「国際化」へ進む神戸空港 悲願成就の神戸市 “関空ファースト”の大阪府 熱い期待を寄せる航空業界 それぞれの思惑は

「国際化」へ進む神戸空港 悲願成就の神戸市 “関空ファースト”の大阪府 熱い期待を寄せる航空業界 それぞれの思惑は

  • カンテレNEWS
  • 更新日:2022/09/23
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【動画で見る】神戸空港に「国際線」就航へ 神戸市の悲願も…インバウンド需要どこまで?

2030年をめどに、国際便を就航させることが決まった神戸空港。どんな空港に生まれ変わるのでしょうか。

【神戸市 久元喜造市長】

「神戸空港の利活用・国際化は長年の悲願でしたから、神戸空港は新たな段階に入っていく道筋が付けられた」

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9月18日に行われた、関西、伊丹、神戸空港の地元自治体と経済界の懇談会。インバウンド客が増え続け、関西空港の処理能力を超えるとして、神戸空港の国際化で合意しました。万博開催の2025年までに国際チャーター便を受け入れ、2030年をめどに国際定期便を就航させます。

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では、神戸空港とはどんな場所なんでしょうか。記者たちが現地を取材しました。

【記者リポート】

「見えてきたのが神戸空港です。滑走路は1本で比較的短めですが、土地にはまだ余裕があって、国際線のターミナルも設置できそうです」

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神戸空港の滑走路は、関西空港より短い2500メートル。大型ジェット機も発着できますが、燃料をたくさん積む長距離の国際線が離陸するには短すぎます。

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市街地からは近く、新交通システム「ポートライナー」で三宮から18分です。

【記者リポート】

「三宮と空港を結ぶポートライナーの駅はそぐそこです。降りてまいりまして、お土産屋さんでお土産を買ったりなんかして、搭乗手続きを済ませて、そしてすぐそこがもう保安検査場になります。このように大変シンプルでコンパクトな空港になっています」

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【空港利用者(埼玉県民)】

「子供がいると歩き回ったり探したりするのすごく大変なんで。関西空港とか大きいところは…」

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子連れ客には好評なコンパクトさですが、さすがに狭いので、ターミナルは新たに建設。運営会社の関西エアポートが中心となって整備し、航空会社からの空港使用料、テナントからの賃料で賄います。

駐機場など飛行場としての設備には、国や神戸市などの公費が使われます。

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また、ポートライナーは混雑がひどい時間帯があり、神戸市は交通アクセスの改善も考える必要があります。

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では、神戸空港からどんな国に行きたいですか?空港利用者に聞きました。

【空港利用者(神戸市民)】

「ドバイとか。高級ホテルに住んでみたい」

【空港利用者(芦屋市民)】

「ベタにハワイとか、そういう観光できるところがいい」

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観光に行く人だけでなく、来る人も増えることに期待の声が高まる場所が。世界に名高い「神戸ビーフ」のお店も、空港の国際化で観光客の神戸での滞在時間が長くなると期待します。

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【モーリヤ 野谷建之さん】

「午前中に姫路城に行かれて、帰りに神戸で神戸ビーフを召し上がって、夜は大阪に帰る方がルート的には多かったですね。飲食業と宿泊施設が盛り上がって、神戸を盛り上げていけるといいなあと思いますね」

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【モーリヤの客(ドイツから帰国した歌手)】

「明日コンサートがあるんですよ。羽田空港で来ました。関空は知ってますけど、神戸空港は知らなかった」

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海外の航空会社に勤めた経験のある神戸国際大学の中村智彦教授は、航空会社から「なぜ神戸から国際線を飛ばさないのか」とよく聞かれたと話します。

【神戸国際大学 中村智彦教授】

「ビジネス客というのが一番もうかるんですね。中国・韓国あるいは台湾、この辺で商売をやっている方、住んでいる方がやはり神戸周辺に多いと。今のビジネスは非常にスピードを重視するところがある。すぐ乗ってすぐ飛んで行って仕事ができる、あるいは向こうからも飛んできて仕事ができる、というようなものが欲しいと」

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神戸空港には隠れた需要がありそうですが、関西空港の地元からはこんな意見も…。

【泉佐野市 千代松大耕市長】

「神戸空港の国際化には大反対です。路線が神戸に移る可能性が十分に考えられますので、関空の需要は阻害されるであろうと考えます」

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【大阪府 吉村洋文知事】

「大阪府としても当然『関空ファースト』です。神戸空港は補完的に活用した方がいいと。そして関空の容量を拡張しても、まだあふれることがあれば、神戸空港を活用する」

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神戸空港を「関西空港の補完」にとどめ、関空や周辺の成長を促したい大阪府。一方で、都市型国際空港の誕生に熱い視線を向ける航空業界。関西経済の発展に向けて、3つある空港の生かし方が問われています。

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神戸空港と関西空港では「共食い」を防ぐため、すみ分けが重要になってきます。神戸国際大学の中村教授は、こういったすみ分けを提案しています。

【神戸空港】滑走路が短く、都市部から近い

・国際線は近距離のフルサービスキャリアが最適

・着陸料(運賃)が高くても、ビジネス客であれば大丈夫

【関西空港】滑走路が長く、都市部からは遠い

・中、長距離便に集中

・着陸料が安いため、近距離のLCC(格安航空会社)も

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また、神戸空港は無尽蔵に便を増やしていこうという話ではなく、「前提」があります。関西空港の年間利用者は、コロナ禍前の2018年は2200万人でした。関西エアポート試算の最大値では、2030年には4200万人の利用が見込まれています。関西空港で処理できるのは2025年時点で3000万人なので、処理できない分を神戸空港が補完するということで、関西3空港懇談会は合意しました。

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しかし、神戸空港の国際化には税金を投入するので、試算通り「インバウンドが戻ってコロナ禍前よりも利用者が増える」という前提に、慎重にならざるを得ない面もあります。神戸空港の国際化には、まだ課題もありそうです。

(関西テレビ「報道ランナー」2022年9月22日放送)

関西テレビ

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