資産5億超え投資家がこっそり指南、2つの買い時

資産5億超え投資家がこっそり指南、2つの買い時

  • 東洋経済オンライン
  • 更新日:2023/01/25
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資産5億円超えの投資家のDUKE。さんに聞く、ガチ投資術とは(写真:78create/PIXTA)

岸田首相がNISA制度の改革を表明するなど、「貯金から投資」への流れがますます加速している今日この頃。しかし、株や投資信託の数が多すぎて、「結局、どの株が買えばいいのか」「あわよくば儲かるのか」と早くもさじを投げている人もいるのではないでしょうか。

そんな中、資産5億円超えの投資家のDUKE。さんは、「新高値ブレイク投資」という手法を提案します。『忙しい人でも1日10分から始められる 3年で3人の「シン億り人」を誕生させたガチ投資術』から一部抜粋してお届けします。

2つのタイミングを見極めて高いリターンを狙う

前回の記事で、新高値ブレイク投資法のメリットはおおよそ理解していただいたと思いますので、今回は実践方法を紹介していきます。新高値ブレイク投資法で高いリターンを狙うには、2つのタイミングを見極めることが重要です。

〈高いリターンを狙うための2つのタイミング〉

・株式市場全体の相場サイクル

・個別銘柄の株価サイクル

株式市場全体の相場が低迷しているときには、どんなに強い銘柄でも株価に下げ圧力が加わります。株式市場全体が上昇している時期のほうが、高いパフォーマンスを出しやすくなります。株式市場全体の大きな流れを把握するには、相場のサイクルを理解しておく必要があります。

株式相場には主に4つの局面が存在します。①金融相場、②業績相場、③逆金融相場、④逆業績相場です。この4つの局面を繰り返します。

金融相場は不景気の時期と重なる相場です。企業業績は低迷して世の中は暗い状態です。各国の中央銀行は経済を刺激して景気を回復させるため、金融緩和を行います。

具体的には政策金利を引き下げます。政策金利の引き下げだけでは十分な効果が得られないときには、中央銀行が国債などを買い入れてカネ余りの状態をつくり、景気を下支えしようとします。いわゆる量的緩和です。

金利の引き下げや量的緩和が行われると、企業は低金利でお金を借りて設備投資をするなど、将来の成長のための投資がしやすくなり、経済が活性化すると考えられます。同時に余ったお金が株式や不動産、仮想通貨などのリスク資産に流れ込みます。その結果、金融相場では株式市場全体が上昇しやすくなります。いわゆる「不景気の株高」が起こることにもなるのです。

直近では2020年のコロナ・ショックのときに、人の移動が制限されたため経済活動が甚大な打撃を受けました。企業の業績が急激に落ち込んだため、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)は迅速に金利を引き下げ、量的緩和も行いました。政府も緊急経済対策を打ち出し、民間にお金を流したためお金がジャブジャブの状況になりました。

金融相場では株式市場全体が上がる傾向がありますが、とくにグロース株、つまり、将来高い成長が期待される高PERの銘柄が優位の展開となりやすくなります。コロナ・ショックの後は、SaaS(Software as a Service の略で、サースまたはサーズ)型ビジネスモデルの銘柄がもてはやされて大きく買われました。売上高が大きく伸びていて将来の高成長を期待されている一方で、まだ利益は出ていない状態のいわゆるキラキラ系の銘柄の株価が大きく値上がりしやすいのが金融相場の特徴です。

好業績銘柄が買われる「業績相場」

金融相場の次に来るのがこの業績相場です。中央銀行や政府の経済対策が効果を発揮し始めると、これまで赤字だった企業が黒字化したり、売上や利益が大幅に増加したりします。企業業績が改善して、それに伴って株価が上昇するのが業績相場です。

企業業績が回復すると、中央銀行はそれまで行っていた金融緩和の縮小を考える段階に移ります。いわゆるテーパリングと呼ばれるものです。この段階では、中央銀行の姿勢の変化に伴い、相場が不安定になりやすくなります。

金融相場ではバイオ銘柄などの赤字企業でも株価が上昇しますが、業績相場では銘柄の選別が行われ、好業績の裏付けのあるファンダメンタルズがしっかりした銘柄が買われる傾向が強くなります。つまり、株価が上がる銘柄と上がらない銘柄の二極化が起こります。

金利上昇によりブレーキがかかる「逆金融相場」

そして次に来るのが逆金融相場です。このころには、企業業績のピーク、景気のピークを迎えます。景気が過熱し、物価の上昇、インフレが起きたりします。2022年10月時点で、欧米の高いインフレ率が問題になっていますが、逆金融相場の段階になっていることを意味します。

中央銀行は景気の過熱を抑えるため、場合によっては行き過ぎたインフレを抑え込むために金融の引き締めに動きます。政策金利の引き上げを行うのです。金利が上昇すると、借入をしている企業の金利負担が増えます。

