岸田首相は18日、ドイツのショルツ首相と首相公邸で会談した。その後、両首脳と関係閣僚が参加する「政府間協議」の初会合を首相官邸で開き、中国への対抗を念頭に、半導体などのサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化を含めた経済安全保障分野で協力を強化していくことなどを確認した共同声明を出した。

共同記者会見を終えて握手する岸田首相(右)とショルツ独首相(18日午後、首相官邸で)=古厩正樹撮影
首脳会談では、5月に広島市で開かれる先進7か国首脳会議(G7サミット)に向けた連携を強化していくことで一致したほか、ロシアによるウクライナ侵略を巡り、強力な対露制裁と、ウクライナ支援を継続することの重要性を再確認した。両首脳はロシアがウクライナを核で威嚇していることについて、「断じて受け入れられず、使用はあってはならない」との認識を共有した。
両国の外務、財務、防衛担当などの閣僚も参加した政府間協議では、中国を念頭に、経済的威圧や、国家主導の不正な技術獲得の動きに対抗するために協力していくことなどで一致した。
政府間協議は、ドイツが戦略的に重視する国々と様々な課題を議論する枠組みで、これまでにフランスや中国など十数か国と実施している。日本との協議は、昨年4月の日独首脳会談でショルツ氏が提案していた。
岸田首相は共同記者会見で、「自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向け、日独両国は連携と協力をこれまで以上に強化することが求められている」と強調した。