原油高、年末商戦の業者直撃 クリスマスケーキ値上げ、おせちに影響

原油高、年末商戦の業者直撃 クリスマスケーキ値上げ、おせちに影響

  • 朝日新聞デジタル
  • 更新日:2021/11/25
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"数の子やイクラなどが店頭に並ぶ東京・築地の魚卵専門店「田所食品」。代表の田所悟さん(奥中央)は、原油高騰の影響を懸念する=2021年11月24日、東京都中央区築地4丁目、山口啓太撮影"

原油価格の高騰が長期化し、年末商戦を控えるクリスマスケーキなどの値段に影響が出ている。政府は石油の国家備蓄の放出を決めたが、どれぐらい価格を下げる効果があるのかは見通せない。新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けてきた生産者らは淡い期待を抱きつつ、不安をぬぐえないでいる。

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「ずっと我慢してきたけれど、もう限界。値上げは苦渋の決断」

■ケーキ用のイチゴ、灯油高で値上げ

2010年に創業した東京都荒川区のケーキ店「パティスリー ウールーグー」のオーナーシェフパティシエ桜庭清剛さん(42)は悔しさをにじませた。

小麦粉などの食材費は、2、3年前から天候不順などを理由に、上昇傾向にあった。さらに夏の終わりごろから、食材費が一斉に上がり始めた。コロナの感染状況が落ち着いて経済が回復し始め、原油の供給が追いつかなくなったことが要因だった。

クリスマスケーキに使うイチゴも、シーズンを前に1パックあたり数十円値上がりした。仕入れ先のフルーツ店側からは、ビニールハウスの暖房に必要な灯油の値上がりが原因だと聞いた。コロナ禍前に比べると、海外からの輸送費がかかる小麦やナッツ、油類の価格も1割ほど高い。

10月からケーキや焼き菓子など全商品の約8割で10~20円程度値上げしたが、高騰の長期化で、クリスマス用のホールケーキも100~300円値上げせざるを得なくなった。

政府の備蓄放出に期待感はあるが、桜庭さんは「効果が出るまでは時間がかかると思う。不安はぬぐえない」と話す。

■数の子・イクラ販売店「苦しい」

お歳暮やおせち需要でかき入れ時の店も戸惑う。

アラスカ産の数の子や北海道産のイクラが並ぶ東京・築地の魚卵専門店「田所食品」。代表の田所悟さん(56)は「本当は値上げしたいくらい苦しい。でもお客さんの顔を見ると、やっぱりできなくてね」と複雑な心境を明かす。

海水温の上昇などによる近年の不漁に加え、コロナの影響で仕入れ先の加工工場が相次いで操業を停止。数の子やイクラの仕入れ量は、通常の2~3割ほどに落ち込んだ。

さらに原油価格の高騰で包装に使うプラスチックやビニールの価格が約1割上がり、追い打ちをかけた。

過去には、原油価格の高騰で輸送費が上がり、1キロ5千円の仕入れ値が、数百円単位で値上がりしたこともあった。田所さんは「備蓄放出もその場しのぎ感があるし、先が見えない怖さがある」と話す。

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