「政変」で激変! 週刊ダイヤモンドは「東証再編」、東洋経済「株の道場」 エコノミストは「マンション管理」

「政変」で激変! 週刊ダイヤモンドは「東証再編」、東洋経済「株の道場」 エコノミストは「マンション管理」

  • J-CASTニュース
  • 更新日:2021/09/15

「週刊東洋経済」「週刊ダイヤモンド」「週刊エコノミスト」、毎週月曜日発売のビジネス誌3誌の特集には、ビジネスパースンがフォローしたい記事が詰まっている。そのエッセンスをまとめた「ビジネス誌読み比べ」をお届けする。

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9月13日発売の「週刊ダイヤモンド」(2021年9月18日号)は、巻頭に「株式市場に激震 菅政権崩壊 自民党動乱」という緊急特集を組んでいる。河野太郎ワクチン担当相、岸田文雄前政調会長らのうち、いったい誰が自民党総裁選を勝ち抜くのか。株価にも直結する大混戦の行方と候補者の景気対策・経済政策を検証している。

東証1部上場の664社に迫る大淘汰

政治コラムニストの後藤謙次氏は「河野・石破の『薩長同盟』成立なら9年続く『安倍・麻生体制』終焉へ」と見ている。事実上は河野氏と岸田氏の一騎打ちとなり、「石破が引けば、一発目で、党員票をバーッと取って河野に決まる可能性がある」という閣僚経験者の声を披露している。

岸田氏は同誌の単独インタビューに応じ、「分配を強化し、アベノミクスを進化させる」という「所得倍増計画」について語っている。コロナ経済対策は30兆円規模で、2%インフレ目標は維持するとしている。

野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏は、構造改革の是非で立候補者は二分される、と見ている。安倍、菅政権の下で構造改革は進展せず、構造改革の推進で最も積極的なのは河野氏だという。そして、「首相交代を契機に、日本経済が抱える最大の課題である低い生産性を解消するような構造改革が、コロナ対策と一体的に推進されることが望まれる」と期待を語っている。

また、JPモルガン証券チーフ株式ストラテジストの阪上亮太氏は、「誰が新総裁でも、政局のほかに日本株に好影響を与える3つの追い風がある」と分析している。その3つとは(1)FRB(米連邦準備制度理事会)によるテーパリング(量的緩和縮小)開始をにらんだ米国の長期金利の上昇(2)緊急事態宣言明け後の国内経済再開期待の高まり(3)コロナ治療薬を巡るニュースフローの増加による一段の経済正常化期待という要因だ。

さて、本来の第1特集を見てみよう。「東証再編 1部上場664社に迫る大淘汰」というおどろおどろしいタイトルが付いている。2022年4月4日、東京証券取引所の1部、2部、マザーズ、JASDAQから成る市場体制が廃止され、「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編される。

新たに最上位市場となるプライムの基準に満たない1部上場企業は7月9日時点で664社にのぼるという。淘汰される企業と生き残る企業はどこか。さまざまな角度から再編劇を追っている。

三菱重工業が、東証1部に上場する子会社について上場廃止の検討を進めていることや近鉄グループホールディングス(HD)と近鉄百貨店の親子上場問題の行方、日本郵政とゆうちょ銀行の自立協議問題などを取り上げている。

流通時価総額100億円未満の企業は門前払いとなる。同誌が独自試算で転落間際の300社を判定。ワーストランキングを実名で掲載している。誰もが知る有名企業の名前が多数並んでおり、行方が注目される。

しかし、プライム落ちで何が悪い? 「スタンダードで十分」という企業も少なくないという。「安定株主であり、会社のアイデンティティーそのものである創業家の存在を、プライム落ち回避のために、ないがしろにしたくない」「資金調達なら、今は銀行借り入れのほうがコストが安い」などの声を紹介している。

プライム落ちする企業が出る一方で、現在の下位市場の中から、プライムに鳴り物入りで昇格する企業も出る。期待度の高い企業69社を取り上げている。1位は18年6月にマザーズに上場したフリーマーケットアプリ最大手のメルカリだ。同誌の試算では時価総額は8000億円超となる。2位は、日本マクドナルドホールディングス(HD)。01年7月の上場以来、長らくJASDAQ上場を維持してきたが、プライムに昇格する実力は十分だと見ている。今後の株式投資の参考になりそうだ。

「四季報」は秋号を読め!

