アモーレの反乱:「僕の金が必要なくなったのか?」年下妻に捨てられ、夫の本音が爆発

アモーレの反乱:「僕の金が必要なくなったのか?」年下妻に捨てられ、夫の本音が爆発

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  • 更新日:2017/11/18

港区在住。遊びつくした男が、40歳で結婚を決意。

誰もが羨むリッチで幸せな結婚生活を送り、夫婦関係もうまくいっていたはず…だったのに。

4年後妻が、何の前触れもなく離婚を切り出す。それも、思いもよらぬ「離婚条件」を提示して。

世間を知り尽くして結婚した男と、世間を知らずに結婚してしまった女。

これは港区で実際に起こった、「立場逆転離婚」の物語。

夫・昌宏(まさひろ)に突然離婚を切り出した15歳年下の妻・利奈(りな)。昌宏は探偵を使い、妻の身辺を調べると怒りを爆発させたが、利奈にも夫に伝えたい切ない思いがあった。

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「利奈先生、ありがとうございました!。来週も宜しくお願いします」

中目黒の料理教室で、帰っていく生徒さん達に挨拶を返しながら片付けを続ける。先生と呼んでもらうのはまだ少しのこそばゆさがあるけれど、呼ばれるたびに充足感に満たされる。

藍子さんに紹介してもらい、ここで働き始めて1年。

料理教室を主宰しているのは、テレビでも活躍し、料理本も人気のフードスタイリストの先生。

最初はアシスタントとして働き始めたけれど半年たった頃、自分のクラスをもって見たら?と先生がチャンスをくれた。本当に感謝している。

誰かに認められることが、こんなに嬉しいなんて…。

実家が金沢の小さな旅館で、母が厨房を仕切っていたため、私も幼い頃から料理を仕込まれていた。実家で出していた「金沢のおばんざい」など、郷郷土料理を中心に懐石料理のようなものを教えている。

他にも、ランチタイムにレストランで働いている。その収入と合わせると、贅沢しなければ1人で暮らしていけるくらいの収入を得る事ができる。そしてつい最近、小さな部屋を借りる事ができた。

自分のお金で部屋を借りる。働き始めて以来、私は夫のお金を最低限の生活費以外は使っていない。そうしなければ「離婚」を切り出す権利さえ持てないような気がしていたから。

赤ちゃんのこと、不妊治療のこと。たった一つの夢が崩壊したことは本当に悲しかったけど、今思えばあれはきっかけに過ぎなかったと思う。

もし、藍子さんが夫と結婚してたら、彼は不妊治療を止めたかな。

もちろん藍子さんなら、私と違ってもっと冷静に訴えただろうし、比べることではないのは分かっている。でも私は気がついてしまった。

きっと彼は「妻にする」のは私でなくとも良かった。欲しかったのは「自分に従う妻」であって、私ではない。世間知らずでコントロールしやすい女。

彼だけが悪いなんて思ってない。

私が成長するための離婚。彼から自立するための離婚。この先一生彼の言う通りには生きられない。そう覚悟し、弁護士さんまで頼んだのに、胸の奥にうずく切なさ、未練のような思いが無くならない。

ほんと矛盾してるな、私。

そんなことを思いながら、シンクを磨き上げたあと、料理教室の鍵を閉め外に出た。冷たい風を感じて、手に持っていたストールを首元に巻きながら歩きだした。すると…

「利奈」

その声に、一瞬で体が凍りつく。ここにいるはずのない人の声。

「利奈」

もう一度呼ばれ、ぎゅっと目を閉じ振り返る。目を開けると夫がいた。

我を忘れ、妻の元に押しかけてきた夫に妻は…

「マンションに行ったけど、いなかったから」

夫の顔からは何も読み取れない。動悸が激しくなる。私は逃げ出したくなる気持ちを必死で抑えた。

「…なんでここに…」

そう絞り出すのが精いっぱいだった。すると夫は笑った。

「調べたんだ。利奈のこと」

笑顔が怖い。笑っているのに笑っていない。こんな顔の夫は知らない。

「家で。話をしないか?僕たちの家で」

「…話し合いは、弁護士さんと、いっしょに…」

言い終わる前に、夫は、私の腕を強引に引っ張り歩き出した。

「離して」

振りほどこうとしたけれど、さらに強く握られた手首が、真っ赤に染まる。

「痛い」

思わず出た私の声に、夫が弱々しく、ごめんと言った。それでも手が離されることは無く、彼はそのままタクシーを止めた。

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「乗ってくれ…頼む」

最後は、絞り出すような小さな声だった。タクシーのドアが開く。夫にもう一度促され、押し込まれるように乗り込んだ。

夫は運転手にマンションの住所を告げたきり、黙り込んだ。夫の横顔を盗み見ながら、出会った頃のことを思い出す。

こんな日が来るなんて思いもしなかった。私は確かにこの人に恋をして、ただ小さな幸せが欲しかっただけ、のはずなのに。

私は地元金沢の大学を卒業した後「親元を離れて生活したい」という、今思えば子供っぽい動機に突き動かされ、東京で就職先を探した。

一人娘の私に実家の旅館を継がせたいと考えていた両親には反対されたけれど、3年で実家に戻ると約束し許してもらった。

夫に出会ったのは、就職して丁度1カ月が過ぎた頃だったと思う。

私の勤務先の広告代理店で彼のプロジェクトが始まったことがきっかけだった、彼が何度かミーティングに通ってくる度に挨拶を交わし話すようになった。自己紹介や天気のこと。最初は当たり障りのない、他愛のない会話だった。

