
アジアパラ大会優勝を笑顔で報告する大川内健太(左)
障害者陸上と障害者技能訓練の〝二刀流〟で活躍する伊万里特別支援学校高等部3年の大川内健太(17)=佐賀県伊万里市=が、10月に中国・杭州市であったアジアパラ大会陸上男子1500メートル(知的)で初優勝を果たした。
競技は10月28日にあり、日本やマレーシアの7選手が出場。「初めての国際大会でスタンドには大勢の観客。とにかく緊張したが、スタートの合図で無心になれた」。2位を確保して最終コーナーに入ると、一気に抜き去ってゴールテープを切った。記録は4分05秒12。自己記録(3分55秒84)は更新できなかったが「苦しいレース展開でも最後は得意のスパートを生かせた」と快挙を振り返った。
11月15日には優勝報告のために伊万里市役所を訪問。出迎えた深浦弘信市長は「前回の訪問で優勝を宣言していたが、まさに有言実行。伊万里の名声をまた高めてもらった。後に続く子どもたちへの良いお手本になっている」とたたえた。
愛知県常滑市で11月19日に閉幕した「第43回全国障害者技能競技大会(アビリンピック)」のビルクリーニング競技にも県代表として出場。陸上との〝二刀流〟の活躍も話題になっている。
陸上では来年にかけて大きな大会が待ち受ける。大川内によると、3月に東京での記録会で3位以内に入れば、6月に神戸市で開かれる「世界パラ陸上競技選手権大会」と、8月に開幕する「パリ・パラリンピック」の出場権が得られる見通し。大川内は「現在の自分の実力は国内4番手。体力とスピードを磨いて、このチャンスをつかみたい」と力を込めた。
(糸山信)
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