ハリウッドザコシショウ「あらびき団に出ているだけでは売れないと思っていた」

ハリウッドザコシショウ「あらびき団に出ているだけでは売れないと思っていた」

  • 日刊サイゾー
  • 更新日:2022/08/07
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『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』(Amazonプライムビデオ)で3度の優勝を果たした絶対王者、ハリウッドザコシショウ。「何でもアリ」のお笑いで無類の強さを誇っている。

YouTubeには4000本以上の動画を投稿し、ブレーク前から行っている単独ライブは今回で13回を数える。今、ザコシが一番やりたいことをやれているコンテンツは一体なんなのだろう。「ハンマーカンマー」や『ドキュメンタル』の「サブリミナル」など、持ち前のネタについてどっぷり語ってもらった。

ストレスが笑いに変わる瞬間

ーーー初歩的な質問で申し訳ないのですが、なんとお呼びすればよいのでしょう。

ハリウッドザコシショウ(以下、ザコシ) なんでもいいですよ。ザコシでもザコシショウでもシショウでも。特にこだわりはないです。

ーーー読み方の区切りとしてはハリウッドザ、コシショウ?

ザコシ それは坂上忍さんの呼び方ですね。「ザ」で区切るのだけは嫌です(笑)。

ーーー失礼しました。

ザコシ コンビ時代(G★MENS)はザコシショウ名義で活動していて、解散をきっかけに改名したんですよ。ハリウッドというのは、ハリウッド・ハルク・ホーガン(WWEで殿堂入りしたアメリカ人プロレスラー)から取ってます。G★MENSはどちらかというと、ベビーフェイス(プロレス用語、善玉)だったんですけど、ピンになったことでヒールになろうと決めたわけです。ホーガンもベビーフェイスから突然「ハリウッド」をつけてヒールに生まれ変わり、nWo(ニューワールドオーダー)を結成しましたから。僕もホーガンも白から黒を基調とした衣装に変えています。イメチェンですね。

ーーお笑いでいうヒールとはどういうことでしょう。

ザコシ お客さんにストレスを与えてやろうと思ったんですよ(笑)。出てきて奇声を上げてみたり、暴れてみたり。もちろん笑いに来ているお客さんは、ストレスなんて求めてないですけどね。

ーー確かに「ハンマーカンマー」もちょっとイラっとするというか、そのストレスが心地よくて笑えてくる気がします。

ザコシ 昔、電気グルーヴさんのイベントの前座で「ハンマーカンマーだけを30分やってくれ」って頼まれたんです。最初はウケたんですが、ドンドン反応が薄くなって次第に「早く電気グルーヴ出せ!」ってお客さんの心の声が聞こえてくるわけです。「これどうすんだ」って思いながらやり続けてたら、15分過ぎくらいから不思議とまたウケ出してくるんです。あまりにもしつこすぎて。

ーーストレスが笑いに変わった瞬間な感じがしますね(笑)。

ザコシ お笑いと音楽って共通することが多いんですよね。同じネタでもツッコミやボケるテンポがズレると全然ウケなくなります。小峠(バイきんぐ、小峠英二)の「なんて日だ!?」はどんな状況でも絶対に、ズレないですからね。売れてる芸人はそのリズム感を持っていて、その中でもすごい人はパターンをたくさん持っている。例えば、僕はテクノが好きだし、小峠はパンクが好き。音楽的センスみたいなのは必要だと思っています。

ーー『ドキュメンタル』で話題になった、映像ネタ「サブリミナル」もテクノっぽいですよね。

ザコシ あれは感覚的な部分が大きいですけどね。「来るぞ!」と思わせてあえてズラしたり、急にテンポ落としたり……。単独ライブの幕間映像で毎回新作を作ってるんですけど、その度に完成度が違います。今年夏の単独ライブツアーだと、東京の二日目が個人的には気に入ってます。

ーーザコシさんは『ドキュメンタル』で3度優勝を果たしています。独自の戦略はあるのでしょうか。

ザコシ 芸人たちは、自分らが普段テレビでやってることを見せても笑わないんですよ。常軌を逸しないと。普通にモノマネとかもやりますけど、ジャブのつもりなので笑わせる気はないです。まず、テレビでやってるような普通の笑いをして土台を作って、そこからそれを上回る。もしくは大きく下回る。下回っても「何してんねんコイツ」で笑いますから。その微妙な空気の読み合いが大事ですね。あとは元も子もないですけど、顔のゼロ距離でなんかやれば、人は笑います。

ーーたしかに、ゼロ距離でやってるイメージがあります。

ザコシ 『ドキュメンタル』はスベるとかスベらないとか関係ないんで、やったもん勝ちですね。人がボケてる時に潰すのはお笑いのマナーとして良くないので、それ以外はなんでもアリです。だけど実は、更衣室のモニターが小さくて音も聞き取りづらいんですよ。何回か人のボケを潰しちゃってますね(笑)。申し訳ないです。

ーー『ドキュメンタル』は「何でもあり」が売りですが、昨今のテレビは、コンプライアンスでやれることがかなり狭くなったように感じます。

ザコシ けっこうダメになりましたよね。チ○チンは作り物でもダメなんですよ。だから攻めたことをやるときは事前に、スタッフさんに「やってもいいか」ということをしっかり確認して、その上でしっかりカットされていますから。

ーーテレビは厳しいですね。

ザコシ まぁネットも変わらないですけどね。『ドキュメンタル』だって“お蔵入”になったこともあるし、本当に何でもアリってわけではないです。逆にテレビだって攻めている番組はありますよ。『水曜日のダウンタウン』(TBS系、2月9日放送)で僕が出た巨大な風船に入って雪山を転げ落ちる「風船太郎レース」は、かなり戦ってますよね。昔のテレビみたいでした。あとは『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)も攻めていると思います。

ーー今、ザコシさんが思う一番やりたいことをやれているのは、YouTube(ザコシの動画でポン!)ですか?

