカナダ自動車部品大手マグナ・インターナショナルの合弁会社が初期量産分を担当する見通しだという。

「Appleカー」とも呼ばれる同社ブランドのEVを巡っては20年末以降、関連報道が相次いでいる。ロイターは20年12月、アップルが自動運転技術の開発を進めており、24年までの乗用車生産開始を目指していると報じた。

米CNBCや米ウォール・ストリート・ジャーナルは21年2月、韓国・現代自動車の系列自動車メーカー韓国・起亜に生産委託する交渉がまとまりつつあると報じた。起亜が米ジョージア州に持つ完成車工場で24年にも生産を始め、初年で最大10万台を生産する可能性があると、関係者は話した。

だが、現代自は数日後、これら報道を否定するコメントを出した。現代自と起亜は、規制当局に提出した文書で「自動運転EVの共同開発について複数の企業から協力要請を受けているものの、まだ初期段階であり何も決まっていない」と説明。そのうえで、「アップルと自動運転EV開発の協議をしていない」と否定した。

ウォール・ストリート・ジャーナルはその翌日、「現代自との交渉は決裂したもようだが、アップルは1社に依存することはなく、日本の自動車メーカー数社とも協議している」と報じた。

中国EV市場急成長

韓国の調査会社SNEリサーチによると、中国は世界最大のEV市場であり、急拡大を続けている。中国の車載電池メーカーは自国市場の規模を背景に、他のどの国のメーカーよりも速いペースで成長するとみられている。

CNBCによるとEVメーカーも急成長中。20年の上海蔚来汽車(NIO)の販売台数は4万3728台で、前年比2倍以上。小鵬汽車(Xpeng Motors)は2万7041台で同じく2倍以上だった。19年12月に自社初の量産EVを発売した理想汽車(Lixiang Automotive)は3万2624台を販売。理想汽車の20年12月の台数は6126台で、単月の販売台数として過去最高を更新した。

こうした中、自動車大手とテクノロジー大手が手を組む動きが広がっている。アップルと交渉しているとされるBYDは中国のライドシェア(配車)最大手、滴滴出行(ディディ)と提携し、配車用の車両を開発していると伝えられている。

小久保 重信

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