南野拓実、シーズン残り試合で爪痕を残せるか。現地記者がレポート

南野拓実、シーズン残り試合で爪痕を残せるか。現地記者がレポート

  • Sportiva
  • 更新日:2021/05/04

4月30日のプレミアリーグ・レスター戦で久々の出場を果たした、サウサンプトンの南野拓実。今年頭のリバプールからのレンタル移籍後、なかなか出場機会を得られず苦しいシーズンがつづく。残りわずかな試合で活躍することはできるのか。サウンサンプトン在住の現地記者が、南野の現状をレポートする。

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サウサンプトンに移籍したものの、苦しいパフォーマンスが続く南野拓実 photo by Getty Images

南野拓実が久しぶりにサウサンプトンの先発に名を連ねた。4月30日にホームで行なわれたプレミアリーグ第34節レスター・シティ戦で76分までプレーし、試合は1-1の引き分けに終わった。英『Whoscored.com』の採点は両チームの先発陣を通じて、下から2番目の「6.2」。クラブでは3月14日以来の公式戦だったことを差し引いても、芳しいものとは言えない。

この26歳のアタッカーが最後に実戦のピッチに立ったのは、日本代表として臨んだ3月30日のモンゴルとの親善試合だ。フクダ電子アリーナで行なわれたその一戦では前半に先制点を奪い、14-0の歴史的勝利の口火を切ったが、ひと月半ぶりのセント・メリーズ・スタジアムでは、不満の残るパフォーマンスに終わった。

この日本代表FWは2月に、昨季のプレミアリーグ王者リバプールから期限付きでイングランド南部の海辺の街にやってきた。デビュー戦となった敵地でのニューカッスル戦では、ボックス左に走り込みながら巧みなファーストタッチで敵をかわし、ニアサイドのトップコーナーを撃ち抜いてさっそくゴール。翌々25節のチェルシー戦でもクレバーなフィニッシュで先制点を奪い、新天地にすんなりと適応したように見えた。

「サウサンプトンの生活にはもう慣れましたし、スタッフやチームメイトとも良い関係を築けていて、今の自分はすごく充実した日々を過ごしています」と南野本人も先日、新天地での毎日について語ってくれた。

ところが以降は、フラストレーションの溜まる日々がつづいている。チェルシー戦の3日後に行なわれたリーズ戦では後半から途中出場したものの不発に終わり、その後は1試合おきに先発して同様の結果に。チームはFAカップを勝ち進んでいたが、南野はリバプールで同大会に出場していたために出られず、リズムを取り戻す機会も少なかった。

3月に日本代表での2試合を終えて戻ってきてからは、バーンリー戦、ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン戦、トッテナム戦と3試合連続でベンチを温めている。先週末のレスター戦では久しぶりの先発にファンの期待も高まったが、開始10分にCBヤニック・ベステルゴーがレッドカードを受けて退場したこともあり(トラップミスしたボールに詰め寄ったジェイミー・バーディーのゴールチャンスを阻んだという判定は、厳しいものだった)、南野はより守備的にプレーせざるを得なかった。

4-4-2の右MFで先発したが、仲間がひとり減ったことにより、中央寄りの低い位置を埋める場面が多くなった。チームのポゼッション率も低く、見せ場と言えるのは、序盤にハイプレスからボールを奪い、チェ・アダムスと連係し、ネイサン・テラのチャンスをつくったシーンくらい。守備面ではライトバックのカイル・ウォーカー=ピータースを手助けしたが、後半序盤にはルーク・トーマスへのファウルにより警告を受けている。

サウサンプトンではここまで、7試合に出場(先発は6試合)し、2得点を記録。南野にとって不運だったのは、チームが不調に陥っている期間に入団したことだ。前半戦では上位につけていたチームが、後半戦では9試合連続で勝利に見放された。その只中に、南野はローンで加入したのだ。

ラルフ・ハーゼンヒュットル監督は当初から「(南野の)クオリティーが好きだ」と話しており、その姿勢は変わっていないように見える。レスター戦の前日会見では、次のように語っている。

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「今週、チームで彼のポジションや成長について話し合った。それらはまったくもって、不満のないものだった。彼はこれまで、多くの出場時間を得ている。最近の数試合には出ていないが、(レスター戦を含めた)残り6試合には必ずチャンスが訪れるはずだ。良いトレーニングをしているし、着実にチームの一員になっている。プロフェッショナリズムと良いメンタリティを持ち、キャラクターも良い」

この53歳のオーストリア人指揮官は、ドイツ系の指導者を中心に広がるプレッシング・フットボールの使い手で、ラルフ・ラングニック(現レッドブルのグローバルSD)直系の監督だ。南野はザルツブルク時代に、同系のマルコ・ローゼ、さらには先ごろハーゼンヒュットルの古巣ライプツィヒの新監督に決まったばかりのジェシー・マーシュの薫陶を受けている。そしてリバプールでは、ゲーゲンプレスの始祖ユルゲン・クロップの教えも経験しており、もとからハーゼンヒュットルの戦術には親しみがある。

これについては、「(過去の所属先のプレースタイルとサウサンプトンのそれは)似たスタイルだと思います。もちろん、細かいところは違いますが、アグレッシブにボールを奪いにいく姿勢や、奪った瞬間にゴールへ直線的にプレーするところ、それらが練習メニューに落とし込まれているところなどは、似ていると思います」と語っている。だから、ハーゼンヒュットルが要求する激しいハイプレスや守備時のスプリントも、南野にとっては面食らうようなものではないはずだ。

およそ1カ月半ぶりの公式戦となったレスター戦は、納得できるものではなかったかもしれないが、残りの5試合でまたチャンスは来るだろう。守備時のタスクをしっかりとこなし、ハイプレスでボールを奪ってから攻撃につなげ、南野の真価を発揮してほしい。

トム・プレントキ●取材・文 text by Tom Prentki

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