たとえば、不動産開発をしている企業は自己資本比率が非常に低く、銀行などから多くの借り入れをしています。それまでは金利が低かったので、自己資本を超える借り入れをして、レバレッジを効かせて不動産開発をし、完成した不動産を売却してビジネスをしていたのです。金利が上昇すると、借入金に対する利払い負担が増えるため、事業活動にブレーキがかかってきます。工場の建設などの設備投資も減ることになります。

借入金比率の高い企業は金利負担が増え、以前と比べて業績にマイナスの影響が出てきます。その意味で、逆金融相場では借入金が少ない健全なバランスシートを持っている企業が注目されやすくなります。一般的にはバリュー株優位といえます。

また、我々のような消費者の立場で見ると、住宅ローン金利や自動車ローン金利が上がることにより、住宅や自動車が買いにくくなるということも起こります。消費活動にもブレーキがかかるのです。

金利が上昇すると、国債の金利も上昇します。国債は満期まで保有すればリスクがありません。いわゆるリスクフリーレートが上がると、株式市場でリスクをとって運用するよりも「国債で安全に運用したほうがよいのではないか」と考える人が増えて、株式市場から徐々に資金が流出します。その結果、株式市場全体に下げ圧力がかかることになります。アメリカのFRBが過去に金融引き締めを実施した時期を見ると、代表的な株価指数であるS&P500は10%弱ほど下落しています。これは、個別銘柄にとっても株価が大きく下落するリスクがあることを意味していますので、株式投資家にとっては要注意となる局面です。

中小型株崩壊、大型株優位の「逆業績相場」

金融引き締めの結果、企業活動や消費活動にブレーキがかかると、企業業績が悪化してきます。増収しても減益に陥ったり、減収減益の決算が目立つようになったりします。なかには債務超過になったり、信用不安に陥る企業も出てきます。これが「逆業績相場」です。リーマン・ショック直後の2008年~2009年の状態を思い出すとイメージしやすいでしょう。

企業によっては構造改革の実施に追い込まれ、人員整理などのリストラが必要になります。企業の倒産や大量解雇など、どこを見回しても暗い話ばかりが目立つようになります。そして、そのような状況を見て、中央銀行は金融緩和の検討を始めます。経済を下支えするため、金利の引き下げを検討するのです。

企業のファンダメンタルズは壊滅的な状態になっていますから、株式市場からは資金の流出が続きます。とくにリスクの高い中小型株から、投資家は資金を引き揚げる傾向があります。日本でも2006年1月のライブドア・ショックを機に中小型株の株価が崩壊しました。その後の3年間で、中小型の成長株で構成される東証マザーズ指数はマイナス90%を記録しました。まさに一面焼け野原の状態となりました。この時期は相対的に中小型株よりも大型株が優位になります。

株式市場に残った一部のリスクマネーは、大型株中心になります。

企業業績は非常に悪い状態で、株式市場には資金が入ってこないので、株価が上がらない状態が続きます。日本では2009年からアベノミクスが始まる2012年までがこの状態にありました。

新高値ブレイク投資法を実践する上で必要なこと

そして、中央銀行が金融緩和に着手すると、再び金融相場がやってきます。2012年11月に始まったアベノミクスや2020年2~3月のコロナ・ショックの後が、典型的な金融相場です。

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新高値ブレイク投資法を実践する上では、相場が上記の4つの局面のどこにあっても、すべきことは変わりません。新高値を更新した銘柄をチェックして、ファンダメンタルズに大きな変化が起きていて、株価上昇が期待できる銘柄をリスクリワードで優位となるポイントで買いに行きます。適切なリスク管理を行いながら、これを愚直に繰り返します。

ただ、新高値銘柄の数は相場サイクルによって異なります。新高値をブレイクする銘柄が多いのは、株式相場全体が上昇する金融相場と業績相場です。追い風が吹くこの2つの局面では、相対的に利益が狙いやすいといえます。

一方、逆金融相場は市場全体の下落局面になりますが、その中でも株価が下がらない銘柄はあります。かなり強いファンダメンタルズを備えている銘柄です。多くの銘柄が下がる中で逆行高になっている銘柄は、市場の中で目立ちやすく探しやすいというメリットがあります。

また、金融相場、業績相場では株価が上がる銘柄が多くなりますので、ポジションを多めに持ちやすい時期といえます。反対に逆金融相場、逆業績相場では、株価が下がる銘柄が多く、上昇する株は少ないため、難易度が上がります。概して、保有するポジションは少なめにしてリスクを抑えたほうがいいでしょう。

(編集部注:本記事は特定の株式の購入を推奨するものではありません。株式投資は、さまざまなリスクを正しく認識したうえで、ご自身の判断と責任に基づいて行なってください)

(DUKE。:個人投資家)

DUKE。

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