宇宙を捉える巨大カメラのイメージセンサー、32億画素の画像を撮る

宇宙を捉える巨大カメラのイメージセンサー、32億画素の画像を撮る

  • ギズモード・ジャパン
  • 更新日:2020/09/14
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Image: Jacqueline Orrell/SLAC National Accelerator Laboratory|32億画素のカメラの焦点面が完成

アメリカのSLAC国立加速器研究所が世界初となる32億画素の写真撮影に成功しました。これは超巨大なデジタルカメラのイメージセンサー完成を受けてのテスト撮影で、カメラは組み立てられた後にチリにあるベラ・ルービン天文台に設置される予定です。まだ装置はデモ段階ですが、とてつもないポテンシャルを早い段階で示すこととなりました。

32億画素もの写真と言われても想像しがたいのですが、SLACのプレスリリースによると等倍で表示するには4K ウルトラHDテレビが378台も必要になるそうで…。

そんな圧倒的スケールの技術が天文学に活用されるわけで、カメラは完成すればSUVほどの大きさになるとか。それが設置されるベラ・ルービン天文台は現在、建設中です。

世界最大のタイプラプス動画が撮れる!

天文台が完成して稼働するようになれば(うまくいけば来年か再来年にも)、世界初の32億画素のカメラが10年間にわたって数日おきに南天全体のパノラマ写真を撮っていくことになるでしょう。これは、何十億もの星と銀河の動きを記録していく時空間レガシーサーベイ(LSST)というプロジェクトとして知られており、“世界最大の天文学的なタイムラプス映画”ができあがることにもなります。ベラ・ルービン天文台では宇宙の形成、ダークマターに暗黒エネルギーの研究が行なわれます。

テスト撮影の結果はこちら

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イメージセンサーが捉えたロマネスコImage: SLAC

そんなカメラの「目」の役割を果たす焦点面が完成したので、研究所のチームがテスト撮影をすることに(画像はコチラ)。カメラの組み立て自体がまだですから、同チームは被写体を焦点面に映し出すため、150ミクロンのピンホールを使いました。SLACの研究員らは、つぼみ部分がフラクタル形状になっているロマネスコなどあらゆる被写体を撮影。焦点面をきちんと機能させるにはクライオスタットで華氏-150度まで冷却する必要がありました。

24km先のゴルフボールも解像できる

焦点面は幅0.6m超で、1600万画素のCCDセンサー189個から構成されています。集光する画素幅は10ミクロンと極小ですが、一般的なスマホのカメラの画素より10倍大きいとか(ちなみに人間の髪の太さは50ミクロン)。また焦点面は非常に平たく、高低差を人間の髪の太さの10分の1以下に留めているおかげで、画像は非常にくっきりと鮮明になります。CCDセンサー9個を四角形にまとめたものはラフトと呼ばれ、焦点面にはラフト21個と構造上の用途に使われる特殊なラフト4個が取り付けられました。ラフトは1つあたり300万ドルかかるうえ非常に壊れやすいので、6カ月に及ぶ慎重な作業を要しました。

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一度に満月40個分ほどの範囲を撮影でき、24km先のゴルフボールが見えるほど高い解像度Image: Greg Stewart/SLAC National Accelerator Laboratory

32億画素とあって、24km先のゴルフボールを解像でき、一度に撮影できる範囲は満月40個が入るほどとまさに驚異的なスペックを誇ります。肉眼で見るよりも1億倍暗い被写体の観測が可能になりますが、それは数千マイル先からロウソクを見るようなものです。

年内にカメラのレンズ、シャッター、フィルター交換システムが追加される予定。テストが完了したら、早くて2021年中頃にはルービン天文台のあるチリに輸送&設置されます。すべてが順調に進めばLSSTプロジェクトは2022年に開始されて2032年まで続く予定です。

Source:SLAC,LSST,symmetry,

たもり

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