
キャッシュレス決済が進み、ほとんどの方がクレジットカードを保有しているのではないでしょうか。
クレジットカードで決済するとポイントが貯まるほか、現金を持っていなくても買い物ができ、付帯サービスも利用できるなどメリットが多いです。
しかし、クレジットカードの利用に関して、不安や心配に感じていることもあるはずです。
今回は、クレジットカードについての不安や心配なことについて、一般社団法人日本クレジット協会のデータを元に解説していきます。
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クレジットカードについての不安や心配なこと
一般社団法人日本クレジット協会が2023年7月に公開した、令和4(2022)年度「クレジットに関する消費者向け調査結果」報告書のデータをみていきましょう。
このデータは、クレジットカード等の利用実態把握のため、18歳~79歳の男女5000人にインターネット調査を行ったものになります。
また、クレジットカードについての不安や心配なことについては以下のような内訳になっています。(※複数回答可)
盗難・紛失によるカードの悪用が心配:50.4%
お店やクレジット会社などからの個人情報やカード番号等の漏えいが心配:46.1%
後払いのため使いすぎが心配:38.0%
偽造カードを作られるのが心配:27.7%
支払状況などが信用情報機関に登録されることが心配:14.0%
支払いが長期になると管理できなくなりそうで心配:12.4%
その他:0.3%
特に不安・心配はない:17.1%

最も高いのは、「盗難・紛失によるカードの悪用が心配」(50.4%)で、次に「お店やクレジット会社などからの個人情報やカード番号等の漏えいが心配」(46.1%)、「後払いのため使いすぎが心配」(38.0%)、「偽造カードを作られるのが心配」(27.7%)となっています。
クレジットカードについての不安や心配なことは何?「クレジットカードの不正利用に注意」
【男女年齢別】各回答の割合をチェック
各回答についての男女年齢別の内訳は以下のとおりです。
盗難・紛失によるカードの悪用が心配:50.4%
男性18-29歳:30.2%
男性30代:37.8%
男性40代:46.3%
男性50代:48.2%
男性60代:52.4%
男性70代:56.6%
女性18-29歳:38.8%
女性30代:51.5%
女性40代:59.4%
女性50代:56.4%
女性60代:63.9%
女性70代:58.1%
お店やクレジット会社などからの個人情報やカード番号等の漏えいが心配:46.1%
男性18-29歳:23.9%
男性30代:32.4%
男性40代:43.0%
男性50代:46.5%
男性60代:48.7%
男性70代:54.5%
女性18-29歳:26.0%
女性30代:43.4%
女性40代:53.6%
女性50代:56.9%
女性60代:63.1%
女性70代:55.3%
後払いのため使いすぎが心配:38.0%
男性18-29歳:46.5%
男性30代:47.1%
男性40代:40.7%
男性50代:33.6%
男性60代:28.2%
男性70代:26.2%
女性18-29歳:53.3%
女性30代:47.4%
女性40代:43.2%
女性50代:39.0%
女性60代:26.7%
女性70代:26.5%
偽造カードを作られるのが心配:27.7%
男性18-29歳:14.3%
男性30代:22.0%
男性40代:33.0%
男性50代:31.4%
男性60代:29.4%
男性70代:29.9%
女性18-29歳:10.5%
女性30代:25.7%
女性40代:33.8%
女性50代:36.1%
女性60代:30.9%
女性70代:30.0%
支払状況などが信用情報機関に登録されることが心配:14.4%
男性18-29歳:14.9%
男性30代:12.5%
男性40代:14.8%
男性50代:14.5%
男性60代:13.1%
男性70代:11.8%
女性18-29歳:13.5%
女性30代:15.2%
女性40代:16.4%
女性50代:14.1%
女性60代:12.3%
女性70代:14.5%
支払いが長期になると管理できなくなりそうで心配:12.4%
男性18-29歳:17.1%
男性30代:17.1%
男性40代:14.8%
男性50代:11.8%
男性60代:8.3%
男性70代:5.3%
女性18-29歳:21.0%
女性30代:17.6%
女性40代:13.7%
女性50代:9.2%
女性60代:9.3%
女性70代:5.3%
その他:0.3%
男性18-29歳:0.5%
男性30代:0.5%
男性40代:0.5%
男性50代:データなし
男性60代:0.7%
男性70代:データなし
女性18-29歳:データなし
女性30代:0.3%
女性40代:データなし
女性50代:データなし
女性60代:1.0%
女性70代:0.2%
特に不安・心配はない:17.1%
男性18-29歳:26.1%
男性30代:22.3%
男性40代:20.5%
男性50代:20.0%
男性60代:16.9%
男性70代:16.5%
女性18-29歳:16.0%
女性30代:14.8%
女性40代:12.7%
女性50代:11.1%
女性60代:14.5%
女性70代:14.6%
実際に不正利用の被害はどのようになっているか(2023年1月〜6月のクレジットカード不正利用発生状況)
一般社団法人日本クレジット協会が2023年9月に公開した「クレジットカード不正利用被害の発生状況」によると、2023年1月〜6月の合計は262.4億円となっています。
内訳は以下のようになっています。
偽造カード被害額:1.3億円(構成比:0.5%)
番号盗用被害額:245.7億円(構成比:93.6%)
その他不正利用被害額:15.4億円(構成比:5.9%)
また、過去のクレジットカード不正利用被害額については以下のようになっています。
2014年(1月〜12月):113.9億円
2015年(1月〜12月):120.9億円
2016年(1月〜12月):142.0億円
2017年(1月〜12月):236.4億円
2018年(1月〜12月):235.4億円
2019年(1月〜12月):274.1億円
2020年(1月〜12月):253.0億円
2021年(1月〜12月):330.1億円
2022年(1月〜12月):436.7億円

2023年1月〜6月の合計は262.4億円となっていることから、2023年のクレジットカード不正利用被害額については過去最高のペースです。
まとめにかえて
クレジットカードの利用について「主に悪用が心配」な人が多いことがわかりました。
実際に、クレジットカードの不正利用被害については年々増加傾向にあり、なかでも「番号盗用被害額」が約9割を占めています。
セキュリティの高いクレジットカードを使うことはもちろん、万が一被害にあったときのためにも、明細のチェックは細かく行う必要があるでしょう。
参考資料
一般社団法人日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」
一般社団法人日本クレジット協会「令和4(2022)年度『クレジットに関する消費者向け調査結果』報告書」
藤原 悠喜