柔道・講道館杯の不可解裁定、ミス認め両者優勝 無効の抑え込みは「技あり」と結論

柔道・講道館杯の不可解裁定、ミス認め両者優勝 無効の抑え込みは「技あり」と結論

  • デイリースポーツ online
  • 更新日:2020/11/22
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10月31日の講道館杯男子60キロ級決勝、小西誠志郎(右)が米村克麻(下)を抑え込んだ状態での試合再開を指示する主審

全日本柔道連盟は20日、講道館杯の男子60キロ級決勝で審判の不明瞭な裁定で混乱が生じたことに関して、大会運営上のミスを認めた上で、特例的に両者を優勝とするなどの対応をとることを決めたと発表した。審判委員会、強化委員会、アスリート委員会などの4委員会が共同で提言したもので、「大会運営上の誤謬(ごびゅう)を認め、決勝戦の勝敗がついていなかったものとし、特例的かつ限定的に遡って両者優勝とすることで意見が一致した」と報告。26日の常務理事会で報告される。

今回提言されたのは以下の6つで、両者を優勝扱いとすることや再発防止に向けた対策を盛り込んだ。

・両者を優勝にする(決定)

・講道館杯、全日本選抜体重別選手権でのブルー柔道衣の導入(提案)

・審議後の場内アナウンス制度の導入(決定)

・試合場での開始線の設置(決定)

・国際柔道連盟(IJF)試合審判規定理解の徹底(決定)

・タイマー操作の精度向上と、ミスした場合のリカバリープラン策定(決定)

議論の対象となったのは、10月31日に行われた講道館杯・男子60キロ級決勝での米村克麻(24)=センコー=と小西誠志郎(21)=国士舘大=の試合。「技あり」を先に奪われてリードされていた小西が、相手を袈裟固めで抑え込み、逆転するかと思われたが、電光表示板では抑え込まれている米村が抑え込んでいることになっており、10秒経過(=技あり)時点でブザーが鳴って中断。誤ったブザーと同時に止められなければ、20秒経過(=一本)で逆転勝利していた可能性もあった上に、10秒押さえ込んだ時点で入るはずの「技あり」ポイントさえ入らないまま試合が終了。そのまま小西が敗れる事態となり大混乱となった。

試合直後の大迫明伸審判委員長によれば、電光表示板のタイマーを操作する担当者が、抑え込んでいる選手を誤って逆にしてしまったことが発端となったといい、「色んな残念なことが一度に重なってしまった」と陳謝。一方で、以下のように経緯を説明していた。

・抑え込む側が逆になったままブザーが鳴ってしまい、主審が「一本」と勘違いして試合を止めてしまった。

・ただ、IJFルールの観点では、小西の抑え込みに対して米村が8秒で足を絡んでいた。主審はそれを見逃していたが、審判委員としては抑え込みは「解けた」ものとみなし、小西に「技あり」のポイントは与えない。

・ただ、足を絡まれた際に「解けた」と宣告していれば、その体勢から小西が再度抑え込みに入る可能性があったため、中断後はもう一度、抑え込みが「解けた」寝技の状態から再開させた。結果的にはこれも8秒で「解けた」ためポイントは奪えなかった(※1)。

・柔道には、大相撲のように審議について説明するルールになっていないため、不明瞭な進行になってしまった。

この裁定に関しては強化サイドも問題視。審判委員会等に意見を提出する方針を明言しており、4委員会で協議が重ねられた。そして、この試合を改めて精査した結果、中断後に寝技から試合を再開した際(※1)、抑え込みのカウント開始が3秒遅れていたことが判明したという。8秒で「解けた」ものとしていたが、本来なら11秒経過で小西に「技あり」が入っており、同点で延長戦に入るべきだったと結論づけた。

ただ、試合から時間がたっており再試合が難しいことから、「大会運営上の誤謬を認め、決勝戦の勝敗がついていなかったものとし、特例的かつ限定的に遡って両者優勝とすることで四委員会の意見が一致した」と報告した。

今回の対応に際して、全柔連の中里壮也専務理事がコメントを発表。「日本最高峰の柔道大会の運営に不備があり、選手や関係者にご迷惑をおかけし、多くの柔道ファンの方々に混乱を招く事態となり、心よりお詫び申し上げます」と謝罪した上で、「当連盟では事態を重く受け止め、再発防止を徹底すべく、4委員会にて議論を重ね、このほど原因究明ならびに再発防止に向けた提言がまとめられました」と報告した。

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