ザコシ 2020年の暮れぐらいに、動画を撮るための地下スタジオ付きの家を買ったんですよ。ただ、YouTubeがサービスを開始する前からアメブロに動画を乗っけていました。10年以上毎日投稿しているので、動画の数は4000を軽く超えていると思います。再生回数は気にしないで、本当にただの趣味って感じでやりたいことを勝手にやっています。

とはいえ、YouTubeも最近はドンドン規制が厳しくなってテレビ化してきてますよ。昔は何でもアリだったけど、今は乳首もダメですから。僕は出してますけど(笑)。今一番やりたいことを本気でやれているっ場所て言ったらやっぱり、単独ライブですね。

ーーやっぱり“記録に残らない”ライブが一番自由なんですね。

ザコシ そりゃそうですよ。生なんで何が起きるかわからないですから。とはいえ、昔ほど自由でもなくなってしまっているかもしれない。一回ね、とある商品を買ってくれた人だけを招待するライブがあったんですよ。そんなの、自分のことをわかってくれてるファンしか来ないと思うじゃないですか? なのでちょっと過激なこと言ったらいきなり「そんなこと言ったらダメだろ!」って怒られて……。

でもヤバいファンも多いんですよ。最近も電車に乗っていたら明らかにこっちをチラチラ見てる人がいたんです。電車を降りたらわざわざ僕の後からついてきて、エスカレーターでチョンチョンって肩を叩かれた。むかついたんで適当に対応してやりましたよ。

ーーさて現在、単独ライブで全国ツアー真っ最中ですが、東京公演初日の副題が「焼肉ザコシの劇場版バアサンシュー」って何か意味あるんですか?

ザコシ 近い後輩でだーりんずの松本りんすってのがいるんです。こいつが本当に痛い男でして、酔っ払ったら先輩の僕に「マニアックなことばっかやってるな。どうやって売れてくつもりや?」とか絡んでくるんですよ。キツいでしょ? プライドも高くて、本当は月収3700円だったのに4400円だってサバ読んでくる。700円で何が変わんねん。

そのりんすって男がファンの女性から「りんすさん、今度焼き肉行きませんか?」ってDMをもらったんです。それでりんすは「ええやんええやん、焼肉食えるやん!」ってついていきやがった。ファンとの関係をなぁなぁでやってるからあいつはダメなんです。一生イジってやろうと思って「焼肉ザコシの劇場版バアサンシュー」って副題をつけました。

売れるってこんな単純なことだったんだ

ーーだーりんずさんは『キングオブコント』で2回も、ファイナリストになっている実力者というイメージがあります。それでも厳しい世界なんですね。

ザコシ 「売れるって難しい」ってずっと思っていたんですけど、売れてしまえば「こんな単純なことだったのか」って思います。もちろん“わかってしまえば”ですけどね。錦鯉もそうです。色々な人の意見を聞いて迷っているうちはダメだったけど、でも「自分を貫いた方がいいぞ」ってアドバイスしたら、一気に突き抜けました。やりたいことをやらないと、体重が乗らないんですよ。自分で何が面白いのか説明ができないとダメだと思います。

僕は『あらびき団』(TBS系)でテレビに出始めましたけど、『あらびき団』に出ているだけじゃ売れないと思っていました。あの番組って、東野幸治さんと藤井隆さんがどんなに荒いネタでもイジってくれて、笑いになるじゃないですか? 今で言うと『有田ジェネレーション』(TBS系)がそうですよね。有田さん(くりぃむしちゅー、有田哲平)と小峠がネタに茶々を入れるから面白い。でもそれをわかってない奴らが、その笑いが全部自分だけの実力と勘違いして、番組のまんまよそに行くと大スベりします。

結局、自分たちで完結していないとダメなんです。だーりんずはタイプは違いますけど、自分たちがどう見えているのかわかった上で立ち回らないといけない。だからファンの女性と焼肉行ってる場合じゃないんですよ。

ーーそんなザコシさんが思う、これからブレークする芸人は誰でしょうか?

ザコシ う~ん、一応だーりんずって言っておきます。一応ね(笑)。

ハリウッドザコシショウ
1974年生まれ。静岡県出身。1992年に大阪NSCに11期生として入学し「G★MENS」として活動。同期は陣内智則、中川家、ケンドーコバヤシなど。2002年にコンビ解散、ピン芸人として活動を始める。「R-1ぐらんぷり2016」優勝。また「ドキュメンタル」(アマゾンプライム)では史上初のV3も達成。2022年4月から始まった自身初の地上波冠番組『凪咲とザコシ』ではNMB48・渋谷凪咲とともにMCを務める。

『ハリウッドザコシショウのミニ単独ライブシリーズ SEASON 13』

ツアーしょんべん-6
「説教ザコシの劇場版ションベンストーリー珍棒尿道小便」
2022年9月19日(月・祝)14:30開場/15:30開演
チケット料金:5,500円(税込・特典つき・全席指定)
※未就学児童入場不可、当日券発売なし
チケット一般発売日:2022年8月6日(土)午前10:00より発売開始
【配信視聴チケット概要】
チケット料金:2,500円(税込)
配信チケット発売期間:2022年7月22日(金)12:00~9月26日(月)23:59
アーカイブ期間:9月19日(月・祝)公演終了後~9月26日(月)23:59

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