株と言えば、「週刊東洋経済」(2021年9月18日号)が「サプライズと配当成長株で勝つ 株の道場 成長先取り編」と題した特集を組んでいる。菅義偉首相の退陣決定を受けて、TOPIX(東証株価指数)が31年ぶりの高値へ急騰した。日本企業の成長を先取りし、株価上昇を享受する方法を伝授している。

年4回発行される「会社四季報」の中で、最も投資に役立つ情報が載っているのが「秋号」だという。元編集長の山本隆行氏がその活用法を書いている。なぜ「秋号」が情報の宝庫なのか?

それは株価に織り込まれていない、上方修正予備軍を見つけられるからだという。第1四半期(4~6月)に通期の利益計画を上方修正した企業は第2四半期でも上方修正してくることが多いという。2006年以降のデータを調べたところ、その確率は49%だった。

株価に最もインパクトのあるイベントは上方修正だ。決算発表よりも株価が動く。山本氏はこう説明する。

「第1四半期で上方修正した企業の株価は大きく上昇する。が、買いが一巡すると利益確定売りに押されて下がるか上昇一服となることが多い。そこが格好の拾い場だ」

5割の確率で第2四半期での上方修正による株価上昇を享受できる。要は上方修正する前に仕込めばいいのだという。第1四半期決算発表後に発行されるのが「四季報秋号」だから、「秋号」が情報の宝庫となるわけだ。日本郵船、任天堂、不二家の例で説明している。

政局関連では、石破茂・自民党元幹事長のインタビューに注目した。こんな発言をしている。

「マスク不足が象徴しているように、経済において商品価値を高めることのみをよしとし続ければ、国民の生存や幸福に必要な公共財はどんどん欠乏していく。結局、新型コロナでいちばん被害を受けたのは一般国民だ」

「コロナはお金持ちをもっとお金持ちにしただけだった。それを踏まえればGDP(国内総生産)よりも、国民一人ひとりの幸せが実現されているかのほうが大事かもしれないと、考えを進めつつある」

ベストセラーになった斎藤幸平氏の「人新世の『資本論』」から影響を受けたと語り、資本主義の問題を挙げ、コモン(公共財)に着目した変革を考えていきたい、としている。

インタビュー時点では、出馬について明確に語っていないが、14日に不出馬の方向が明らかになった。河野・石破連合ともささやかれており、安倍・菅路線とは異なる経済政策が打ち出される可能性がある。

政局から目が離せない日が続きそうだ。

マンション管理が変わる!

「週刊エコノミスト」(2021年9月21・28日合併号)も「菅首相退陣の後始末」という緊急特集を掲載している。「危機管理の失態重ねた末 命を軽視する総裁選の狂騒」「経済政策 コロナ対策で後手に 未執行予算は30兆円」と厳しい内容だ。

特集は「変わる! マンション管理」。管理を評価する新制度が来春始まり、資産価値を左右すると警告している。滋賀県野洲市では廃墟マンションが公費で解体されたが、7割の7900万円が未回収となったケースを紹介している。

管理計画認定制度を自治体がチェックし、不全なら「勧告」することや管理状況を点数化して、「S」から「D」まで5段階にランク付けするなどが骨子。改正建て替え円滑化法により、容積率の緩和特例で非バリアフリーも対象になる。

中古市場が活況となっていることもリポートしている。昨年4~5月、コロナ禍の緊急事態宣言中は取引がストップし、成約数は前年の40~50%に落ち込んだ。「ついにバブル崩壊か」と騒がれたが、投げ売りは起きなかったという。

昨年6月からは市場は通常モードに戻り、好立地の物件に需要が集中。東京オリンピックの選手村に使われた「晴海フラッグ」で、11月から販売が再開され、先行きが注目されているという。

さくら事務所会長の長嶋修氏は「在宅勤務(リモートワーク)の普及で郊外に人が移動するといった予想も大外れとなった」と説明している。

通勤以外に、人が生活していく上で必要な生活利便施設は都心近くにあり、かつ駅の近くにあるという。居住快適性を多少我慢しても、「都心からの距離」と「駅からの距離」を求めるようになっているそうだ。

築10年主要駅別リセールバリューランキング(データ提供:東京カンテイ)では、首都圏トップは「代官山」駅近の物件だった。

人気の物件に変わりはないが、管理制度は大きく変わろうとしている。マンション居住者には気になる特集だ。(渡辺淳悦)

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