最初のデートに誘われた時のことは、今でもはっきりと覚えている。

秘書室で働いていた私が、エレベーター前まで彼を見送った時、別れ際に小さく折り畳まれた紙を渡された。驚いて顔を上げると、彼はもう、何食わぬ顔をしてエレベーターに乗りこんでいた。

ドアが閉まったことを確認した後、周囲を気にしながら紙を開いた。

「優しい声と言葉遣いが綺麗で感動しました。1度お食事でもご一緒しませんか。こんなおじさんでも良かったら連絡ください。携帯番号を書いておきます」

携帯番号やLINEを聞かれるより、ずっとドキドキした。声や言葉遣いを褒められたのは初めてだったし、彼は私の知っている「おじさん」とは全く違っていた。

それでも、私は自分から連絡はできなかった。彼は明らかに「遊びなれている大人の男性」だったから。

からかわれているのかもしれない。

惹かれながらも逃げ腰になる私を、彼は根気よく誘い続けてくれた。

私が彼と初めて2人で出かけることを決めたのは、最初に誘われてから3カ月が過ぎた頃だった。

結婚当初と変わっていく妻、それが理解できなかった夫

最初のデートは銀座の『吉扇』

私の地元、金沢から魚を取り寄せている店を選んでくれた彼の気遣いに感動した。

2軒目の老舗バー『Dハートマン』では緊張しすぎて酔いが回り、有名な作家さんが通っている店なんだよと教えてもらったのに、今もその名前が思い出せない。

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初めて見る「キラキラ」した世界。常にエスコートを忘れない優しくて紳士的な年上の男性。それが、私にとってのあの頃の夫だった。

デートを重ねれば重ねるほど、私は彼が見せてくれる世界におどおどしながらもときめき、彼に夢中になっていった。

知らなかったこと、もの、人。私にとって、それはカルチャーショックに近いものだったと思う。

「女の子をこんなに守ってあげたいと思ったのは初めてなんだ」

つき合い始めてすぐにプロポーズされた時、胸の奥がギュっとなり、自然と涙がこぼれた。とても幸せで、断る選択肢は無かった。

彼が裕福なことは知っていたし、それが魅力的に映らなかったとは言わない。でも私は彼となら、夫婦として幸せになれると信じて結婚を決めた。

年の差を心配した私の両親を説得するのには少し手間取ったけれど、結婚式を是非金沢で、という彼の提案に両親も折れ、式では感極まった父が

「世間知らずな娘ですが」

と何度も何度も、彼の手を握り繰り返していた。

確かに私は世間知らずだったし、彼の妻として幼く、足りないことが沢山あったことも分かっているけれど。

私にも、譲れないこととか、プライドとかが芽生えたらおかしいですか?

私に背を向け窓の外を見ている夫に、声にださないまま問いかけた。

夫・昌宏「これ以上のわがままは、許さない」

1カ月ぶりの我が家だ。

溜息をつきながら、僕はカードキーを財布から取り出す。開錠する電子音さえ、ひどく懐かしく愛おしく感じてしまう。

「離して、ください」

おびえた妻の声に、自分がずっと彼女の手首を掴んだままだったことに気が付く。

「ごめん」

慌てて手を放すと、彼女の白く細い手首は、うっ血し赤く染まっていた。その顔におびえが見える。

気まずくて顔をそむけ、僕は彼女の顔をみないままもう一度ごめん、とつぶやき先に家に入った。

落ち着け、と自分に言い聞かせる。自分が何をしてしまうのか、自分でもわからないのが怖い。

妻が靴を脱ぐ音から逃げるようにリビングへ向かい、ソファーに座る。出ていく前と何ら変わらないはずなのに、まるで知らない部屋のような、居心地の悪さを感じる。

「部屋、借りたんだろ」

自分の口から出た言葉に驚く。失敗したー。

これは交渉の切り札に使うべき要素で、最初に切り出す言葉ではなかったはずなのに、自分の愚かさに舌うちしたくなる。だけど。

答えない妻の表情が読めず腹立ちは募り、激しい衝動がこみ上げて止まらなかった。もうどうなろうといい。全てぶつけてやる。

「もう僕は、いらないってことか?」

「え?」

唸るような声になった僕の言葉が聞こえなかったのか、妻が聞き返す。

「僕の金が必要なくなったから捨てるのか?」

情けない、女々しい言葉。こんなことを僕が言う日がくるとは。

「利奈がそういう子だとは思わなかったよ。何も知らない女の子だった君が、僕との生活で得たものの価値がわかる?」

僕は妻の顔を見ないまま言った。目線の先、ソファーのキルティングの縫い目の糸がほんの少しほころんでいた。そんなことにすら怒りがこみ上げる。

「今更、他の男と暮らせるのか?」

探偵の調査では男の影は見つからなかったが、僕の中の疑惑は消えていない。でなければ僕を捨てようとする理由が全くわからない。すると…。

笑い声?

顔を上げると妻が微笑んでいた。この場に似つかわしくない穏やかな笑顔で、僕のことを見つめている。

なぜそんな顔で笑う?まるで僕を憐れむように。

瞬間、頭が沸騰し怒りが爆発した。気が付いたら僕はソファーに妻を引き倒していた。

これ以上僕をバカにすることは、絶対に許さない。

▶NEXT:11月19日 日曜更新予定
我を忘れた夫と妻の話し合いに決着が!?

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